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【アドラー心理学の実践】#15 “ライフスタイル”はどのように形成されるか

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。10月4日(木)から始まった早稲田大学エクステンションセンター中野校での「アドラー心理学実践講座」(全8回)が終了しました。この連載では、この講座の内容をお伝えしています。講座に参加できなかった方にも、その雰囲気が伝わればいいなと思っています。

今回は、「”ライフスタイル”はどのように形成されるか」というトピックです。

ライフスタイルはだいたい6歳から10歳までにその基本的「動き」が形成されるといわれています。しかし、それ以降であっても、思春期であったり、人生上の重大な出来事が起きたときにはライフスタイルが大きく変わることがあります。

なぜ6歳から10歳までに基本的なライフスタイルが形成されるかというと、そのくらいまでにひととおりの共同体での過ごし方を体験し、さまざまな人々と付き合うからです。さかのぼってみれば、生まれてからしばらくは家族という共同体の中で過ごします。その後は、おじいさん、おばあさんや親戚、さらには近所の人たちというように付き合う範囲を広げていきます。その後は、保育園や幼稚園で、同年代の知らない人たちと付き合い、小学校ではクラスという共同体の中で過ごすことを体験します。

家族や親戚は決まっていますが、それ以外の近所の人たち、保育園、幼稚園、小学校でどういう人々と一緒になるかは偶然によって決まります。偶然によって所属することになった共同体の中でどのようにふるまうべきかということを自分で決めていくことになります。

どのようにふるまうべきかは、その共同体に自分が何らかの形で所属できるように決めていきます。共同体への所属を確保すること、つまり「自分の居場所がある」という状態を作るために最も有効な戦略を(意識的にも無意識的にも)私たちは選んでいきます。なぜなら、そうしないとその共同体で自分の居場所がなくなってしまうからです。そうなると(少なくとも心理的には)その共同体で生きていくことができないからです。

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