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量子ドットの応用例を眺めてみる

ノーベル化学賞2023の応用について補足しておきます。

実は過去に、この応用例については紹介したことがあります。

ということで日常生活で使うあの「ディスプレイ」です。(タイトルはWiki「量子ドット」内にある画像が出所)

改めてですが、「量子ドット」とは、サイズを変えることで発光を制御するミクロスケールの物質製法です。
きわめて狭いスペクトル幅(要は微細だとおもってください)で、従来の液晶ディスプレイよりもより多彩な色を表現することができます。

代表的な素材として、直径数nm(ナノメートル)のCd(カドニウム)の化合物がよく使われます。このあたりは下記のサイトが分かりやすかったので紹介しておきます。

既に実用化は始まっていて、例えばあの価格.comでも量子ドットという名称でカテゴリがありました。

ただ、カドニウムは一般的には環境によろしくない物質で(一部で規制対象にも)、その量を減らす(カーボンフリーならぬ)「カドニウムフリー」という言葉もあります。

2010年代から今でもその抑制または代替材料の開発がすすんでおり、公開情報で見つけたものを1つだけ紹介しておきます。

今回のノーベル賞受賞もあり、このあたりのブームはしばらくつづきそうですね。

ディスプレイはこれからスマート化(おそらく個人向けだけでなく町中のディスプレイにも)が進むので一番応用が広がると予想されます。

それ以外で量子ドットがエレクトロニクスの分野で期待されている用途を列挙しておきます。特に優先順位というわけではないです。

  • トランジスタ

  • 量子テレポーテーション

  • レーザー

  • 太陽電池

  • 量子コンピュータ

科学技術好きにはワクワクする単語が並びますね☺

一番未来っぽいのは「量子テレポーテーション」かもしれません。関連投稿を引用しておきます。

初めて聞く方のために誤解の無いように言えば、現時点での量子テレポーテーションとは、コンピュータの情報単位「ビット」の瞬間的な複写です。
(なので人間はこの原理だとむずかしいかも・・・できてもコピー人間)

そのビットを表現するデバイスに「量子ドット」の原理を応用した研究が理化学研究所から発表されているので紹介します。

もう1つ、エレクトロニクス以外の分野ですでに使われているのが「生命科学」の分野です。

具体的には試料の色素として使われています。その強度や持続性が評価されたようです。(医療のせいかあまり詳しい情報にはたどり着けず)

用途を「色」の発光能力とみるか電子(素粒子)のミクロ制御とみるかで、幅広く用途が広がっていきそうです。

またどこかで意外な応用例をみつけたら紹介してみたいと思います。

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