見出し画像

今まで出会ったヘンなエンジニアのハナシ その2

続くエンジニア列伝

 どうやら非常に閲覧者が多い記事になってしまったので、続きを書いてみようと思う。ただ、世の中そんなに面白いヒトばかりでもないので、知り合いにこのハナシをしたところ、あー、昔はそんなのあったな、というものがいくつか出てきた。

 やっぱり、世の中、面白いヒトが多い。

通称「将軍」


 「将軍様だよ」
 「北のやつ?」
 「北のやつ」

 リーマンショックあたりを境に「将軍」は見なくなってしまったのですっかり忘れていた。今はこの手のPMはいなんじゃなかろうか。
 語源についてはヤバそうなので書かない。察してくれ。

 リーマンショック前までは、プロジェクトが発足すると、なぜか一般人の派遣の若い女の子がPOや庶務として参加してくることがあった。決まって容姿端麗なのな。
 一般人なのでIT系のことが全く分からない。なのでちょこちょことポカをやらかすんだが、それを将軍が面倒を見るというトコまでがワンセット。プロジェクトのことよりも、派遣の女の子を相手にしている時間の方長く、将軍と女の子がメシやお茶などでちょいちょいと現場からいなくなる

 派遣の子なのでそれなりに高いお金がかかっているんだが、エンジニアを増員するより派遣の女の子を増員する、といった判断をするPMもいる。プロジェクト予算が厳しくなってくると、この女の子よりも先にエンジニアが切られるという不思議なことも起こる。通称「粛清」。
 手が動いて優秀なエンジニアは単価が高いので使える人間ほど先に切られるという理不尽なこともおこり、プロジェクトは要員が減り進捗がキビシイ状態を強いられる。

 このPOや庶務をやる一般人の派遣の女の子達は「喜び組」と呼称された。
 エンジニアの女子がPOや庶務をやる場合は、この呼称はされない。

 ほとんどの場合、将軍から執拗なセクハラに晒されるため、見かねたプロパーなどが間に入って助けることになり、プロジェクト解散後にプロパーと女の子が付き合ったり、結婚したりという事例もある。この場合は「脱北」と呼称される。

通称「赤帯」


 「今のプロジェクト赤帯ばっかりでさ。」
 「でも出来るんでしょ?」
 「新しいモノはカラッキシダメでどうしようかと」

 ある程度、お年を召した経験豊富なエンジニアが呼称される。基礎スキルも知識も備わっていることが多く人格的にも申し分ないのだが、残念なことに最新の知識やスキルはキャッチアップできておらずどうしてもフォローが必要な状態になってしまう。それはしょうがないことなのだが、独自の価値観も強く持っているコトも多くどうしても馴染めなくなってしまう。あまりにも独特な価値観や技術実装方法、設計方法を展開するような赤帯は「流派」と呼称されるマイルールを持っていることも。
 
 赤帯を取っているだけあって、基本的なスキルが低いわけではないのである程度キャッチアップすると戦闘力が高まりプロジェクトをけん引するような戦力になる。また、豊富な経験を元に貴重な助言を得られることもあるので仲良くしておいて損はない。

 語源は、柔道や空手の赤帯。

通称「煙突」


 「煙突3本」
 「だけ?」
 「だけ」 

工場の煙突は、動くことがなく延々と煙を吐き出し続けている。製品の製造が続く限り煙を吐き出し続ける。

 「煙突」とは、喫煙室にエンドレスで滞在し戻ってこないようなエンジニアが呼称される。ようはタバコから出る煙を煙突に見立ててる。
 ちょこちょことタバコを吸いに行くエンジニアはこれに該当しない。あくまでも喫煙所にたむろし続ける場合にのみ呼称される。猛者になってくると半日以上戻ってこない場合もある。さすがに問題になりその手のエンジニアは退場になるのだが、ソコが原因で退場になることを「出荷停止」と呼ぶ。

通称「お店」


 「こないだのプロジェクトでお店があってさ」
 「問題にならなかったの?」
 「おとがめなし」

 これも今ではまず存在しないエンジニアであるが、忘れないうちに書いておきたい。その昔はプロジェクトが発足するとノートPCなどが新規で調達されてプロジェクト解散になると、使っているノートPCがプロジェクト参加者に無償で配られるということが普通にあった。今では考えられないが、そういうおおらかな時代だった。20年ぐらい前は普通の出来事で、15年ぐらい前ぐらいから徐々にそういうプロジェクトが無くなってきた。
 プロジェクトで廃棄されるサーバ機器やネットワーク機器などをもらえることもあり、オッサンが若い頃は機器を貰っては自宅の勉強に使ってた。

 配られる時は中身のデータは削除されているので、そこは頼む。

 そんな時代だったので、年間にいくつかプロジェクトを回ると1年で数台のノートPCが貰えることもあり、最初は何台か貰ったりするんだけれど、だんだん要らなくなってきて断るようになる。
 そこを熱心に貰って集めて、オークション的なトコに出したり、まとめて業者に流したりするようなエンジニアもいて、通称「お店」と呼称される。

まだまだあるぞ、どうしようか。

 ある程度、まとまったらその3を書こうかと思う。
 あー、はいはい、ってのが多いのよな。

 ちなみに、オッサンは「煙突」と呼称されていた時期がある。
 誰もいなくなった深夜に喫煙室で仕事してた頃だな。喫煙所の窓からネズミ屋さんの花火を見ながらタバコを吸って、仕事してたんだよ。
 これも、今じゃ考えられないけれど、当時は喫煙所にPC持ち込んでもよかったんだよなぁ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?