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異なるコミュニケーションを比較モンベルとスノーピークの違いとは

 こんにちは。knownsインターン生のreiです。

 みなさん、アウトドアはお好きですか?
 大学生の私の周りでも「春休みにスキーに行った」という友達が多く、アウトドアアイテムを買いに出かけていたようです!

 スキーだけでなく、最近では、アニメ「ゆるキャン△」やコロナ禍からの影響もあってか、「女性ソロキャンパー」も増えていてアウトドアの需要も増えてきている感じがします!

 みなさんは、アウトドアブランドと言って思い浮かべるブランドはなんでしょうか?

 先日街中でおしゃれなアウターを身につけている人がいたのですが、そのブランドをみてみると「snow peak」のもので驚きました。
 また別のタイミングにはYouTubeのショート動画で見つけたのが「モンベル」のアウターで、アウトドアに限らず普段使いできる良品として紹介されていました。

 このようにアウトドアブランドも、服だけでなくリュックサックや普段使いできるアウター、日用品グッズまで展開していて、だんだんと非日常から日常に溶け込んでいる感じがしますよね!

 というわけで今回は、個人的に目にすることが多く、気になっている「mont-bell(モンベル)」「snow peak(スノーピーク)」の2社に絞って、近年増加していると思われるアウトドアブランドが好きな女性の消費者に観点を当ててみました。
(最近、消費全体の8割に影響をもたらすとも言われているそうです。)

 どんなユーザーがそれぞれ両社をどのような理由で利用しているのか。
 また、両社の商品広告や顧客に対する向き合い方の違いを比較しながらKnowns Bizを使って分析してみました。

≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫


各ブランドの特色は?

コンセプトは"機能美"のモンベル

 モンベルは、日本を代表するアウトドアメーカーとして、高品質ながらも手頃な価格のアウトドア用品を提供してきたブランドです。

 創業者の辰野勇氏は大阪府堺市で生まれ、若い頃から山岳登山に情熱を注ぎました。その後、1975年にモンベルを設立。
 初期の挑戦の中、化学大手デュポンの先進的なポリエステル繊維を活用し、高機能な寝袋を市場に投入、大きな成功を収めました。

 1977年には、アウトドアブランドの巨人、パタゴニアとの提携を果たしましたが、後にブランドの独自性を保つために提携を解消。
 その後も、モンベルは「機能美」というコンセプトのもと、製品開発を続け、アウトドア愛好者からの絶大な支持を受けています。

 製品は軽く、使いやすく、機能性を最優先価格も他ブランドより約3割安いというポリシーのもと、多くのファンに支持されています。
 モンベルの製品の豊富さと独自性は、社員自らがアウトドア愛好者であり、彼らのアイディアや経験が製品開発に大きく影響しているからです。
 現在、モンベルは約1200人の従業員を抱え、売上は約840億円。その成功の背後には、辰野勇の人間性とモンベルの独自の哲学、そして社員の情熱があります。

職人から生まれたスノーピーク

 スノーピークは、日本の新潟県燕三条というモノづくりが有名な地域で生まれたアウトドアメーカーで、現代のオートキャンプスタイルを世界に先駆けて生み出したことで知られています。

 起源は1959年、登山が趣味の初代代表取締役、山井幸雄氏が始めた登山道具の製造から。彼の情熱と地域の技術者の協力によって、高品質の登山道具が生まれました。
 そして、1963年に「スノーピーク」のブランド名が誕生。

 登山ブームの中、スノーピークの製品は評価を受け、全国にその名を広めました。しかし、ブームが過ぎ去った後、会社は大きな壁に直面。
 そこで現社長の山井太がアメリカのキャンプ文化を取り入れ、自身の欲しい商品を作る方針を採用しました。

 特に高品質なキャンプ用品を提供することで、新しいアウトドアスタイルを提案。価格の高さにも関わらず、その品質とデザインは多くのファンから支持を受けました。
 スノーピークは顧客の声を大切にし、直接ユーザーとの交流の場を持つ「スノーピークウェイ」などのイベントを開催。更に、新潟県三条市の山でヘッドクォーターズとキャンプ場を設立し、その独特なスタイルで注目を浴びました。

 現在、スノーピークは国内外で愛されるブランドとして成長。その裏には、独自の哲学と、新潟燕三条の技術と情熱が結実した商品群があります。 

 今日、彼らは「贅沢なアウトドアの遊び」を通じて、私たちに豊かな時間の過ごし方を提案し続けています。

女性のユーザー層に特徴差は?

 それではここから実際に両ブランドのデモグラフィック分析から見ていきたいと思います。

Knowns Biz調べ モンベルとスノーピーク デモグラフィック分析 ウェイトバックあり

 両社を利用しているユーザーの中で、特に値が大きい層(7%を超えている層)は、どちらも「25~44歳」までの「女性」であることがわかりました。

 また、それ以外の年齢・性別層も、モンベルとスノーピークの2社で大きな値の差はなく、非常に似ていることも見受けられます。
(例:50代の利用者割合は男女共に全く同じ値)

 利用層がかなり近い2社のユーザーは、価値観も同じなのか、そして何が25~44歳までの女性の消費者を惹きつけているのか。

 それを考察すべく、今回は、25~44歳の女性の消費者がどのような属性を持っているのかをKnowns Bizでさらに「SNS利用状況」「社会的価値観」「消費者の声」を調べて比較してみます!

SNS利用状況の差は?

 まずはモンベルとスノーピークのSNS利用状況についてデータをみていきたいと思います。

Knowns Biz調べ モンベル SNSの利用状況
Knowns Biz調べ スノーピーク SNSの利用状況

 スノーピークの消費者の方がモンベルに対して若干SNS利用率が高いことがわかります。
(フィルターなしの利用率は3.5%、25~44歳女性の利用率は3.9%モンベルよりスノーピークの方が高い)

 また、SNS利用のうち「最も投稿しているSNSの投稿頻度(今回の場合、モンベル・スノーピーク共にInstagramの投稿頻度)」に関してモンベルとスノーピークのデータを比較してみると、フィルターなしの場合は2.4%、25~44歳女性の場合は2.6%モンベルよりスノーピークの消費者が投稿頻度が高いことがわかりました。

Knowns Biz調べ モンベルとスノーピーク 「最も投稿しているSNSの投稿頻度」比較

 前提としてSNS利用者は承認欲求が強いことも知られているそうです。

承認欲求の高い者は Twitter や Instagram を利用する傾向にあり,承認欲求の低い者は Twitter や Instagram を利用しない傾向が見られた.

引用元:承認欲求とソーシャルメディア使用傾向の関連性

 SNS利用者が多いスノーピークの消費者は、モンベル消費者よりも承認欲求が高いのでしょうか?

 ここからさらに詳しく属性をみていくために「消費価値観」を両社の消費者で比較をして、両社の消費者のうちの女性が承認欲求が高めなのか確かめてみます。

消費に対する価値観の違い

 ここでも同じく25〜44歳の女性に絞って、それぞれのもつ消費価値観についてデータをみていきます。

Knowns Biz調べ モンベルとスノーピーク 消費価値観「ステータス消費」比較 
ウェイトバックあり

 スノーピークの25~44歳の女性の消費価値観で目立つのは「自分のお気に入りにこだわり、付加価値(プレミアム)に対してしっかりと対価を払う消費行動」である「プレミアム消費」です。
 また、上位から見ていって、承認欲求に関連しそうな価値観の「ステータス消費」に着目すると、モンベルが-0,7%、スノーピークが1.2%とスノーピークの方がわずかに高いものの、そこまで顕著な差はありませんでした。

 モンベルの25~44歳の女性の消費価値観で目立つのは、「信頼できる情報から納得できたら購入する」ハラオチ型消費です。ですが、ここで注目したいのが消費価値観のうちの「ネタ消費(SNS書き込む際のネタにするためやコミュニケーションのための消費行動。)」の割合です!

 スノーピークの25~44歳の女性消費者は、モンベルの25~44歳の女性消費者と比較して、SNS利用率とステータス消費の値が高いため、「ネタ消費の値もモンベルよりスノーピークの消費者は高いのでは…?」と予想しましたが、実際は以下の通りになりました!

Knowns Biz調べ モンベルとスノーピーク 消費価値観「ネタ消費」比較
ウェイトバックあり

 なんと、モンベルの25~44歳の女性消費者の方がネタ消費の値がわずかに高くなりました。なぜでしょうか?

 そこで、両社のSNSや店舗やイベントの施策などの「顧客に対する向き合い方」を比較してその原因を探ってみました。

それぞれの顧客に対する向き合い方

 SNS利用率が高いのはスノーピークの消費者なのに、ネタ消費の割合が多いのはモンベルの消費者…いったいなぜ?

 その理由は、モンベルとスノーピークの顧客に対する向き合い方にありそうです。

SNSでつながるスノーピーク

 どちらも質の良い商品を出しているモンベルとスノーピークですが、両ブランドは顧客に対するアプローチがかなり異なっています。
 近年はSNSによる新規顧客の獲得とファン化と言ったデジタルマーケティングが手法としてよく用いられていますが、その点はどうでしょうか?

 前述でも紹介した論文によると、承認欲求と関係があるSNSはTwitter(X)とInstagramとのことなので、今回は閲覧、投稿ともに最も両ユーザーの利用割合が多いInstagramのモンベルとスノーピークの投稿に着目して比較してみます。

 下の表は、モンベルとスノーピークのInstagram投稿を比較したものです。

ノウンズ独自作成:モンベルとスノーピーク Instagram投稿比較

スノーピークがSNSに力を入れているわけ

 データでも利用者が多く出ていましたが、スノーピークはInstagramなどのSNSに力を入れている理由があります。

 スノーピークにおけるInstagramは「マーケティングのためのInstagramではなく、顧客のためのInstagram」とされています。

 また別の場面でSnow Peak USAのGeneral Manager、坂東 佑治(ばんどう ゆうじ)氏がスノーピークのブランディングに関して語っているのは、スノーピークがSNSの活用に力を入れる理由として、ブランド価値の向上とコミュニティの育成を挙げています。
 SNSを通じてユーザーとの直接的なコミュニケーションを図ることで、ブランドの理念や価値を伝え、ユーザー間の繋がりを強化しています。

 この戦略は、広告に頼らずに自然な形でフォロワーを増やし、真のブランド愛好家を育てることを目指しています。

 アウトドアに興味がない人でも、SNSをよく使う人は、デザインや投稿でファンになる人が多いです。そうやって新規獲得したファンを「キャンプ入門者向け」のイベントに誘導し、さらなるファン化を進めています。

 スノーピークは、SNS映えする雰囲気の写真で「この商品いいかも!」とユーザー(特にSNS利用率が高い女性の消費者)に思わせて、実際に店舗やイベントに足を運んでもらい、さらにファンになってもらう、という施策をとっているようです👀

 スノーピーク消費者に見られる高いSNS利用率と「プレミアム消費」の割合は、スノーピーク側がこういったターゲットをメイン層としてInstagramをはじめとしたSNS投稿に力を入れ、そこから実際の店舗やイベントに誘導しファンにするという戦略がうまくいっているからだと考察できます。

 SNSがきっかけで、店舗に出向いたりイベントに参加するにあたってグッズを買い揃え、ファンになっていくうちに、またスノーピークのSNS投稿をみると、「この投稿に載ってるおしゃれな商品私も持ってる!」という状態になり、承認欲求も満たされることもあると考えられます。
 もしくは、「このグッズ欲しいな…今度のアウトドアイベントに身につけていけばおしゃれと思われるかな」というワクワクした心理になるかもしれません。

「現場」にこだわるモンベル

 SNSの投稿での呼び込みや最初のハードルを下げることによって、新規顧客の心を掴むスノーピークに対して、モンベルはどのように顧客との接点を持っているのでしょうか。
 スノーピークと比較して、SNSのフォロワーが少ない(Xのフォロワー数もスノーピークは9.8万人、モンベルは8.8万人)モンベルですが、その代わりとにかく現場での接点を店舗展開からイベントまで大切にしていることが、モンベルに関して調べるうちに分かってきました。

 まず、顧客との接点を持つために必要な店舗展開に関してですが、モンベルはとにかく「人との縁」を大切にしています。
 「年月をかけて積み重ねてきた地域との関係性から声がかかり、人との縁による出店が多いですね。」という常務取締役広報本部長・竹山史朗氏の発言の通り、戦略というより地域のユーザーの求めに応じた形で店舗を展開しています。

 そして、このユーザーの要望を現地で実現するという方針は、会員制のサービスである「モンベルクラブ」でよくみられます。

 モンベルが何より「現場」にこだわっていることがわかるのが、「モンベルクラブ」の存在です。モンベルクラブとは、月々1500円の会費を払うことによって、様々な優待サービスを受けられるサービスのことでなんと、会員は現在100万人にものぼります。

引用元:モンベルサイト モンベルクラブ入会で受けられるサービス 一部抜粋

 上記は、モンベルクラブに入会することで受けられるサービスです。

 現地にて優待が受けられるものが多く、また「年4回発行の会報誌『OUTWARD』の人気が高い」と、常務取締役広報本部長の竹山史朗氏は明かしています。
 写真家・岩合光昭氏の表紙からして、ありきたりの会員誌とは格が違い、魅力的な目的地の案内やアウトドアでの過ごし方、地球環境との向き合い方など中身は濃いです。

 モンベル製品の紹介も載せてはいますが、ありがちな宣伝臭さは遠ざけており、創業者・辰野勇会長の対談をはじめ、モンベルの「思想」を伝える熱量が高いのも同誌の持ち味。
 自然と触れ合う意義を深く考察している点で、会員との結びつきを強める役割も担っているようです。

 こうした、モンベルクラブ会員特典のみが得られる情報やサービスの充実さ、また現地での体験設計が、クレジットカードでブラックカードの人だけが受けられる優待やディズニーにおけるクラブ33の体験を受けている感覚に近いのではないかと考えられそうです。

▽クラブ33が気になる方はこちら!

 このように、顧客とのファーストコンタクトだけでなく、その後のイベントまでとにかく「現場」にこだわっているモンベル。
 SNSをよく使っている25~44歳女性のモンベルユーザーでも「ハラオチ消費」の価値観が多いのは、こうした「現場主義」によるモンベルと消費者の絆によるものと考えられそうです。

 「ネタ消費」に関しても、実際に私たちが投稿するSNSの内容はイベントにいった時の写真などが多いのを考えると納得できるかもしれません。
 特に、モンベルクラブの会員であれば、他の人とは一線を画した「現場」での体験をできるわけですから、その特別な瞬間をSNSに投稿したくなるのでしょう。

向き合い方を見つめてわかったこと

 ここまでで、スノーピークとモンベルの顧客に対する向き合い方を見つけてきてわかったことをざっくりとまとめると以下の通りになります。

  • SNSの利用率はスノーピークが高め

    • SNSの利用率が高い年齢、性別層はどちらも25~44歳の女性

    • スノーピークの25~44歳女性のSNS利用率が約95%

    • 一方、モンベルの25~44歳女性のSNS利用率は約91%

  • 消費価値観の違いと矛盾

    • SNS利用率が高いスノーピーク消費者は、「プレミアム消費」価値観が多い

    • SNS利用率の高さと相関関係がある「承認欲求」に関する消費価値観である「ステータス消費」に関しては、モンベルとスノーピークの消費者の間でそこまで差は見られない

    • しかし、実際にSNSに投稿する消費価値観である「ネタ消費」の割合はモンベル消費者の方が高い

  • スノーピークのSNS戦略

    • スノーピークはInstagramなどのSNSに重点を置き、スタイリッシュで統一感のある投稿でブランドイメージを強化している。これにより、アウトドアに興味がない人々も含めた新規顧客の獲得とファン化に成功。

    • SNSによる新規顧客の獲得と、店舗誘導によるファン化の戦略によって、スノーピークの消費者は自分のお気に入りにこだわり、付加価値(プレミアム)に対してしっかりと対価を払う消費行動を起こしていると考えられる。

  • モンベルの対面重視アプローチ

    • 対照的に、モンベルはSNSでのプレゼンスよりも実店舗やイベントでの顧客との直接的な接点を重視している。店舗展開と「人との縁」を大切にし、顧客との深い繋がりを構築。

    • モンベルは月額1500円の「モンベルクラブ」を通じて、会員に対して独自の優待サービスを提供しており、これにより100万人以上の会員を獲得。会報誌『OUTWARD』をはじめ、自然との向き合い方やアウトドアの楽しみ方を伝えるコンテンツで、会員との絆を深めている。

    • 徹底的な現場主義により、モンベルの消費者は現場でのモンベル消費者でしかできない体験をSNSでシェアすることもあり、それが「ネタ消費」につながっていると考えられる。

  • 両ブランドの共通点と差異

    • 両ブランドともに顧客との現地での繋がりを重視しているが、初期のアプローチでは大きく異なる戦略を取っており、スノーピークはSNSを通じて店舗や現地への導線を築いているのに対し、モンベルは最初から現場にこだわり、実店舗やイベント、モンベルクラブなどを通じて直接的な関係構築に注力している。

 モンベルの顧客は、「モンベルクラブ」の存在や地域に密着した実店舗の営業、会報誌や現地でのイベントの優遇などから、モンベルというブランドに対して、強い愛や誇りを持っているのではないでしょうか?
 だからこそ、SNSの利用率はスノーピークの顧客の方が高いものの、現場のイベントで特別な体験ができ、それをSNSに投稿することを考えると「ネタ消費」価値観が多いのはモンベルの消費者であるのも納得かもしれません。

モンベルとスノーピークの向き合い方が現れる広告

 余談ですが、モンベルとスノーピークの顧客に対する向き合い方はホームページや広告にもその差が現れています。

引用:イーキャンパーサイトより
「ナショナル ジオグラフィック日本版広告賞 柳生博賞」を受賞したモンベルの広告

 モンベルは、とにかく機能性を全面に押し出した広告、HPも最初に商品が提示されるようになっています。

引用:モンベル オンラインショップホームページより

 一方でスノーピークは、SNS映えする写真で、初心者が手を出しやすいようにしており、HPも初心者向けにアウトドアの武骨さよりも自然の美しさを見せているように思います。

引用:スノーピーク ホームページより

 実際に、両社に対するイメージ分析をしてみると以下の通りになり

Knowns Biz調べ モンベル イメージ分析 ウェイトバックあり
Knowns Biz調べ モンベル イメージ分析
25~44歳女性フィルターあり ウェイトバックあり
Knowns Biz調べ スノーピーク
イメージ分析 ウェイトバックあり
Knowns Biz調べ スノーピーク イメージ分析
25~44歳女性フィルターあり ウェイトバックあり

 モンベルは「ベーシック」「安心・安全」「タフ・頑丈」といったイメージが25~44歳女性だけでなくすべての性別・年齢層から持たれており、一方でスノーピークは「期待感・ワクワク」といったイメージを持たれているようです。
 両社とも、自社ブランドの強みやイメージ、どうすれば顧客が目をつけてくれるかを理解した展開を行っていますね!

今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ

まとめ

 いかがでしたか?今回は、モンベルとスノーピークという日本が誇るアウトドアブランドを女性の消費者に着目しながら、両社のユーザーがどのような属性の人で、またその理由はなんなのかを分析しました!

 モンベルとスノーピークは、アウトドアブランドとして高品質な商品を提供しており、両社のユーザー層は特に25から44歳の女性が多いことが分かりました。

 SNS利用状況を比較すると、スノーピークの女性ユーザーの方が若干SNS利用率が高く、フォロワー数や投稿頻度もスノーピークの方が多かったです。
 しかし、実際にSNSに書き込む際のネタにするためやコミュニケーションのための消費行動である「ネタ消費」の価値観が高いのはモンベルの消費者でした。

 その理由として考えられるのが、顧客に対する向き合い方です。

 どちらも、最終的には「ユーザーと直接的な繋がりを通して関係性を深めていく」ことは共通しているのですが、最初の接点は、スノーピークはSNSを重要なコミュニケーション手段とし、インスタグラムなどでスタイリッシュな投稿を行い、新規顧客の獲得とファン化を促進しています。

 よって、SNS利用率や承認欲求が高いのはスノーピークの消費者なのは納得できます。
 一方、モンベルは実店舗やイベント、モンベルクラブを通じて顧客との直接的な接点を重視し、深い繋がりを築いています。
 モンベルクラブは、モンベルの会員制サービスであり、会員に対して特典を提供しています。このサービスを通じてモンベルは100万人以上の会員を獲得し、顧客との結びつきを強化しています。
 こうしたモンベルが提供する現場の充実さが、モンベル消費者にイベントでの体験をSNSに投稿させる心理に影響しているのかもしれません。

 このように、モンベルとスノーピークは顧客に対するアプローチに違いがあり、それが顧客層や承認欲求、SNS投稿に影響を与えていることが分析されました。
 アウトドアブランドとして両社は異なる戦略を用いながら成功を収めており、それぞれのブランドの特徴が明らかになりました。

 冬から春にかけて、スキーやキャンプに行かれる方は、モンベルとスノーピークそれぞれの良さを確かめながらアウトドアブランドを選ぶのもいいかもしれませんね!
 また、アウトドアを楽しむ人もそうでない人も、自分にあったブランドをこの機会に手にとってみては?

≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫

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