〈他者〉との出会いと孤独
はじめに
誤解しないでいただきたいが、これから私が言う「孤独」とは、寂しさのことではない。両者は全く別物である。世界は、この〈私〉から開かれたものだ。そして、誰もが皆 その“開け”を持っているのだが、私は、〈私〉以外の見地に立つことはできない。それゆえの「孤独」である。
中2の頃、オーストラリア人を好きになったことをきっかけに、「誰とも現在を共有できない」ことに気付いてショックを受けた。
繋がれない寂しさが生まれるのは、距離があるからではない。同じ家に住んでいる家族であって