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【徹底解説】怒らない子育ての超基本

子どものしつけにおいて、「恐怖でコントロールする」以外の手法を取っている人を見たことがほとんどない。それは、親にかぎらず、教育の現場でも同じだ。非常に残念としか言いようがない。

「物・機会・報酬」を奪って、嫌な思いをさせる。もしくは、「暴力・圧力」などによって、本人に恐怖を感じさせて、言うことを聞かせる。

「言うことを聞かないと、もうお菓子買ってあげないよ」
「そんなこと言うなら、オバケを呼ぶよ」

などは軽い例だが、幼少期からそのように育てられると、かなりの悪影響を及ぼす。

そうした教育をする親は、普段から声を荒らげたりして、恐怖で子どもをコントロールしているので、子どもも同じ手段を取るようになる。自分の思い通りにいかないときは、泣き叫んだり暴れたりするという具合だ。

なぜか、それがわからない親が多いようなのだ。とても驚く。

そもそも、子どもをコントロールするつもりがなければ、そんなことは起こらない。怒らなくてもいい場面で、大声を出す親がなんと多いことか。子どもが自分の思い通りにいかなかったり、期待通りに行動しないだけで、そうなのだからどちらが子どもなのかわからない。

基本的に、本人の好きにさせていればいいのだ。常識や世間体という「親の勝手な妄想」に振り回される子どもの身にもなったらどうだろうか。

もし、注意が必要なことをすれば、「本人の課題」として伝えればいい。そのときは、「毅然とした態度」でいることが大切だ。姿勢は、背筋を伸ばして胸を張る。怒った表情ではなく、真顔に近い表情にする。声を低くして、ゆっくりと話す。これが「毅然とした態度」だ。

また、子どもが不機嫌になるときは、腹が空いているか眠たいだけのことが多い。それ以外は、思い通りにならないことがあって、一時的に腹を立てているにすぎない。こちらが感情的になって、声を荒らげたりしなくていい。ただ「あなたの言いたいことは伝わっている」と明確にわからせてあげれば、それで落ち着くものだ。

子どもが声を荒らげたり暴れたりしたら、こちらが冷静になって、ゆっくり落ち着いたトーンで、「どうしたの?」「暴れなくても伝わるよ」「大きな声を出さなくても大丈夫だよ」と伝えればいい。それで、先ほどまで大きな声を出して、今にも泣き出そうとしていた子どもも落ち着く。

そうした話をすると、「うちの子は発達障害だから」だとかうんたらかんたら言われるのだろう。もちろん、例外もある。そして、いつもうまくいくとは限らない。しかし、そうしたことの積み重ねによって、子どもとの良いコミュニケーションが生まれるのだ。

子どもを1人の人間として尊重して関わっていかなければ、そのうち子供のほうから見放される。まずは、親の事情や感情よりも、子どもの感情や意見を優先すべきだ。そうすることで、何よりも大切であることを伝えればいい。

そのなかで「交渉」をおこないつつ、お互いに譲り合いながらコミュニケーションを取っていく。

それができて初めて、子育てをしていると言えるだろう。親ができることは、「情報提供」と「環境提供」しかないのだから。

「子どもが言うことを聞いてくれません」の対処法


よその子でも、子育てのテクニックは有効。

最近は、よく「よその子ども」と遊びますが、ゲームなどをしていて思い通りにいかず、感情的になった子どもでも、スグに落ち着かせることができます。そのカンタンな方法をまとめてみました。

子育ての基本は、子どもを理解することだと思っています。知っていることが、大切だということです。たとえば、子どもはドーパミン系の発達が未熟で、感情的になりやすく、欲求を我慢できないと知っていれば、いちいち怒ることもありません。

また、人間関係の基本として、「ペーシング」を知っていると、子どもが大声を出していても、こちらが毅然とした態度で「大きな声を出さなくてもわかるよ」「どうしたの?」「教えて」と、ゆっくり話せば、子どもは泣きやんで、自分の気持ちを教えてくれます。

ここでの「毅然とした態度」とは、背筋を伸ばして、表情は少し緩めた真顔で、声のトーンは低めです。あとは、ゆっくり話すだけ。

その他にも、伝え方はあります。

ゲームをやめさせたい場合。「ダブルバインド」という手法を用います。「このステージをクリアしたら終わりにする?」「次のステージまでやって終わりにする?」というように、選択肢を2つ用意して、自分で選ばせます。
そうすることで、もし駄々をこねても「さっき、次のステージでやめるって言ってたよね?」と聞けば、素直にゲームをやめてくれます。

何かを注意したい場合。「本人の課題」として伝えます。頭ごなし「これはやっちゃダメでしょ!」と怒る親が多いのですが、理由がわからないので、これだと同じことを何度も繰り返します。理由を言っても「子どもだからわからない」と子どもを舐めている大人が多すぎます。しっかり伝えましょう。子どもは理解できます。

そもそも最初から伝える努力をしなければ、理解するまでに途方もない時間がかかるか、理解しないまま大人になるでしょう。

なので、私の場合は「〇〇君が嫌がってるよ」「〇〇君がもう遊んでくれなくなったらどう思う?」とか「そんなことをしたらお母さんが悲しいって」「お母さんが悲しい気持ちになったらどう思う?」と伝えます。子どもも、本人にとって不利益になることはやりたがりません。それを自分の言葉で答えさせて、理解させるのです。

そうすれば、同じようなことで何度も注意することはなくなりますし、トラブルと真摯に向き合ってくれます。素直に聞く耳も持ってくれるでしょう。

そして、子どもは注意散漫なので、いま感情的になっていることとは別の話題を出すことで、落ち着いたりもします。それでも難しければ、突拍子もない質問をすると、子どもは頭を混乱させるので、少し落ち着きます。そこで、わかりやすい提案をしてあげると、意外にも喜んで受け入れてくれます。ここまでやってもダメなら、落ち着くまで、待ってあげればいいのです。

やりがちなのは、子どもの感情に引っ張られて、親まで感情になることです。これは最悪なので、やめてください。

基本的に「子どもが言うことを聞いてくれない」のは、親が子どもの言うことを聞いていないからです。自分の作業を中断してでも、子どもの話は聞いてあげるべきです。

もし、どうしても手が離せないなら、しっかりと理由も伝えて、あとで時間を取ることを約束してあげてください。その約束を守ることで、信用を得られます。その信用があるから、次に注意したときも聞いてくれるのです。

カンタンな心理学をいくつか知っているだけで、対応がわかって、子育ては圧倒的にラクになるでしょう。それなのに読書もせず、いつも大声で子どもを怒鳴っている親を見ると、「なんだかな〜」と思います。

そのうえで、子どもにはスマホやタブレットを与えて、ひたすらゲームをさせたり、動画を見させるのです。それによって、余計に脳の発達が遅れて、キレやすく、うつになりやすい子どもを育てているとはつゆ知らずに。恐ろしいです。

何事もそうですが、知っているだけで結果はまったく変わってきますので、ぜひ「子育て」か「心理学」の本を1冊だけでも読んでほしいなと思います。

オススメは、ビリギャルでお馴染みの坪田先生の『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』と、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンの『スマホ脳』です。こちらの2冊は軽めなので、子育て中でも読めると思います。

子どものためにできる、たった2つのこと

・情報提供する
・環境を整える

子どもが知らないことを、必要なタイミングで教えてあげること。そして、やりたいことのために環境を整えてあげること。子どもが自由にノビノビと好きなことをやって生きていくには、これ以外にないと思います。

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