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読書記録(2019年2月)「破天荒フェニックス」

今まで使っていたメガネが6年以上使っていることに気づき、そろそろ新しいメガネを買おうと物色していたらイオンなどに入っているオンデーズというメガネ屋に出会い、そこで買うことにしました。(最終的にはららぽーとの蔦屋書店内のオンデーズで買いました。)

そのメガネを買ったとTwitterにアップしたら「破天荒フェニックスを読んだら欲しくなりました笑」とリプが来て、そのとき破天荒フェニックスって何?となって聞いたらオンデーズの企業再生の話でオススメと聞いたので、早速買って読んでみた。

話を聞いた時はいわゆるビジネス本かなと思って買いに行ったら、分厚くてちょっとビビって、読んでいったらこれって小説風だと気づき、さらにビビる。
なんてたって元々読書嫌い(社会人途中までに読んだことのある本は指で数えられるほどだと思う)の自分には小説なんて小学生の読書感想文以来なので読めるかなと危惧していたが、面白くてスラスラ読んでしまった。

田中社長さんが倒産寸前のメガネチェーン店オンデーズを個人で買収し再生させて資金難を乗り越えながら世界進出させていく物語です。

印象に残ったところを3点にまとめました。


全国で統一したイメージが必要

買収したばかりのオンデーズの問題だらけでどこから手をつけていいか分からない状態だったので、田中社長さんは全国店舗視察ツアーを実施して、寝る間も全国の名物を食べる時間を惜しんで各店舗を回っていた。
田中社長はメガネの素人だし、急にやってきた社長さんなので店舗の現状も良くわかっていない。

そこで全国を回り何が問題なのかを足を運び、飲み会で現地のスタッフで本音を聞き出していた。

ちゃんと現地を回り問題の特定をしっかりしているのが、現場主義だなと思いました。これはどんなことにも必要なことですね。

そこで1つ問題だったのが、売り場作りが各店舗バラバラだったこと。
フランチャイズ展開で売り場作りは各店舗に任せていたので、そうなっていたが、全国展開する上ではネックになると考えた。
お客さんに同じブランディングをされたお店と認識してもらわないといけないので。

自分もメガネを買う前にオンデーズを認知したときは

普通にオシャレめのメガネ屋があるなとふと見ていたぐらいで、その時はオンデーズという名前は認識しておらず、店頭のディスプレイに映像が流れていて、たまたま渡邊直美がダンスをしている映像が流れていてそれはかすかに覚えていた。

また別の日に違う店舗でメガネを見ていたら、また店頭のディスプレイで渡邊直美のダンスが流れていて、もしかしてここって以前見たところと同じなんだと認識した。

そこで同じお店だったんだと認識し、ここでも買えるんだと思いました。

統一された売り場作りが自分もまんまとひっかかっちゃいましたねw


目標の細分化、出来そうと思わせる

莫大な借金を抱えていたり、毎月資金ショート危機を抱えていて、どこの場面でもそんなことはしょっちゅう登場していた。

ただ資金ショートの解決策として決してリストラや賃金カットはしなかった。(ここはドラマ、リーダーズと同じだな)それはメガネやにとって人・従業員が大事と考えていたから。

リストラをしないとなると支出を減らすことができないので、資金ショート危機を回避させるには売上を上げるしかない。

全体で見れば赤字は莫大だけど、ひとつひとつのお店で考えれば、月にほんの数十万程度の赤字がほとんどだ。ということは、一日にしたら、たった3〜4本多くのメガネを今より売れば赤字はほとんどなくなるんだよ。たったそれだけなんだ。そっちの方が閉店して行くよりよっぽど簡単だし建設的でしょう?
いきなり各店舗に「月間目標100万円、今よりも多くの売上をあげろ」なんて言うから駄目なんだ。今の営業部は目標の立て方が大雑把過ぎる。月に100万売上をあげるということとは、一日に3万円多く売れればいいだけだ。3万円というと、現在のオンデーズの客単価だとメガネ3本分だ
営業部には時間ごとに小さく目標を設定させて、目の前のあと1本を、多く売ることだけを考えて皆んなが行動するように、具体的に細かな指揮をとらせていけばいいんだよ。

確かに大きな目標を上げられても、どうすればいいの?となってしまい行動が出来なくなってしまう。小さな目標にするとそれなら出来そうと思い、実際に行動に移しやすくなる。

人を動かす時も自分自身の目標を立てるときも使える考え方だと思うので、意識していきたい。


我々は何を売っているのか?

一番感動した場面が「第16話 被災地メガネ店での出会い」のところ

お婆ちゃんがメガネを作ってくれて感謝しているところは、小説を読んで初めて涙が出そうなぐらい感動的だった。

田中社長はこの出来事から

(メガネをかけないと、目は見えない。目が見えないということは、時に人からかけがえのない大切なものを奪ってしまうこともある。自分たちは視力という、人々の生活に欠かせない、とても重要なものを扱う仕事をしているのだ)
そんなメガネ屋にとって「当たり前のこと」を改めて気づかされたのだ

ずっとメガネのことを考えて、ライバル企業に打ち勝つことや話題性やファッション性、価格や利益のことばかり考えていたが、

オンデーズがお客様に本当にうらなければいけないのは、「メガネをかけて見えるようになった素晴らしい世界」だと気づき、

「メガネ屋として知識と技術の向上に対する意識の低さ」が問題の本質の1つということで社員研修に力をいれるようになった。

我々は何ものなのか?というのは日々の活動をしていると見失いがちだし、元々見えてないこともある。それが明確になるとチームや集団は強くなるんだと感じました。

この「我々は何ものなのか?」というのが日々の活動や新しいことをしていくときの指針になるんじゃないかと思いました。


約500ページある小説を読んだのは初めてかもしれません。
この他にも資金調達の大変さや新店舗オープンのドキドキ感、価格設定のアイデア、海外進出への勢いなど盛りだくさんの本で
とてもスリリングな内容で面白かったです。

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