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1000件以上事故対応してきた社員が選ぶ!使える特約、使えない特約

皆さんこんにちは。元損害保険会社員のKoh+です。

今回は、前回の記事【自動車保険の特約はどれを選べばいいの?概要編】の続きになります。もし読んでいない方がいましたらそちらから是非に。



というわけで自動車保険の特約に対して、独断と偏見と経験の名のもとにあれこれ言っていこうと思います。

現場で事故対応をしていると、


「この特約使ってるのほぼ見たことないんだが。。。」

「この特約絶対あったほうが良いのになんでみんな付けないの??ねえなんで??」


ということが往々にしてあったのでぜひ皆さんに知っていただければ、今後の特約選びにも役に立つと思います。

それではどうぞ最後までお楽しみください。



今回扱う特約一覧

①弁護士費用特約
②ファミリーバイク特約
③対物差額特約
④個人賠償特約
⑤車両全損特約
⑥ロードサービス
⑦車載動産
⑧代車費用特約
⑨新車特約

前回の記事にも書かせていただいたこの9つ。

保険会社ごと名前こそ違いますが、内容はほぼほぼ同じなのでご自身が加入している特約でもだいたい分かると思います。

ではいってみましょう!!!!!!←元気



①弁護士費用特約

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必須度:★★★★★(MAX)

初っ端からあれなんですけど、この弁護士費用特約は必ず入っておいたほうが良い特約になります。

というかむしろこれ以外の特約は正直いらないと思って良いです←

【理由】
この弁護士特約は実は年々保険料が増加傾向にあります。それはなぜかと言うと、使う人が増えて保険会社の保険金の支払いが増えてきているからです。
近年の事故は昔よりも非常に複雑化してきており、保険会社の傾向的にも保険金の支払いの基準が年々厳しくなっている実態があります。

そんな時に使えるのがこの弁護士費用特約です。
例えば0:100案件であなたが追突されて過失がなにもない事故に巻き込まれた際、相手の保険会社からの保証内容に納得がいかなかった時に弁護士費用特約を使用してめんどくさいやり取りを任せることができます。
(0:100案件の場合、自身が加入している保険会社は相手保険会社と交渉を行うことが法律的に認められていないため、保険会社に加入していたとしても自身が直接相手の保険会社と交渉しなければなりません。)

揉めにもめた結果納得できなかった場合、最悪民事訴訟を起こさなければならないので、この特約に加入していないと実費で弁護士を雇う必要が出てきてしまいます。

私は自社の契約者が100%悪い事故を起こし、相手方と交渉することを数百件行ってきましたが、残念ながら相手が100%納得することは殆どありませんでした。
そして納得できない交渉に自身の労力を削り、数ヶ月単位で行う相手を見ながら、「この人弁護士特約入ってれば弁護士にお願いできたのに」と毎回のごとく思っていました。



②ファミリーバイク特約

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必須度:★☆☆☆☆(星1つ)

これは原付きを所持している方が原付きの任意保険として加入できる特約になります。ただし、自賠責は別で加入が必須です。

ご家族などが原付きを購入した際に、別で加入するのではなく自動車保険の特約としてセットで加入できるので面倒な手続きがいらなく、お得に入ることができます。

ただし、原付きがないといらないので必須度は★1つになります。

※お子さんが大学在学中に付けていて、その後乗らなくなったにもかかわらず見直しなかったため数年間無駄に入り続けていたパターンもよく聞いたので年ごとの見直しはしたほうが良いでしょう。



③対物差額特約

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必須度:★★☆☆☆(星2つ)

対物保険で相手の車の補償を行う際に、相手の車が古かったり、修理額が大きすぎると【全損】になってしまう場合があります。

【全損とは】
保険の対象が完全に滅失した場合や、修理に要する費用が再調達価額または時価額を超えるような場合のことをいいます。 前者の場合を現実全損(絶対全損ともいいます)、後者の場合を経済的全損といいます。 なお、これらに至らない損害を分損といいます。

そんな時に、この特約に入っていると相手の時価額プラス50万円まで上乗せして修理金額を支払うことができます。


「これは何が良いの??」と思うかもしれませんが、保険会社の立場からするとこの特約に入っていると全損だった時にとてもありがたいのです。

基本的に全損の案件はめちゃめちゃ揉めて長引き、普通に裁判まで持ってかれることも稀にあるので、その可能性を減らすことができる特約と思ってくれればよいです。

契約者が加入するメリットとしては、事故の時に早期解決ができて、長引いた時と比べてストレスを軽減できるということです。

全損の話は奥が深くまた別の記事でも触れたいと思いますので今回はこれくらいでご勘弁を。


(まあ正直な話、保険会社の対応方法の拡張のために、なんで契約者が追加でお金を払わなきゃいけないねん。。。と私は思いますけど←)



④個人賠償特約


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必須度:★★☆☆☆(星2つ)

日常生活などで他人の所有物をうっかり壊してしまった時に使える特約ですね。

最近だと、お子さんが自転車でお年寄りを轢いてしまい、賠償金が9千万円になってしまった。などの例をあげながら説明されることが多いので皆さん馴染みがあると思います。


結構大切そうな特約なのに★2つな理由としては、自宅の火災保険などで実は知らないうちに加入していることが多いからです。

つまり2重加入している方が結構いるので必須とは言い難いです。

ご自身が加入している保険を見直して、もし複数加入してしまっている場合は1つにし、加入していない場合は自動車保険の方で入ってしまうのも手だとは思います。

見直すの大事←



⑤車両全損特約

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必須度:★☆☆☆☆(星1つ)

これは③対物差額の反対。自分の車が全損になってしまった場合使える特約になります。

星1つの理由としては
・経験上使う場面がかなり少なかった
・自分の車が全損になるレベルの事故なら廃車にしたほうが良い

ちょっと極論なんですけどこんな感じですね。

時価20万円の車とかなら付けてもいいと思うんですが、時価70万円の車に対して修理費120万円とかになるレベルの事故だと、修理しても事故車としてかなり危ない気がします。

だったら余分な特約なんか付けずに、廃車にして保険を使い時価分の70万円を元手にして中古の別の車を買ったほうが良いと個人的には思います。(ランクは下がりますが)


※年代の古いプレミアが付いた車や、クラシックカーを所有し車を愛してやまない人はつけたほうが良いです。



⑥ロードサービス

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必須度:★★☆☆☆(星2つ)

「JAFと二重加入している人が多い」

なんかもう言いたいことはこれだけです(笑)モッタイナイヨ。。。

ただ、他の特約と比べると保険会社によって内容に差があるので、自身が加入している保険会社のロードサービスとJAFを比較して優れている方に加入したほうが良いです。

二重加入、無駄、絶対。



⑦車載動産

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必須度:★☆☆☆☆(星1つ)

これ付けてる人結構多いんですけど、実際使ってる人ほぼ記憶にないです。あっても数件。

プライベートで出かける時に壊れやすくて大切なものを積んでる人でない限り、使う機会はほぼないでしょう。

あるとすれば、事故の衝撃でドライブレコーダーが外れて壊れた。というくらいですかね。


(個人的に一番いらない特約)



⑧代車費用特約

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必須度:★★★☆☆(星3つ)

この特約は車が修理中の間レンタカーの費用を支払ってくれるものです。
一日の上限金額で種類が分かれていて、幅は約5000円〜10000円。


これは特約の中でも、最低金額プランでも入っていたほうが良いものになります。

お盆明けなど修理工場がフル稼働する時間に修理することになった場合、小さめの傷でも2週間ほどかかることがあります。その間自費でレンタカーを借りるのはなかなかキツイものがありますよね?


「工場やディーラーから代車を借りれば良いんじゃない??」

と思う方もいると思いますが、代車が出払っていて空きがないことは結構あります。


(ここだけの話、めんどくさそうなお客さんには在庫があっても貸し出さないディーラーもいます、内緒だよ)



⑨新車特約

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必須度:★☆☆☆☆(星1つ)

新車特約とは
車両保険で補償される事故により、契約の車が全損あるいは修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合に、車の再購入費用を元の車の新車価格相当額を限度に保険金として受け取れる特約です。 なお、盗難の場合には対象とはなりません。

これたまに勘違いしている人がいるんですが、この特約をつけていれば事故った時に無条件で新車分の料金もらえる、と思っている人が割りといます(笑)
そうではないです。


星1の理由としては

そもそも車は新車で買うものではない

という僕の持論故にこの評価になります←


古い車に乗ることもリスクだが、新車に乗ることもリスクです



まとめ

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本日のまとめです。


加入するべき特約は
①弁護士費用特約

次点で
⑧代車費用特約(日常生活で車が必須な人)

後の特約はいらないです!!!!!←


ただし、自身の車の状況によっては、加入したほうが良いものもあるのでご注意を。


今回は長かったですが最後まで見ていただきありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。

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