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獲得型主人公と回復型主人公

物語における主人公(または悪役)の行動原理は、何かを「獲得」するためと「回復」するための2つに大別されるという仮説を立ててみた。というお話です。

獲得型

まだ自分が手にしてない、未知のものを手に入れるために行動するタイプ。ワンピースを求めて旅に出るとか、ドラゴンボールを集めるために旅をするとか。

ただし、自らの願いを叶えるための行動という場合は、「その願いが何なのか」によって話は違ってくるでしょう。
誰かを生き返らせたいとかなら回復型。ギャルのパンティがほしいなら獲得型。

ルパンとかのアウトロー系はだいたいこっちに含まれるのではーと。トレジャーハンター、バウンティハンターなんかもだいたいこちらに属するでしょう。
フリーザとか、初登場時のベジータとかの「略奪する系」は非常にわかりやすいこのタイプ。そしてベジータは後のセル編、ブウ編では「かつての誇りを取り戻す」という回復型に変わっているところがまた面白い。

微妙なのが「復讐をしたい」という動機です。
過去の出来事で当人の大事な何かを奪われた、ということなのだが、行動の向きがそれを取り戻す(=回復)ためではなく別の方向に向いてしまっている。

では復讐をして何が得られるのか?それが単に自己満足にすぎないというなら、つまりは「快」を求めて行動しているということになる。やはりこれも獲得型ということで良い…かな?

回復型

かつて自分が持っていて、今は失ってしまったものを取り戻すために行動するタイプ。いなくなった家族を探しに行く、誰かを生き返らせたい、もとの体に戻る方法を探す。

「平穏な日常を脅かす脅威と戦う」という主人公の行動は非常によくありますが、これは現状を維持しようとする行動で、失いたくないという想いに突き動かされていると言えます。
つまり「回復」する行動と目指す場所は一緒。先手を打つか、後から行動するかの違いだけです。

-----キリトリ-----

ここまで書いて、私はどっちのタイプに共感しやすいのか?また描きやすいのか?と考えてみました。
たぶん回復型です。なんだかよくわからないものを苦労して手に入れようとするより、価値を充分知っているものをモチベーションにしたほうが良いかなと感じます。

それとも、人間ある程度年を取ると、獲得することよりも回復の願望が強くなってくるのかもしれませんね。

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