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ハンナアーレント「活動的生」の部屋

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ハンナアーレントの「活動的生」を「人間の条件」と違う本として読んでみようと思います。
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「活動的生」第一章人間の被制約性 2.活動的生という概念

「活動的生」第一章人間の被制約性 2.活動的生という概念

 活動は生命維持の必要性に解放されているという意味での自由である。更に哲学者にとっては政治的活動からも解放される。
 観想的生は、真理を前にしての絶対的静止を求める。伝統的に見ても上下の身分において観想に認められてきた優位が、活動的生の内部でのもろもろの文節化や区分をぼやけさせ、看過させてしまっている。
 活動的生に含まれるさまざまな活動は、観想的生の根本関心事より上位にあるわけでも下位にあるわけ

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「活動的生」第一章人間の被制約性 1.活動的生と人間の条件

「活動的生」第一章人間の被制約性 1.活動的生と人間の条件

非制約性は生命、世界、複数性ばかりではなく、出生性(原初性)つまり生まれ出ずる者たちの始まりを孕んだものである。
人間の条件をあたかも本質であるかの如く考えるプラトン的イデア(純粋哲学)ではなく、近代の世界疎外(大地からの、世界からの逃避) から追跡をする。

「活動的生」序論

「活動的生」序論

 ハンナアーレントは序論から全開である。人間の複数性の存在は語ることで意味を生み出すものである。科学は数式でしかない。
 ハンナアーレントは現在を労働社会と捉えている。これは明らかに過去と違うということを言っている。労働社会でありながら単純労働から逃れようとしていてるが知的労働というところからは逃れられないと思っていたが、AIがそれに代わろうとしている。しかし労働の本質は変わっていない。
 人間の

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