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子どもを授かりたい。子どもに会いたい ~転院先での初診~

この回から新マガジンでございます。
前回のマガジンでは、これから進む道にはちょっと違うな?と思ったので、これを機に新しいマガジンを立てて、書いていこうと思っています。
よろしくお願いします。
誕生日前に、この記事を書くことができてよかった。。。(9/21は誕生日)

まえがき&ご注意

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~これまでのおさらいはこちらのマガジンから~

M先生に書いてもらった紹介状の病院で、初診を受ける日になりました。

~ おさらい終わり! ~

このお話を読んで、もしどこの病院かわかったとしても、どの先生かわかったとしても、医師の個人名や病院名を特定される内容は書かないでください。

また、私たちが先生に伝えたことは私たちの事情に基づいたお話です。先生がお話してくださったことも、私たちの事情を考慮してくださっています。
それに、先生の伝え方は患者さんそれぞれですし、先生とどのようにお話するかも家庭の事情によって異なります。
なので決して、これがベストというわけでは有りませんので、留意してお読みください。
また、私の通う病院を勧める記事でもありません。
あくまで私たち夫婦の記録です。

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※今日からサムネはこういう形式でいこうかなぁ…どうしよう?日常的なやつをサムネにしてたけど、だんだんネタ切れ感(´・ω・`)

□2020年10月15日(木)

この日は1日休んだ。どれだけ待つかわからなかったし、いつ仕事を開始できるかわからなかったので、1日休んでおいた。

結果休んでおいたほうが、気持ち的には楽だった。
この当時派遣社員をしていた私の仕事的には、この後日派遣先に文句を言われながら、残業対応をすることになるので、休もうが休まずに仕事こなそうが、あんまり関係無かったりする。

さて、朝に主人Nと病院へ向かう。
Nは大学病院に受診歴があるが、私はなかったので9時半頃には病院について紹介状を差し出して、諸々の手続きをした。
その時間待ち時間を含めても20分ほど。スムーズに手続きをしてくれたので、私としては有り難い限りだ。

指定された産婦人科に行くと、婦人科と産科の診察室への入り口が別けられていて、座る場所も婦人科と産科で異なっている。
婦人科の診察室への入口付近にある椅子には、ご高齢のご婦人もいらっしゃって私としては、この配慮はありがたいと思った。
以前の病院は、産婦人科として妊婦さんもそうじゃない方も一緒くただったので、気持ちがしんどい面もあったのは事実だ。
ここでももちろんトイレに行くときに妊婦さんにすれ違うけど、そういったことについてはそこまで気にならなかった。

産婦人科の受付に紹介状の入った封筒やら色んなものを提出して、血圧や体温、問診票、採尿などをすませて待っていた。まずは紹介状の宛先の医師による診察の前に、別の医師による初期問診があった。
Nと2人で部屋に入ると、若そうな医師が居た。
挨拶もそこそこに事情を聞かれるのだけど、医師が爆弾発言をする。

医師「すみません。この紹介状、これしか書かれて無くて事情が全くわからないんですよ。なので、教えてもらってもいいですか?」
そうして指差した紹介状には「電話でお話した患者の件です。よろしくお願いします」という一文だけ書いてあった。笑
このときの私の心の声は「M先生、もうちょっと書こうよ!」の一言に尽きる。笑
Nは「こんな紹介状ってアリなんだー」って感心してたらしい。笑

問診でお話したのは、私たちが子どもを授かりたいんですって言うこと、Nの精液検査所見は無精子の可能性があるということ、Nが飲んでいた薬の影響の可能性もあるけど、少なくともここに行ったほうが良いだろうということで、紹介状をもらうことになり、M先生が事前にK先生に電話で話しておくと言っていたのだと簡潔にお話した。

医師「ああ、そのための検査結果の一覧なんですね」
納得していただけた模様。
医師「じゃあ、確かにそれだと、K先生じゃないとわかんないかも知れませんね」
ということで問診終わり。
こんなあっさりした問診でいいのか…とも思ったけどそのほうが気楽なので、有り難い。

問診も終わり先生に呼ばれるのを待ってたけど、緊張でおトイレが近く…( •̀ὢ•́ ; )
我慢するわけにもいくまい、ということでトイレに行ってる間に番号が呼ばれたらしい。
慌てて診察室に入ると、挨拶もそこそこに、先生が脳のMRIの話を看護師さんとしてた。
「MRIあいてるかどうか確認して」っていったから、私はすでに脳のMRIを撮っていることは伝わっていなかったようで、4月に造影剤アリのMRIを受け終わっていて、結果何も見つからなかったということをお伝えしたら、先生は納得されたご様子。
お優しい口調のK先生。女性の先生は2010年以来なほど久しぶりなので、ちょっとドギマギしてた。

K先生「まずね、改めてお二人の口からそのご意向を確認させてもらいたいと思ってるんですけど」
ほぉ、そう来るか。まあそうだよね、イチから話してもらわないといけないと思うってM先生も言ってたし。
「私は、子どもがほしいと思っています。そのうえで、なるべく早いうちにとは思っていて…、それは二人で合意はとれています」
話した内容を、先生の隣りにいた別の医師が先生の代わりにカルテに記入していた。

K先生「じゃあ、妊娠するためには卵子と精子が必要なんだけど、精液検査では精子が居なかったんですよね。そうすると、通常の場合は精巣に精子がいそうかどうかを事前に血液検査で調べて、可能性があれば精巣の精液から精子細胞を凍結して、それを使って顕微授精をするという流れなんですね」
ほおおおお…、なるほど。すでに奥が深い世界に入っていった。。。
K先生「無精子症の背景として、Nさんの飲んでいる薬が影響しているのは間違いないと思うんです」
おっと、はっきり言い切った。
Nは、服薬状況を説明した。無精子って診断が下されてから、ちょっとずつ減薬してることも説明し、その紙を先生に手渡す。
K先生「そうすると、そのお薬を減らしていくことで、また精子細胞が復活することを期待されて減薬しているということですかね」
N「そうです。(減薬のための)診察を受けたわけじゃないんですけど、減らすことで復活するかなって思って減らしてみています」
「M先生から、精巣の工場が再開するのに3ヶ月位罹るって聞いたんですね。で、それを聞いて減らしてくれているみたいです」
K先生「そうですね。そうすると、精子細胞があれば、卵子と精子の顕微授精で受精卵を作って、子宮に移植をして妊娠の成立を目指すということが可能ではあります」
やっぱそうなるよねっていうのが正直なところ。

K先生「一般的な【成功率(妊娠率)】って言ったところのお話をさせていただくと」
そう言って指し示してくれたのは、妊娠率と生産率が書かれた一覧表で年齢順にパーセンテージが書かれていた。
2020年10月15日時点で、私の年齢は36なのでそれに合わせた結果になるようで。
K先生「こういった不妊治療をしていく成績っていうのは、年齢依存性があるんですけど、そうすると今36歳だから、受精卵を子宮に戻せた(移植できた)ときは38%なんです。ただ、治療をしたときの妊娠率でいくと23%くらいなんです。で、射精した精液中の精子と精巣から採ってきた精子の受精率が、2割ぐらい違うんですね。射精した精液中の精子だと卵子との受精率が70~80%、精巣からの精子だと60%。そのうちの50%くらいが子宮に戻せるような受精卵になって、戻したときの妊娠率が38%っていう形になるんです」
ほえええええ。奥が深い。本当に奥深い。
つまりこういうことだ。

【女性因子が無い場合】
射精した精液中の精子を使った場合

受精する確率:70~80%
精巣から獲得した精子を使った場合
受精する確率:60%

これらの中から、移植できる受精卵になる確率:50%
その受精卵を子宮に移植したときの妊娠率:38%

【女性因子がある場合】
妊娠するように治療をしたときの妊娠率:23%

36歳時の私の年齢だとこれくらいになるそうだ。
おそらくここから、生児獲得率を見るとまた違ってくるのだろうと思う。

K先生「それで、顕微授精や体外受精をするにあたっては、夫婦である証明が必要なんです。事実婚でも住民票が一緒であれば大丈夫なんですけど、それには住民票に未届けといった記載が必要になるんです。でも、お二人はその点は問題ないですね」
私たちは入籍しているので大丈夫と伝えた。事実婚では受け入れてないところもあるけど、ここはそういうことはないようだ。
多様性の観点で受け入れてるようなので、そういう情報もあるととてもありがたくある。
私たちの事情もある程度お話して、それならこういう方法があるよ、と教えてもらったし、私たちの事情を否定せず聞いてくれた。
K先生「この施設で不妊治療をしていく上で、必要なのは住民票で大丈夫です。お二人の名前と続柄が書かれてあれば問題ありませんのでね」
※これは施設によって様々であろうと思う。私の施設ではこういう確認方法をつかっているというだけなので、あしからず。

「M先生にもお話はしたんですけど、タイミングと人工授精を最初は試したいと思っていて、それは現実的に難しい、ということですよね?」
K先生「精巣精子で、タイミング法や人工授精で妊娠することはありえない。精子の数や濃度にしたって顕微授精が前提となってくるんです」
「じゃあ、そっちを考えたほうがいいってことですね」
K先生「そうですね。この先、造精機能、つまり精子を作る機能が改善したとしてもタイミングや人工授精で妊娠するまで回復するかっていうと、あまり前例があることじゃないから、はっきりとわからないんだけれども、一般的に無精子症までいっているコンディションからそこまで回復するかっていうと、ちょっと考えにくいと思います
Y先生がおっしゃっていたように、K先生はハッキリ言ってくださってむしろ潔い。
まあ、つまり『顕微授精じゃないと妊娠しない』って言われたようなもの。でも、無精子症だったんだから、仕方ない。
これにショックを受けるというよりは、顕微授精を真剣に考えて進まなければいけないということを知れたことは良い機会だったと思う。
ともかく、私たちの10年間のツケが回ってきたというだけのことだ。
もちろん、ほんの少しでも希望があれば良いと考える気持ちは変わらない。N「とりあえず、JUNだけでも排卵するようにできるとか、月経周期が正常になると言ったことって可能ですかね?」
K先生「そうですね。高プロラクチン血症が治れば、月経周期も整ってくるんだけれども、そうでなかったとしても女性の月経不順って、卵巣予備能が保たれた上での月経不順であれば、排卵誘発剤を使えば良いんですけど、やっぱりそこのところは検査や治療は必要だけれども、難易度で言えばそんなに難しいことではないです」

なるほど、そういうことか。ということで、私は基礎体温表を渡した。
K先生「なるほど。排卵はしてそうですね。基礎体温は二相性ですね。低温期の長い稀発月経周期ですね」
先生の言ってることを、秘書と思しき医師がカタカタと入力していく。
私は先生が指していたあたりを追って、プラノバールをもらっていたことを告げた。
というか、M先生、話してなかったんかーい!笑(二度目)
K先生「あ、そうなの?ここの期間?」
「はい、この期間プラノバールを内服して…。あまりにも生理が来なかったので…」
K先生「あーー、じゃあ。これはプラノバール内服による高温期だから、一相性の無排卵周期ね」
で、10月までの270日間の基礎体温表も印刷してあったのでそれも提出。
K先生「7月から10月までの間で3回くらい排卵が合ったことが推察されますね」
え、嘘でしょっていう感じ。7月3日以来全く生理来てないのに???っていう疑問はあったけど、まあ基礎体温からの推察って言葉から察しよう。
K先生「まず、女性ホルモンには2種類あって、エストロゲンとプロゲステロンがあるんですけど、プロゲステロンは排卵したあとの10日から14日間くらいで分泌するホルモンですね。エストロゲンの方は、いつも分泌してるホルモンなんですね。で、そのエストロゲンが子宮の内膜で受精卵を受け入れるクッションを厚くするホルモンとして働いてるんですけど、プロゲステロンが出ないと本物の生理が来ないから、ずっとクッションばっかりが厚くなって、厚くなりすぎると上の方だけ崩れてくるんですね。で、ホントの生理だったら、根っこからそのクッションが剥がれて1週間程度で止まるけれども、厚くなったクッションの上だけが崩れていくような出血のしかただと、長く出血が持続するんですよ。逆にこういう状態でいると、剥がれない内膜がいつも一定期間子宮の中にいて、古い細胞としてありつづけるから、将来子宮体がんのリスクが上がってしまうんですよ。だから、一定期間で根っこから剥がすためにもプラノバールだったりを使ってきっちり剥がすっていうことを繰り返していかないと、将来の先々が心配なんですね」
なんとまぁ…。。。。K先生は包み隠すことなく、先々が心配だとハッキリ仰られた。
Y先生があの長期間の出血の時、あれほどしっかり見てくれていたのはやっぱりこういうわけに繋がるんだな、と…ありがたい気持ちになれた。

この日は不正出血のような出血が少し続いていることを話した。
K先生「そうしたら、ちょっと子宮と卵巣を見せていただいて、今年の子宮頸がん検診と去年に子宮体がん検診をされているんだけれども、今回も必要があれば追加で同じ検査をさせていただきたいんですけれども、いいですか?」
「はい、わかりました」

ということでエコー診となった。
今まで話してた速度の3倍の速度で、産婦人科用語と思われる単語を弾丸のように喋っていて、それを先生の隣りにいた医師が電子カルテにせっせと入力している印象を感じた。
今日は出血もあるので、内膜の採取するような検査は無しになった。

K先生「カバサールの量が増えたのっていつなんでしたっけ?」
「9月14日です」
K先生「じゃあ、あちらでやっていた検査から日にちが開いてるから、今の状況を知りたいので、改めて色々と検査をしていきましょう。で、Nさんの精液検査は(減薬してから)3ヶ月後の年明けくらいでしてみましょうか」
分かりました。と私たち。
K先生「今日は産婦人科に来ていただきましたけど、次回はリプロダクションセンターに来ていただきたいと思います。で、今日採血してもらうんですけど、それから2週間くらいの火曜日で来てもらいたいんですけど、いつがいいですか?」
ということで、スケジュール的に余裕を作ることができそうな11月17日を選択し、私と主人のカルテを家族という形で連携処理をしてもらった。
これをすることで、私のカルテから主人のカルテが閲覧できるし、主人のカルテから私のカルテを閲覧することもできるという仕組みになるそうだ。

カバサールについても、9月14日に増量された分はちょっとだけ足りなくなるということで処方箋も頂いた。

また、Nの減薬についても、服薬をゼロにしてしまって問題がないとK先生から指示があった。
さらに、無精子症まで落ちた主人の造精機能を回復させるため、先生はこういった。
K先生「年明けまでの間全く射精しないっていうのは、作られた精子が外に出てこないから、古い細胞が溜まっていくという状態になるんで、(射精する)回数は多いほうが造精機能の回復には良いです」
つまり、造精機能を回復させるためにはなるべく短い間隔で射精を行うほうが、古い細胞を貯めることがないので良いということなのだそうだ。
主人も私も、先生のおっしゃることに納得をして、採血と次のリプロセンターのあるところを説明を受け、採血の場所で血を抜いてもらっておしまい。
私の左腕は、どんな人でも一発で採血できるほど優秀と言われる腕をしてるので、痛みは一切無し。というか、採血で痛かったことほぼないので、貴重な腕らしい。笑

なんとこの日、先生とお話していた時間は約30分。(•'Д'• ۶)۶ビックリ
ここまで長く色々と説明してくださって、こちらの意向に沿おうとしてくれたこと、なおかつ私たちが顕微授精でないと難しいということも、先生はお話してくれたので、私たちとしてはすごい成果をいただけた。

この日のお会計:4850円(3割負担)
カバサールの処方:450円(足りなくなる分の追加4回分、3割負担)
血液検査とカバサールの処方があったので、仕方がない。
ただ、紹介状があったので選定療養費は無しだった。
それがあったら、1万円かー(。ŏ﹏ŏ)…となってしまうので大きい病院の場合は、初診のハードルが高いなぁと実感することになった。

血液検査項目
・FSH、LH、エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン、プロラクチン
女性にはよく検査される基本的な項目を検査してもらった形となる。

この頃の私は、結構仕事での立ち位置や、会社との関わり方について悩んでいたので、仕事の立ち位置についてだったり悩み始めていた時期で、今後タイミング法にしろ顕微授精にしろ、通う機会は増えていく。
それを考えると、今の派遣という仕事は向いていないのでは?と思っていた。
この話は追々書いていこうと思っている。

次回!

え、ちょっとまって、人生何度目のMRIですか…

皆様のサポートが私の励みになります!そして、ささやかな幸せです(*˙˘˙*)!