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人の精子を笑うな。③

男性不妊の検査方法は様々な形があるが、一般的に行われるのは精液検査だ。

精子の数が精液の中にどれくらいいるか?最初はそれだけだと思っていたが、直進率や運動率が最も重要らしい。つまり精子にとって魅力的な卵子へまっすぐに届く事が出来るか。そこから生命が生まれるという訳だ。

各都道府県の自治体によって大きく異なるのだが、一般的に精液検査では補助金は出ない。

これらは主に産婦人科にて検査をしたり、最近ではオンラインで購入出来るツールを使ってパソコン等で結果を見る事ができるらしい。

まず第一に精液検査に対して補助金を出す事。そして、その補助金申請時に男性を辱めない事。理想としてはオンラインが良いのだが、オンラインでは出来ないものなのだろうか?それだったとしたら、区役所や市役所の担当員は自分で女性か男性で選べる方が良い。これは差別ではなく男性にとって最も安心出来る相手でなければいけないからだ。繰り返しになるが男性不妊の対策は、当の男性が安心して積極的に取り組める環境作りをしなければいけない。それが多少の「不道徳的」な事であったとしても、その「道徳」守る事と「男性不妊を減らす」事、どちらが大事なのだろうか?

「道徳」に引っ張られすぎて不妊が増え未来の子供・子孫がいなくなるので、あれば、それは本当に「道徳」と言えるものなのだろうか?

極端な話、男性は成人になったら必ず精液検査を義務付けるべきだ。それが例え風俗サービスを伴う形であったとしても、精液検査を受ける絶対数を増やす事の方が大事なはずであり、それこそが「道徳」のあるべき形であるとも考えられる。

2回目の精液検査を受ける事になったのは、丁度1回目の精子採取から約1年後だった。様々な友人や先輩からタイミング法やオンラインで購入出来る排卵日チェッカーの話を聞き、今まで取り組んでいなかった基礎体温を計り始めたり、やれる事をやった。妻はその間に小さなポリープが見つかり切除、初めての手術で疲労困憊していたが、それをクリア。卵管のチェック等でも異常がない事が分かりはじめる。少しずつ前に進んでいる感覚もあり人工受精や体外受精までは考える事はなくなってしまった。

過ぎること1年、色々と調べる段階で男性不妊というキーワードを見る事が増え、約4割から5割は男性が原因であるという事実を知る。恐らく、前からそういう話は聞いていたのだろうが、どうしても現実味を帯びていなかったのだが、聞き流していたと思う。

1回目の精液検査の結果、産婦人科医に、体外受精に進むように言われた事を思い出す。精子の運動率が遅いそうだという話だった。それが急に現実味を帯び、一度高額な費用を払って受けてみようかと思うようになる。前回は家で採取をして持っていくタイプの方法だった。精子を渡す為には予約が必要であり時間が決まっている。しかし、それだと採取出来てからの移動や時間を考えると新鮮さが失われてしまう為、出来るだけフレッシュなもので検査の結果を知りたいと思い、病院にいて採取をしてそのまま検査が出来る男性不妊クリニックを探し始めるのだが、大都市東京でさえそういった専門の病院の数が少ない事に驚く。口コミやブログ/体験談を読み漁り、ベストの病院を探す日々が続いた。