7-お題

【質問】アドラーを現実に適用する困難/ゼミの担当教授とかみ合わない

日曜日は皆様からの質問やテーマをいただいて「お題拝借」で書いています。質問やメッセージは「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。

今回は、2つ質問が届いています。

[Q1] アドラー心理学をそれなりに学んでみて感じたのですが、やはりアドラーの考え方を現実にうまく適応されるのは限りなく困難ではないでしょうか?私はアドラーのマインドは肯定派なので、なんとか適応させたいと考えていますがなかなか上手くいかないと感じる場面が多いです。

「生きることの科学においては理論と実践は不可分だ」と宣言するアドラー心理学では、その理論が実践されなければ意味がないことです。アドラー心理学のことを知っているだけでなく、それを現実の生活で試してみなければあまり意味はありません。とはいえ、質問者が言っているように、現実の困難がその理論どおりにすんなりと解決するということはなかなかないでしょう。

その理由の1つは、それぞれの個人が個性を持っていてそれが複雑な要因になっているからです。それこそライフスタイルはひとりひとり細かく異なっていますので、その複雑な組み合わせによって起こることを予測するのはほぼ不可能です。だからカウンセラーという職業が必要になるのだと思います。

それでもアドラー心理学の大きな理論に基づけば、解決の方向性はおおよそ予測できるでしょう。どれくらい時間がかかるか、どんなことがきっかけで解決できるかはわかりません。しかし、解決は確実にこの方向にあるんだということは言えるでしょう。たとえなかなかうまくいかないとしても、その理論を信頼して行動していくことです。

[Q2] 大学四年生です。ゼミの担当教授と話がかみ合わなくて困っています。質問に対して答えず論点のずれた話をするなど、同じゼミ生も困っている様子です。年齢差なども関係していると思います。卒論を進める上でどのように教授とコミュニケーションをとっていけばよいか、教えていただきたいです

相手が質問に対して答えないで論点のずれた話をするのは目的があります。そのひとつは、自分が答えを持ち合わせていないことを明らかにしたくないという目的です。もし自分が答えられなければ、メンツを失ったり、学生から尊敬されなくなったりするかもしれません。そのことを恐れているのでしょう。

さて、学生側から見ると対応の方法にはいくつか選択肢があります。ひとつは、教授が答えやすそうな質問や話題を振ることです。そうすれば、教授は自信を持って答えることができるでしょう。その中からあなたが有用だと思うことだけを聞き取ればいいと思います。これでコミュニケーションはうまくいきます。それは見かけ上のコミュニケーションだと言われるかもしれないけれども、そうしたやりとりをきっかけにして関係が改善する可能性があります。

もうひとつは、教授とのやりとりはそれとして、卒論は自分の好きなテーマを進めていくということです。もし教授が、そのテーマが気に入らないといってきたら、自分が調べた限りの知識を使って質問をしてください。きっと話をそらして、それ以上は言ってこなくなるでしょう。そして自分の好きなように進めればいいのです。卒論は自分の興味のあることを探求するのがいいと思います。

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