見出し画像

フードラボ設立にあたり契約農家さんを募集します

久しぶりのnote更新です。
ここ2,3ヶ月は「プロニート」と自称して、色んな所に顔出させてもらっていました。地域のイベントでご飯作らせてもらったり、シェアキッチンの柿落としのイベントで料理作らせてもらったり、福島の酒造のイベントでご飯作ったり売り子やったりと。めちゃくちゃ楽しい期間でした。
なんだかんだこの期間に事務所をDIYで作ったり、次の事業プランを毎週考えては色んな人に聞いてもらったりと手を動かしながら動いていた気がします。

ここ数年ふれてきた食材の話

ここ数年、美味しいものを食べたいという純粋な気持ちよりも、そのプロセスに興味が湧く機会が増えてきました。
コーヒーを自分で淹れ始めてマルケニッヒのEK(1台で中古の軽自動車買えちゃうやつ)買うまでやったり、ワイナリー訪問も数十箇所やらせていただいて沢山の話を聞かせてもらいました。栽培家や醸造家、日本の在来品種や西洋品種など色んなアプローチで聞かせてもらいました。
ラーメンにもだいぶハマった時期がありました。食材を日本各地のものを取り寄せては作り、イメージと違うと支那そば屋(巨匠、佐野実さんの店)に行ったりして味を感じてみたりもしました。

クックパッドに入社して「クックパッドマート」を立ち上げてからより一層食材に対しての理解は深まり、特売や時短調理の食材しかなかなか売れずに年間100本ペースで催事企画を作ったりもしていました。

ここ数年で感じたこととしては、美味しいものは「価値をつなぐストーリー」からできていると感じたことです。

大量消費を前提とした流通から、さまざまな領域での「スペシャリティ化」というものが進んでいるように感じます。生産者が作った価値をコーヒーならばロースター、酒ならばワイナリー、酒造、ブリュワリー、食材ならば生産者と直接取引する生産者も増えてきました。当然良い作物を作る人は評価されます。

ただそれと同時に、良い食材というものが一般消費者に流通しない社会になってきたなと感じることもあります。

周りに生産者がたくさんいる山梨県でも、スーパーに行けば茨城産、千葉産、北海道産といったメジャーどころの産地食材をたくさん見かけます。どれも道の駅や生産者からいただくような美味しそうな食材ではなく、東京のスーパーで見かけるものと同じようなもの。

素晴らしい食材にアクセスするプロが増えているのと反対に、料理をしたい人たちは良い食材になかなかアクセスできなくなってきたように感じています。

決して高級なものや、特別なものでなくとも、生産者が当たり前に作った美味しい食材を、一般消費者がアクセスできるような社会を作りたい。そして、その橋渡しになりたいと感じました。

食の生産と流通を進化させるフードラボ事業を設立します

一般消費者に良い食材が流通しないのには当然理由があると思っています。
プロは「料理で成功したい」と思ってること。一般消費者は、「料理で失敗したくない」と思っていること。一見同じように見えますが、後者はどうしても慎重になっちゃうのです。毎日同じような料理になりマンネリ化し、一向にスキルが上達しないとチャレンジすらできません。

しかし、供給側にも問題があると思っています。それは、「ストーリーを橋渡しする」流通に関わる人がいなくなってしまったということです。
誰もが経験あると思います「騙されたと思って食べてみて。」という言葉、誰かの背中押しがないと、誰も新しい食材にはチャレンジしません。プロの世界にはまだこのような流通があるように思いますが、消費者には無くなってしまいました。
大量生産の時代、そして人手不足の時代と経て流通に関わる人が減ってしまいました。価値をつなぐ事業を興す人がいなくなり、食品流通が薄利多売の時代になったからです。

また生活の影響もあります。共働きや核家族化により家事に使える時間がなくなってしまいました。そうすると当然穀物や野菜を中心とした食事ではなく、肉や魚を中心とした食事が増えてきます。焼いて食べるだけで栄養になるからです。肉や魚の値段は、野菜の数倍します。穀物と比べるともっと高くなります。肉魚中心だと食費は高騰し、なかなか良い食材よりも薄利多売の食材に手をつけてしまいがちです。

こういった悪循環を変えたいと思い、生鮮ECプラットフォーム「クックパッドマート」を数年前に立ち上げましたが、もっと長い時間をかけて、そして「価値をつなぐストーリー」を語れる場所でトライしていきたいと思います。

それが「フードラボ」という形です。

生産者が"メジャーデビュー"できる仕組みを作る

やることは主に2つです。

1.生産者と専属契約を結び長期的な視野で生産に取り組む

ワインであれば栽培家と醸造家の関係、コーヒーであれば生産者とロースターの関係と同じように、専属契約を結びリスクを取ることで「今日消費者が求めているもの」を作るのではなく「次の消費者が求めているもの」にトライします。

2.出荷作業を共同で行い、規格や食べ方の提案の発明に取り組む

例えば、「しゃぶしゃぶ用」と書かれた肉は、みんなしゃぶしゃぶにしか使おうと考えません。食材はどういった形で流通させるかで、調理法を定義してしまっていると思います。
六次産業化のような形で規格外をジャムにするような話は昔からありますが、この規格自体を考え直す必要があります。通常の出荷先に向けた出荷作業を行なってもらうのではなく、積極的に出荷作業を行うことで、共同で規格作りに挑みます。
また、我々が共同で食材を仕立てることにより「経日劣化」ではなく「経日"優化"」する加工を行います。そのまま売るものもあれば、加工して売るものもあります。

これらを実現するのが、「フードラボ」という構想です。

契約栽培→直販モデルを地域単位で成立させていく

「ちょっと美味しいもので料理したい」シーンというのはたくさんあると思います。パン屋さんでパンを買う時や、専門店で肉や魚を買う時、忙しくて今日はもうシンプルな料理にしたいと思う時。
いろんなシーンに我々の食材にアクセスできる体制を作ることで、直販ビジネスを成立させていこうと思います。

また、調理法を知らないというのは1番の課題です。ラボ拠点を複数県内にも構え、「買って真似できる」飲食店のモデルを構築したいと思います。ワークショップのようにレッスンする時もあれば、食べただけで真似したくなるようなイートインスペースも作りたいと思います。

「盆」地産地消にトライする

地産地消でうまくいっている事例はあまり多くありません。その1番の理由は旬が被ってしまうという問題です。
山梨はとても面白い場所で、中央市や笛吹市の南部地域では、とうもろこしのシーズンが始まっています。その傍ら、北杜市の北部では、まだ春の山菜が取れる地域が残っています。
甲府盆地の西側にあたる地区では、車で30分移動すれば標高を1,000mほど登ることができます。これにより、1-2ヶ月ほどシーズンをずらすことができます。
地質も多様で、火山灰質、礫質、黒ボクなどあらゆる地質が東西南北に分かれています。ハウス栽培も入れるとさらに多様性は広がります。

標高x地質で掛け算していくと、いろんなシーズンでいろんな作物をとることができるのです。面白いレストランが多いのは、この地形特性が影響しているように思います。

このような場所は、日本に他にも十数箇所ほどあると考えています。甲府盆地を中心としたこのエリアで新しい流通モデルを作り上げることに成功したら、一気に多拠点にもモデル展開していきたいと思います。

来ないと体験できない食体験を徹底する

販売する食材について、産直ECやD2Cは増えてきている環境ではあるものの、よくある野菜の定期便や遠隔地の飲食店への卸などは当面やらずに事業を作り上げたいと思っています。
やはり農産物に関しては、その土地特性を生かした食文化と密接に関わっているからです。ラボや販路を通じて、我々が直接食材の価値をつなぐストーリーを伝えなければ良い食材は流通しないと考えています。

第1期(23年)・第2期(24年)募集します

今年からの出荷、もしくは来年からの出荷を予定してくださる契約農家さんを募集いたします。

契約農家さんと結ぶ内容

・収穫する作物の一部もしくは全部を株式会社イロリが買取ります。
・契約単価は市場に出荷する金額をベースに作物ごとに協議して決めます。
・生産者の出荷負担を減らすため農産物の洗浄から出荷・集荷作業はなるべく共同で行います。規格をなくし規格外率をなるべく下げることに取り組みます。
・その他各種応相談で決めましょう

こんな方と一緒にやりたい

・山梨県の峡東地域もしくは中北地域の周辺で活動する生産者
・単一作物の栽培ではなく、多品種の生産を行なっている野菜/フルーツ農家
・既存の販路での出荷作業に負担を感じている生産者
・SNSで自力の発信活動ができなくとも、情報発信に前向きな方
・農産物以外の畜産、卵などもご連絡お待ちしています!

興味のある方は連絡ください。すぐに伺ってお話しさせていただきます!また知り合いでこんないい人いるよという方、ぜひ紹介していただきたいです。

山梨に素晴らしい生産者がたくさんいるのは知っています。自力で販売活動もされている生産者の方もいらっしゃいますが、ブランディングできるような素晴らしいものでなくとも、多くの方に関わって欲しいと思っています。

連絡先はこの記事の最後に書きます。

ラボ設立にあたり他にも関わってほしい人たち

株式会社イロリは今年から活動する零細企業です。
企業や投資家から出資を受けて大胆に事業を起こすことも考えましたが、コストをかければかかるほど、食に関わるビジネスは本質的なことに取り組めなくなってしまうと感じています。これは10年ほどの経験から感じたことです。

自身の給与や設備投資も含めて、なるべくコストをかけず事業を立ち上げていくということを考えています。東京やアメリカの少数精鋭ベンチャーみたいにたくさんの給与をお支払いすることはできなくとも、関わってくれる方がいたらお声がけいただけると嬉しいです。特に初期は全然お支払いできるものはないと思いますが、徐々に改善していきたいと思います。

食に関するビジネスというのは、キラキラした少数の人しか関われないスマートなベンチャーというよりも、社会におけるセーフティネットとして昨日するようなビジネスでありたいと持っています。思いがある人であれば、誰も拒まず受け入れられるそんな環境を作りたいと思います。

だから、沢山の人が関わってくれることが特に重要です。

・生産者にストーリーを伝え価値づくりに取り組む方
・毎日の料理に美味しい食材を浸透させてくれる方
・空間づくりや場所づくりが得意な方
・その他なんでもいいから関わってみたい!という方

ぜひご連絡いただけると嬉しいです。ぜひ話してみましょう!

連絡先
Twitter:https://twitter.com/koppe_jp
Facebook:https://www.facebook.com/koppe0205
Mail:koppe[a]iroriworks.com([a]を@に変えてください)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?