見出し画像

【考察】エヴァンゲリオンの世界で保険という概念は成立するのか※シン・エヴァのネタバレなし

皆さんこんにちは。元損害保険会社員のKoh+です。

 今回の記事は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が公開されたということで、あの世界で保険という概念は成立するのか、元損害保険会社の人間が本気で考えてみるという企画になります。
 基本的な世界観の知識しか使わないのでネタバレなどはございません。最後までどうぞお楽しみください。



エヴァンゲリオンとは

初号機

画像1

今更と思いますが軽く説明を

物語の舞台は西暦2000年9月13日に起きた大災害セカンドインパクトによって世界人口の半数が失われた世界。その15年後の西暦2015年、主人公である14歳の少年碇シンジは、別居していた父、国連直属の非公開組織・特務機関NERV(ネルフ)の総司令である碇ゲンドウから突然第3新東京市に呼び出され、巨大な汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(EVA)初号機のパイロットとなって第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」と戦うことを命じられる。

 といったストーリーで、1995年にアニメ化してから現在に至るまで絶大なファンを獲得し続ける超国民的アニメとなっております。




考察する上でのポイント

画像2

今回のテーマは、あの世界で保険という制度が成立するのかということなので、になる条件を挙げさせていただきます。

使徒をどういった扱いに分類するのか(災害、天災など)
第3新東京市の区分(独立行政、独立国家、日本の一部など)



①使徒をどういった扱いに分類するのか

今現在の社会にある保険はそれぞれの種類ごとに免責というものが存在します。

「免責」とは、損害が発生しても保険会社が保険金を支払う責任を負わないことをさします。

【火災保険】損害が巨額になるおそれのある戦争や核燃料物質が原因の事故、地震や噴火、津波による事故などが挙げられます(地震・噴火・津波は地震保険に加入することで地震保険から補償されます)。
【生命保険・自動車保険】地震、噴火、津波などの天災、戦争など紛争が原因の損害については保障の対象にはならない免責条項が設けられています。

つまり保険という制度は、

社会全体に大きな被害を与える、予測できない災害に対しては保証できない

ということになります。


ここで使徒の属性を考えてみると

第17使徒カエル

画像3


 使徒という存在は第三新東京市のネルフ本部を目指して侵攻しており、それを迎え撃つエヴァ、その過程で大きな被害が出るので、ある意味予測可能な災害であると言えるかもしれません。
 そして被害に関しては第三新東京市に限られると予測できるので、(使徒は第3新東京市のネルフ本部目指して侵攻してくるという設定があります)第3新東京市を除いた日本という国の中では、現行どおりの保険制度は成立すると思われます。




②第3新東京市の区分

画像6

 本作だと、第3新東京市は日本政府の予算で作られた次期首都、という設定のようなので、あくまで国の一部のようです。
 ただその場合、他の地域と比べて使徒に対するリスクにあまりにも差があるため、特例法で保険制度が成り立っているとも考えられます。

例えば、現行の保険制度の免責事項に「ただし、第3新東京市での損害は補償の対象外とする」と設定してしまえば現行制度で成り立ち、かつ第3新東京市内限定での保険が確立していると予測できます。

 なので第3東京市は、国の一部であるが独自の法制度を持った例外的独立行政特区であることが考えられ、他の地域とは違った保険制度を運営している可能性が高いでしょう。



別のパターンがあるとすると、
 第3新東京市が治外法権的運用が行えるのであるならば、保険という制度は完全に破棄し、この市内での使徒による損害についてその全てをネルフの予算で補償にあてるものとする。
この可能性が非常に高いと思われます。

なぜなら第3新東京市、その実態は使徒迎撃専用要塞都市です。

画像7


 住んでいる人は様々ですが、都市の建設作業員やネルフ関係者、その家族が基本的であるということを踏まえると、最新の都市機能やインフラ仕事が供給されることと引き換えに使徒襲来のリスクを持つ、これがトレード・オフの関係になっているので保険という制度を成り立たせるよりは「使徒関連の損害は一括で補償するよ」としてしまったほうが面倒な保障関連の作業をしなくて済むからです。

 ただ作中設定だとネルフの存在も、使徒が第3新東京市のジオフロントに侵攻してくることも、一部の関係者しか知らず周辺の住民は第4の使徒サキエルが侵攻してくるまで知らされていなかったとのこと。
 そうなるとあくまで現行の保険制度は成立させつつ、使徒という存在は天災という扱いにし、その被害は保険ではなく国家予算、もしくはネルフの予算から賄われている可能性が高くなると考えられます。



結論

以上のことから結論を導くと

エヴァンゲリオンの世界では
 「使徒は予測不能な天災扱い」にすることで、現行の保険制度は維持される。

画像5


 使徒の被害に対する損害全般を、表向きは日本政府(海外だったらその国の政府)が例外的に補償する(大災害が発生したときと同じように)が、裏ではネルフもしくはゼーレが予算(使徒迎撃用特例予算)から捻出している。

となります。



終わりに

いかがでしたでしょうか。
 かなり簡単かつ駆け足に考察をしたので大きな穴があると思いますし、エヴァンゲリオンの世界の設定を調べきれていないので、まだまだ改善の余地はありそうです。
 もし機会があればもっと時間を費やしつつ本気ガチ考察を行えればと思っております。

最後までご視聴いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?