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新しく買った眼鏡をかけたら、自分の気持ちもクリアに見えた

1年以上前のことですが、数年ぶりに眼鏡を購入しました。私にとって、眼鏡は「ブス化アイテム」でしかなかったのですが、とある眼鏡と運命的出会いを果し、思い切って購入しました。

今では大のお気に入りになったその眼鏡は、私が見失ってしまっていた自分像をもクリアに見させてくれたのです。

自信喪失、モノクロの日々

当時の私は、新しく担当することになった仕事がうまくいかなくて、苦悩の日々を送っていました。自分なりに試行錯誤したり、同僚や上司に相談したりしていたのですが、なかなかうまくいかず、むしろ状況は悪化していく日々でした。(今から思えば個人の力ではどうしようもできない問題でした。)

頑張っても頑張ってもダメ。だから自分のやることなすことに自信が持てない。そんな重苦しい感情が、次第に私の心を侵食していきました。どこか周囲の顔色や上司の反応をうかがって縮こまっていました。労働時間もそこそこ長かったことも手伝って、余暇に趣味を楽しむ気力も体力もなくなっていき、世界から色を失っていきました。

勢いで家賃一か月分より値の張る眼鏡を買う

時を同じくして、PCに長時間張り付く会社員生活により、ドライアイが悪化してしまいました。眼科でコンタクトレンズの使用禁止を言い渡され、これまでの長きにわたるコンタクト生活に別れを告げなくてはなりませんでした。久々の眼鏡生活です。

しかし、かなりの近視である私にとって、眼鏡は目が小さく見える&レンズにかかる部分の輪郭が歪むという、ブサイク割増アイテムでありました。そのため私は会社に行くのがますます億劫になりました。

目が小さく見えにくい眼鏡はないものか?ネット検索を繰り返し、強度近視の眼鏡選びを得意とする、とある素敵な眼鏡屋さんを見つけました。
そのお店は、お客さんの要望を丁寧にヒアリングしながら、ニーズに合った眼鏡を提案するというスタイルのお店でした。私は自分の思いをアレコレ伝え、その都度出していただいた眼鏡を試着して、1本に絞り込んでいきました。

絞り込んだその眼鏡は、デザインが凝っているもので、ベーシックアイテムが好きな私には少々派手に見えました。しかし、試着してみたら案外自分の顔になじんで、目元をくっきりと華やかに彩ってくれたのです。自分1人の力では絶対に導き出せない一品との出会いでした。

そんな眼鏡ですから、もちろんお安くはありません。心の中で買うか買わないかの葛藤を経て、私は眼鏡の購入を決断しました。もう勢いです。ちなみにレンズ代を入れると当時住んでいた1Kの家賃1か月分よりも高価でした。

なぜ私は購入を決断できたのか?問うてみたら見えてきたもの

勇気を出して買った眼鏡は、やはり胸が躍るものです。購入して日が浅いうちは、その眼鏡をしげしげと眺めてみてはニンマリしていました。全体の調和がとれつつも、随所に個性がキラリと光るデザインは、何度見ても飽きません。

とはいえ、私にしてはかなり派手な眼鏡です(しかも予算オーバー)。この眼鏡をかけた自分を鏡で見ると、毎度あまりに新鮮で見慣れない顔が映っています。お店で試着した時は似合っていると思っていましたが、もしかして本当は似合っていないのではないのかと不安になりました。そして、私はなぜこの眼鏡を買おうと思ったのだろう?そんな疑問まで浮かんできました。

そう自問自答していたある日、この眼鏡は、私という人間の個性が反映された眼鏡だと気づきました。カジュアルにも対応できるラフさと少しの遊び心を添えつつ、全体はキレイめに整えられています。それは私のありたい姿に近いものだったのです。

私に寄り添って丁寧なヒアリングをしていただいた結果を反映した眼鏡ですので、当然と言えば当然なのかもしれません。ですが、この眼鏡は私が押し込めてしまっていた私の個性というものを代弁してくれるように感じました。眼鏡をかけていると私の輪郭がよりくっきりとするような、そんな気持ちになります。物理的にモノがよく見えるだけではなく、いつの間にかぼやけてしまっていた自分像をも、この眼鏡はクリアに見せてくれたのでした。

ああそうか、私が自分にしては派手だと感じるくらいの眼鏡を思い切って買ったのは、うまくいかない仕事に追い詰められて押し込んでしまっていた自分というものを、しっかり持っていたい・もっとちゃんと表明したいという、無意識に抱いていた切なる思いの表れだったのだと思い至り、ようやく腑に落ちました。

もっと自分を大切にしたいという気持ち

この眼鏡をかけるようになってから、出社の苦痛が少し軽減されました。
私は素敵な眼鏡をかけている。ほかの人とはちょっと違う、個性が光る眼鏡。そのことは私に頑張る力を与えてくれるのでした。たとえ周りの人がこの眼鏡の価値に気づかなくてもかまわない、自分さえ分かっていればそれで十分でした。
(結局、当時の仕事の苦痛それ自体はそこから離れることで取り除かれましたが。)

また、この眼鏡と出会ってから、もっと自分の好きなものを身にまとおうという思いが強くなりました。というのは、前述のとおりこの眼鏡のおかげで、自分をしっかり持って見失わないように大切にしたいという自分の気持ちに気づけたから。そして、自分の好きなものを自分の身にまとわせることは、自分から自分への思いやりの行動だと私は考えたからです。
仕事や仕事でかかわる人たちのことで頭がいっぱいになっていたときの私は、自分に目を向けることや、自分を気にかけてあげることがおろそかになっていました。
一本の眼鏡をきっかけに、私は自分に優しくする方法を、ファッションという点に新たに見出したのでした。

と言いつつも、私はこれまでもファッション自体は好きでした。けれども、洋服やアクセサリー以外のファッション小物やファッション雑貨にまではあまり手を伸ばせていませんでした。

眼鏡の購入以降、雑誌やSNSで見かけて気になったり、なんとなく気が向いたりしたものをあれこれと調べ、私なりに選び抜いたものを実際に入手してみました。具体的には、眼鏡をもう1本、初挑戦のブローチ、半年以上かけて選んだお財布、前から憧れていたスカーフなどです。

それらを身につけていると、間違いなく気分が上がります。前述の眼鏡と同様に、私という人間の輪郭をはっきりさせてくれます。さらに、今度はどのようにそのアイテムを身に着けてみようか?とか、どんなアイテムと組み合わせてみようか?とか、そんな意欲が湧いてきます。これは生きる楽しみの1つだと私は感じています。




今後の投稿では、私の愛用品についてもときどき書いていければと思っておりますので、よろしければまた覗きに来てください。


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