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世界一美味しいポテトサラダの話

『世界一美味しいポテトサラダの話。』

居酒屋の料理の美味しさを測る上で、ポテトサラダは特別な料理である。

ポテトサラダが美味しいお店は、他の料理も大体美味しい。僕が、水曜日のダウンタウンで取り上げて欲しい説の1つだ。

◼︎世界一美味しいポテトサラダ、その実態


そんな例に漏れることなく、私が知る世界一のポテトサラダ職人が作る料理は、たしかに、どれも絶品である。


王道でシンプルなタイプのポテトサラダ。
具材たっぷりで、自らの畑で取れたじゃがいもを使っている所もこだわりポイントだ。
卵の卵黄が全体を包み込み、いつも僕を幸せにしてくれる一品である。(画像はイメージ)

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◼︎ポテトサラダとおばあちゃん

シェフの名前は"あべえいこ"。
僕のおばあちゃんである。


両親は共働きなのもあり、僕は小学校6年生まで、市内にあるおばあちゃん家に帰っていた。

生粋のおばあちゃんっ子、通称"ババキッズ"である。(こんな呼び方を使ってる人は見た事がない。かくいう私も初めて使った。)


ポテトサラダを作るじゃがいもは、おばあちゃんの畑で収穫する。菊地家3兄弟と従兄弟、時には学校の友達も呼んで行われる。

「やった!めっちゃ大きいの出てきた!!」
「うわ…ミミズ出てきた…!やばい(笑)」

そんな光景を、おばあちゃんはいつも笑って見守っている。


畑で取れたじゃがいもで、おばあちゃんはポテトサラダを作ってくれる。

じゃがバターやジャーマンポテトも作ってくれるが、一番美味しいのはポテトサラダだ!

「美味しい!これ絶対お店で出せるよ!」

僕のそんな一言に、おばあちゃんはいつも嬉しそうにこう答える。

「おばあちゃん、お家の裏で、ポテトサラダ入れたお弁当屋さん開いちゃおうかな〜(笑)」

僕がお調子者なのは、おばあちゃん譲りである。

僕がお調子者なのは、おばあちゃん譲りである(大切な事なので2度言った)


◼︎おばあちゃんと僕

三兄弟の中でも最も落ち着きがない僕は、おばあちゃんに一番手をかけさせた。

4〜6歳の僕が「暇!どっか連れてって!」というと、おばあちゃんは僕を自転車の後ろに乗せ、いつも楽しい場所に連れて行ってくれた。

おばあちゃんの自転車の後ろ乗って、日本中どこまででも行ける気がした。


そんなおばあちゃんは、数年前おじいちゃんが亡くなってから、一気に元気がなくなった。母によると、病院にも頻繁に通院しているみたいである。最近は自転車に乗る事もなくなった。


同じ市内なのに、僕はお盆と正月の年2回しか会いに行っていない。
改まって感謝の気持ちを伝えた事もない。時々、送られてくるおばあちゃんの手料理を食べて、その時だけ思いを馳せる日々…。

いつもサークルだ、課題だ、バイトだと理由をつけて、行かない理由を並べている。

「あと何度、おばあちゃんに会えるだろうか。」

そんな事を思ったのが執筆のきっかけだ。


◼︎この先、後悔しないために

社会人になって、宮城を離れたら、もっと、もっと会いに行く機会は減るはずだ。

きっと僕はこの先、これまで全然会いに行かなかった事を何度も後悔するだろう。


僕は今おばあちゃんに宛てて手紙を書いている。
気恥ずかしくて、あまり筆は進まないが、おばあちゃんの誕生日である11月に、そっとおばあちゃん家のポストに入れて置きたい。

◼︎『大切な人に、今感謝を伝えよう』

大切な人に、今感謝を伝えよう

今回のnoteで伝えたかった事はこれだけだ。
そして、これは自分へのある種戒めだ。

みなさんは、明日、誰に感謝を伝えますか?

今、大切な人に感謝を伝えられる幸せを噛みしめますか?

いつか、大切な人に感謝を伝えられない不幸を嘆きますか?

ポテトサラダは特別な料理である。

ポテトサラダを食べるたびに僕はおばあちゃんを思い出す。お腹と共に胸がいっぱいになる。


おばあちゃん譲りで、自転車でぶらぶらするのが大好きな"コウヘイ"

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