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神経発達症とアンコンシャス・バイアス

この記事は1,749文字あります。個人差はありますが、3分〜4分でお読みいただけます。

このnoteではVoicy(音声配信)で配信した内容のテキスト版(要約版)です。詳しくはVoicyで聴いて頂ければと思います。

ちなみに、Voicyは下記チャンネルで毎日更新しています!

発達障害は、国際的には「神経発達症」と呼ばれるようになってきています。とはいえ、「発達障害」という呼び方がまだまだ一般的ではあるかもしれません。

これまでの歴史の中で、その概念も変化し、呼び名自体も変わってきています。そのため神経発達症自体イメージがつきにくく、どう関わっていいのかわからないという声もよく聞きます。

今回は、そもそも神経発達症とは何か、そして関わる際の大事な考え方についてです。どうぞお付き合いください。


神経発達症って?

国際的に使われている診断基準を定めたものに、「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)」というのがあります。

その中で、新たなカテゴリーとして作られたのが「神経発達症」です。これは、脳の働き方に神経学的な違いがあり、神経学的に多様な人たちがいるということを意味しています。特性の現れ方は個人差もあり、一律ではありません。

この中には、知的能力症(知的障害)、自閉スペクトラム症、ADHD、限局性学習症(従来の学習障害)、発達性協調運動症(一言でいうならば、極度の不器用)、チックなどが含まれています。

アンコンシャス・バイアスとは?

内閣府男女共同参画局によると、アンコンシャス・バイアスについて以下の記載があります。

日本語で「無意識の偏ったモノの見方」のことです。 他にも、「無意識の思い込み」 「無意識の偏見」 「無意識バイアス」等と表現されることもあります。

内閣府男女共同参画局

「神経発達症」と聞いて、それがどのような人たちなのか、どう関わらせていただくのが良いのかイメージがつく人は少ないのではないでしょうか。

そして、今は認知が広がっている一方で、先日Voicyで話したように極端な誤解を招くような情報も少なくありません。

その結果、「無意識の偏見」が生まれやすいのかもしれません。

一方で、同じ精神科領域の中にある「うつ病」はどうでしょうか。それがどういうのものなのか詳しいことは分からなくても、神経発達症よりはイメージがつきやすい人が多いかもしれません。例えば、気分やメンタルが落ち込んでいるとか、叱咤激励は意味が薄いよなとか、まずは休んでもらうことが大事だよねとか。

自分がよく分からない物事については、これといった明確な理由がなくても拒否や偏見の対象になりやすいものかもしれません。ですから、神経発達症へのアンコンシャス・バイアスを少なくしていくためには、「知ってもらうこと」が大切でしょう。

神経学的に何が違うの?

一言で言うなら、「認知の違い」です。

もっとわかりやすい表現だと、「物事の見え方、捉え方、感じ方が違う」ということです。

そのため、多くの人が楽しいと思うこと、モチベーション、やりがいを持つことに、実はそうは思えないということがあります。もちろん、その逆もあって、神経発達症の人たちが関心やモチベーションを向けられることに、僕らがそうは思えないこともあるわけです。

大枠ではそうした違いがあり、その上で個々にまた違うわけです。
あたりまえですよね。僕らだってそうです。皆さんも、僕の趣味嗜好ってわかんないですよね。あたりまえです。僕らはエスパーじゃありません。


だから、神経発達症の人たちのことを知るためには、誠実にやり取りをしてほしいと思っています。でも、その時にはどんな違いがあるのか知っておく方がお互いに便利ですから、ただやり取りをすればいいわけではなくて、違いを知った上でやり取りをすることが大切です。

皆さんは、英語が母国語の人とやり取りをする時にはどうしますか?

苦手だとしても、英語を使ってなんとかコミュニケーションを図ろうとしますよね。それは、「日本語は伝わりにくい。英語の方が伝わりやすい」と相手のことを知っているから、その上で工夫をするわけです。

だから、怖い存在と思わずに、まずはどんな違いがあるのかを知ろうとする、その上でやり取りをするということが大切です。

https://r.voicy.jp/0dVBXe8Lmgq

佐々木康栄

災害時に役立つさまざまな情報

これまでnoteにまとめていましたが、TEACCHプログラム研究会東北支部のホームページに集約しました。宜しければご活用ください。

その他お知らせ

オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」

セミナー情報

▼TEACCHプログラム研究会東北支部 「アセスメント総論ーそもそもアセスメントって?改めて、基本に立ち返って」

自閉症スペクトラムの方々の支援現場では「アセスメント」というキーワードはよく見聞きするようになりました。他方で、

「そもそもアセスメントは何か?」
「何をアセスメントするのか?」
「どう支援に活かすのか?」

こうした疑問を現場からはよく見聞きします。
そこで、東北支部では今年度のテーマを「アセスメント」にし、年間を通じて共にアセスメントについて学びたいと思います。
  
1回目は、「アセスメント総論」ということで、今後のセミナーにつながる内容として、佐々木がお話をさせていただきます!どうぞ奮ってご参加ください。

*この画像は、当事者の方に作成いただきました。春らしい、素敵な画像に仕上げていただきました!*

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