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ケアマネジャーはオーケストラの指揮者?の話

「遠くの親戚より近くの他人」という言葉を聞いたことがあると思います。
ケアマネジャー(以下ケアマネ)の皆さんは「遠くの親戚より近くのケアマネ」
という経験をしたことがありませんか?
1人暮らしの高齢者が増えている昨今、近くに親類がいない高齢者の担当ケアマネが、家族の役割を担うようになり、本来の業務ではない仕事が際限なく増えるという話をよく聞きます。

ケアマネの仕事範囲

24時間対応の特定事業所では、困難事例を積極的に受け入れていると
思いますが、ゴミ屋敷の清掃や放置されているペットの保護、各種行政手続きの
サポート(主に生活保護の申請)など、ケアマネの業務範囲を超える働きを余儀なくされている方も多くいるのではありませんか?
「ケアマネの仕事範囲ってどこからどこまでですか?」「こんなことまでやるんですか?」とうちの事業所でもこんな言葉が飛び交った時期がありました。

連絡調整→つなぐ

ケアマネは高齢者の生活を立て直すお手伝いをすることは、もちろん必要なのですが、大切なのは『本来のケアマネの業務は何なのか?何をすべきで、何をすべきでないか?』をしっかり確認し、認識することです。
ケアマネは家族ではないし、ましてやスーパーマンでもありません。
インテーク→アセスメント→プラン立案→モニタリング→プラン見直し
これが基本のケアマネジメント業務です。
この基本の業務に付随するイレギュラーな対応には判断が分かれるところでは
ありますが、業務範囲はあくまで『連絡調整』です。
ケアマネは自分が動いて問題を解決するというよりは、オーケストラの
指揮者のように、問題解決につながりそうな関係機関を見つけてつなげる
のが本来の役割です。
それが、介護サービスの場合もあるし、行政機関(生活支援課、福祉課など)
成年後見人、ボランティア、法テラスなどさまざまなつなぎ先が考えられます。
ケアマネ1人では何もできません。


無理のない対応をする!

実際に困っている利用者を目の前にすると、ケアマネ業務ではないと思っていることでもつい手助けしてしまうこともあるでしょう。
原則に従って業務外のことを断ると、他のケアマネから責められるのではないかと
思ったり、見えない圧力を感じたりすることもあるかもしれません。
しかし、ケアマネは介護保険制度のもとづいて利用者と関わっています。
ケアマネの立場でできることには限界があり、限界を超えて利用者と関わることを
続けることは危険でもあります。
ケアマネが時間外に業務以外のことで対応することは普通ではありません。
普段から色々なことにアンテナを張り、自分の縦横のつながりを広げておきましょう。引き出しをたくさん作っておきましょう。
いざというときに、つなげることが出来ることは利用者のためであり、ケアマネ自身のためでもあります。

心身ともに健康でケアマネ業務を続けましょう!


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