見出し画像

試合期のトレーニング‐投手編‐

C-I Baseballの佐藤康です。
高校野球が各地で開幕し、中学野球の総体も開幕を迎える時期となりました。関わってきたチームの集大成となる大会に選手をはじめ、チームがベストなコンディションで迎えるための準備がトレーナーとして求められます。

そこで、トレーナーマニュアルでは、
今週・来週の2回にわたり、
「試合期のトレーニング・コンディショニング」について考えていきます。

今回のnoteの流れを簡単にご紹介します。

画像1

画像16

■試合期の位置づけ

はじめに、シーズンにおける試合期の位置づけをまとめていきます。
ここでは、「ピーキング」の理解が必要となるため、定義をまとめます。

※ピーキング(peaking)
目標とする重要な試合にベストのコンディションで臨めるように、コンディションを上げていき、そのピークを合わせること。

画像4

野球の1シーズンを考えた時に、
試合を含めた実践が多い試合期
一般的にシーズンオフといわれる準備期
に大きく分けられます。

技術練習とトレーニングメニューの割合は時期によって異なり、シーズン中とオフでは、その練習メニューやトレーニングは違うことは想像しやすいのではないでしょうか。

今回のテーマでもある試合期は
「学生野球では主に春季大会のある4月、
総体や選手権大会がある夏季、
新人戦のある秋季(9-10月)」
を指します。
※細かいピーキングの期間はここでは割愛します。

試合期とされる、この時期を中心に試合に向けた関わりが求められます。

画像3

ピーキングの理解を深めたい方はコチラ!
<ピーキングの詳細はこれまでに配信した記事がございますのでご参考ください!>

定期マガジン「トレーナーマニュアル」のご購読で本note+上記のnoteをすべてお読みいただけます!


■試合期に強化すべき要素

試合期でのフィジカル面の強化は、
試合におけるパフォーマンスに対し、
疲労などの面も考慮して設定していく必要があります。

野球をする世代の多くのカテゴリーで4-10月の半年間は試合期となります。半年間の中でベストなパフォーマンスの状態を発揮するためには、身体づくりを考慮しながらトレーニング強度を考慮していくことが大切です。

画像16

ちなみに私が担当するチームでは部員が約70名います。70名いると、試合に出場する機会の多い選手がいれば、そうでない選手もいます。また、先発投手もいれば、リリーフでの登板をすることの多い投手や野手と兼務する選手もいます。

準備期であれば、投手の場合、基本的に全選手に同様の負荷でのメニューを設定していますが、試合期では試合出場頻度、投球頻度などを考慮していかなければなりません。

つまり、試合期の関わりとして、登板機会の少ない投手に対しては、多い投手に比べて、試合後に補強をするトレーニングは多くなり、差をつけるなどコンディション面を考慮していく必要があります。

|試合期の期間と強化ポイント

学生野球では主に週末に試合をすることが多いかと思います。大会直前だけ急なメニューを変更するのではなく、大会期間を踏まえたコンディションをつくることが特に投手では大事であると思います。

①大会2か月前~
週末の試合を想定し1週間の中で試合に向けたコンディションづくり
②大会2週間前~
疲労感の残らないメニュー・量の調整/移行
③大会中
カラダの状態に合わせたトレーニングメニューの選択

|トレーニング量と強度

下の図にあるように、ピーキングを考慮した試合期のトレーニングでは、トレーニング強度を上げて、セット数を含めた量は少なくすることが特徴です。

画像5

準備期:中/高強度・高回数
移行期:高強度・中回数
試合期:高強度・低回数

全体的な傾向として、試合期に近づくにつれて、強度を増し、これに反比例するようにして量を減らしていきます。

|リカバリー

試合期では、翌日や翌週など試合間隔に対し、疲労に対するリカバリーの考えが重要です。試合中・試合後の対応はケガ予防などコンディショニングを考えることが大切であり、トレーニングと並行して頭に入れておきたい部分です。

以下に記事がまとめられておりますので是非ご参考下さい!


■トレーニングの負荷量設定

先程、「トレーニングの量と強度の関係」についてお伝えしましたが、次にトレーニングの負荷量についてまとめていきます。

ここから先は

3,387字 / 13画像

【C-I Baseballトレーナーのトレーナーマニュアル】 投球障害肩・肘、腰痛、捻挫、肉離れ、下肢障害など野球におけるケガの関りを専門…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?