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廃プラ政策遅れの原因とは、、、

100%を目指す、とのことですが、どこまで本気かはまだ見えないですね。

プラスチック循環利用協会によると、日本は19年にペットボトルや食品のトレーなどの廃プラをおよそ850万㌧排出した。このうちリサイクルしたり燃料化したりしたのは3割に満たない。一方で火力発電への活用など「エネルギー回収」を含めれば利用率は85%に増える。
温暖化ガスを排出する火力発電は環境への負荷が大きい。新戦略は廃プラの有効利用を100%にすると明記するとともに、火力発電用に回す割合をできるだけ減らし、リサイクルや燃料化の比率を高める。

まず、このようにありますが、火力発電への活用、いわゆるサーマルリサイクルは欧州などでは材料リサイクルとは明確に区別され、環境負荷軽減効果の小さいサーマルリサイクルは、リサイクルとは認められていません。
この定義でいえば、リサイクル率は実質3割程度ということになります。
サーマルリサイクルをできるだけ減らす、とは言うものの、具体的にどこまで減らすかは明確に示されていません。
この辺りに、色々な事情を読み取れます。
おそらく、今の廃棄物制度からするとサーマルリサイクルを減らすのはあまり現実的ではない、というのが基本的な考えなのでしょう。
減らす、と言いつつもその実は守りたい、というのが本音なのではないでしょうか。
これでリサイクル率を高められるかは甚だ疑問です。

政府はサトウキビなどを原料とするバイオマス(生物資源)プラスチックへの代替も急ぐ。18年度時点で使用量は7万㌧程度にすぎず、これを30年までに200万㌧へ増やす。

生分解性プラスチックも結構なことですが、「生分解性だから別にその辺に捨てても大丈夫だろう」という、使い捨てを助長させるような風潮にさせない対策も同時並行でやっていかなければならないと思います。
プラスチック問題は上流(生産側)だけの問題では、決してありません。
また、生分解性プラスチックが混ざると、通常のプラスチックのリサイクルに支障をきたすとの指摘もありますので、その辺りもよくよく考慮する必要があります。
いずれにしても、なるべく使い捨てプラスチックを使わない、また使ったとしても単発利用で終わらせない、という世の中の仕組みにしなければこの問題は解決できないと思います。

はっきり言って、日本のプラスチックに関する政策は欧州などに比べ大分遅れています。
このままだと、欧州のみならず世界からますます遅れていってしまいます。
しかし、これは政府だけの問題ではありません。
私たち国民の環境意識も問われています。
この部分が変わらない限り、政策が大きく動くことはあり得ないと思います。
政策の遅れは国民の環境意識の遅れの現れなのです。
私たちは当たり前のように使い捨てプラスチックを日々大量消費しています。
便利なことはこの上ありません。
しかし、これが本当に正しいことなのか、まずは私たち一人ひとりが問題意識を持ち、現状を見ていくことが重要です。

#日経COMEMO #NIKKEI

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