《馬鹿話 725》 クールな男とホットな女
「私、クールな男が好き」と温子は真央に話した。
「クールな男って」と真央が言った。
「そうね、見た目はクールな男を気取っているけど、大抵の男はそうでもないわ」と温子は言った。
「例えば?」と真央は尋ねた。
「う~ん」と、温子は考えてから、「例えば、ペンギンみたいな男」と言った。
「どうして」と真央は言った。
「だって、いつも氷の上にいればクールでしょう」と温子は笑った。
真央は、温子の話しが面白くて、恋人の寒男に温子のことを話した。
寒男は温子の話を聴くと、「俺は、ホットな女が好きだ」と真央に言った。
「えっ、私以外にそんな女がいるの?」と真央は寒男に詰め寄った。
「そうじゃない、真央はラクダだ」と寒男は口走った。
真央は寒男の言葉に「私はラクダ!」と言って怒り出した。
「違う違う、熱い国の動物で何て言ったかなぁ」と寒男は言葉を探した。
「え~と、ライオンでもないし、キリンでもなくって、そうだマンドリルだ」と言った。
真央は益々怒り出した。
真央をなだめようと寒男は咄嗟に「やっぱり、カピパラだった!」と言った。
「カピパラって、大きなネズミじゃない」と真央の怒りは頂点に達した。
「いいわ、もう別れましょう」と真央は言い出した。
「ごめんごめん、もっといい動物を思いつくから」と寒男は真央に謝った。
真央は寒男に「どうして動物じゃないといけないの」と怒った。
寒男は「じゃあ、サボテンか?」と尋ねた。
真央は寒男の元を飛び出すと、「あなたのせいで、恋人と別れたわ」と温子にメールを送った。
温子から真央に「どうして、熱い国の動物にしたのかしらね、あなたはオットセイなのに」と返事が返ってきた。
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