1-アドラー用ヘッダ

【アドラー心理学の理論】#14 社会統合論:自分の居場所を作るためにライフスタイルを決めていく。

4月12日(木)から早稲田大学エクステンションセンター中野校で「アドラー心理学入門」(全8回)が開講しました。この連載では、講座の内容を同時並行でお伝えしていこうと思います。講座に参加できない方にも、その雰囲気が伝わればいいなと思っています。

前回は社会統合論の導入をしました。私たちは、だいたい小学生の頃に「自分はこの路線で行こう」ということを意識しなくても決めています。それは、学校のクラスや友だちの中で「どのようにしていけば、私はこの中に居場所を作ることができるか」ということを考えた末の結論です。

クラスのメンバーや友だちはほぼ偶然で決められていますので、その中で自分の得意なところを見つけ、居場所を作れるように決心していくのです。これが「社会統合論」つまり「人は社会の中に埋め込まれた存在である」ということの意味です。

私たちは、最初は「家族」という共同体、次に学校やクラスという共同体、そして会社や職場という共同体に所属していきます。私たちが所属する共同体は通常複数あります。以上の他にも、町内会、趣味のサークル、旅行友だち、ママ友、大学のゼミなどたくさんあります。

所属する共同体のそれぞれで自分の居場所を見つけ、所属を追求していきます。所属を追求する中で、自分の目指す方向として「自己理想」を見つけていきます。この自己理想の方向性に沿って自分の考え方、行動の仕方を決めていきます。これをライフスタイルと呼びます。

ライフスタイルは所属する共同体に所属を果たすためには、自分はどのようにふるまっていくかを自分で決めたものです。したがって、それぞれの共同体の中におけるライフスタイルは、共同体ごとに異なっているのは自然なことです。たとえば、家族の中にいる自分と、クラスメートの中にいる自分は違っているでしょうし、職場にいる自分もまた別のライフスタイルでしょう。

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