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【教える技術】#07 教室の中で学んだことを現実場面に活かす

火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。早稲田大学エクステンションセンター中野校での「教える技術」講座の内容を連載しています。

前回は、認知技能の基礎になる言語情報の教え方を説明しました。言語情報を教えるには3つのコツ、精緻化、体制化、二重符号化を利用すると効果的です。ただ丸暗記をするのではなく、これらの方法を応用しながら勉強していくと、効率よく、しかも強固な記憶のネットワークができます。

今回はバグルールと領域固有性、転移の問題を取り上げます。

問題解決は認知技能の中心的な能力です。この能力がうまく発揮されないと、問題を解決することができません。問題を解決できないときは何が原因なのでしょうか。その問題を解決するための知識やルールが獲得されていないからと考える人は多いでしょう。しかし、そのときは解決に必要な知識とルールを教えれば良いわけです。

問題解決に必要な知識とルールを教えてもうまくいかないのは、学習者がすでに「間違ったルール」を獲得済みのときです。間違ったルールをバグルールと呼びます。上の引き算の例では3から6を引くときに「繰り下がり」という正しいルールの代わりに「引けないときは大きい数から小さい数を引く」というバグルールを適用しています。

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