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おもしろさとは【#27何があってもマイペンライ!】

おもしろい文章を書きたい。そう思っている人は多いのではないだろうか。むろん私もその一人である。おもしろい文章を書きたい!おもしろい人生を送りたい!

では「おもしろさ」とは何か、と問われると、急に黙ってしまう。それくらい「おもしろさ」を捉えるのは難しいのだが昨日、朝井リョウさんのエッセイ集『そして誰もゆとらなくなった』を読んでいたら、大きなヒントに出会った。

朝井さんは「おもしろさ」を「様々な邪念が一切入ってこないくらい、素直に、そして真剣に生きているときに滲み出る“おかしみ”のこと」と表現した。

たとえば上司が一発ギャグをする場合、「笑わせてやろう」という邪念が入っているため、受け手はおそらく笑わない。けれど、上司が絶対に乗りたい電車に向かって全力ダッシュしている姿を見れば、私たちはきっと笑う、というのだ。

朝井さん曰く、上司が全速力で走る姿は「『絶対に電車に乗りたい』という素直さと真剣さ、そしてその真っ直ぐな気持ちを抱いているときにしか放たれない滑稽さ、おかしみに満ちている」。たしかに。上司の全力ダッシュは絶対におもしろい。

朝井リョウさんのエッセイは、おもしろい。インフルエンザで塞ぎ込んでいた私を何度も爆笑させた。おもしろいエッセイを書く朝井さんが言うからこそ、説得力がある。

おもしろい文章を書きたい!なんて考えていた自分は完全に邪念まみれだった。それではきっとおもしろくならない。おもしろい文章を書くための解決策はとても地味だけど、本質的だと思う。

真剣に生きる。ただそれだけだ。


※この記事は2024年4月8日にTwitterにて公開したものです。

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