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【教える技術】#04 運動技能の教え方への質問

火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。早稲田大学エクステンションセンター中野校での「教える技術」講座に並行してその内容を連載しています。

前回は、運動技能の上手な教え方の練習として、けん玉の「もしかめ」のワザを教えるという実習をしてみました。その後、たくさんの質問をもらいました。その中からいくつか選んで回答してみましょう。

【質問1】自分が出来ないことを人に教えることは大変です。実際にけん玉をしてみて良く解りました。しかし、人の下手な動作を見ると、つい口を出したくなるのはなぜでしょう。自分はできないのについできる気持ちになっている心境は、どういう事なのでしょうか。

これは面白い現象だと思います。必ずしも自分ができることでなくても、他人ができていないことはわかるのですね。テニスでもサッカーでもプロのゲームを見ているとき、選手が失敗すると「あー、下手だなあ!」と思ったりします。自分では、絶対できないのに、です。自分ができないことでも他人ができていないことは敏感にわかるということです。

ここに「ピア・インストラクション」の可能性があります。ピア・インストラクションというのは仲間同士で教えあうことです。自分ができないことでも他人がやっているのを見て「そうじゃない」ことは指摘できます。それをお互いに指摘しあうことによって、お互いに上達するできる可能性が生まれます。

【質問2】スモールステップで誰でもできるようになる?! 運動神経がまるでナシ子。そうなのかなぁ……。

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