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中国の宇宙ステーションが遂に完成

中国がついに単独で宇宙ステーション「天宮」を完成させました。(タイトル画像はAFP提供)

元々の計画通りだったので、特に驚きはなかったですが、とはいえロシア・米国に次ぐ三番目の偉業です。

あくまで報道されている範囲内ですが、その狙いと特徴について紹介してみたいと思います。

まず、CGですが完成イメージは下記のとおりT字型の形状です。

出所:Wiki「天宮号宇宙ステーション (完成型)」

見た目の特徴から先に解説しますが、主にWikiを参照しています。


コアモジュール「天空」が中央にあり、実験モジュールⅠ「問天(もんてん)」とⅡ「夢天(むてん)」(今回ドッキングした最後のモジュール)がその両側につながっています。
大まかな役割として、コアモジュールが宇宙ステーション全体の制御を行い、2つの実験モジュールは微小重力などの科学実験に用いられます。

大きさですが、全長は最も長い箇所で約40メートル、総質量は22.5トンで、宇宙飛行士3人の長期滞在を想定しています。(交代時は一時的に6名)
宇宙飛行士の活動空間としてコアモジュールで約50立方メートル、2つの実験モジュールを加えると活動空間全体が110立方メートルになるそうです。(無重力なので延べ面積でなく体積で表現)
日本の都市感覚だと、家族で暮らすにはちょうどよい規模かなと想像します。
よくサッカー場の大きさに例えられるISSと比較すると半分以下ぐらいです。

という基礎知識を踏まえて、中国のTV局が提供した動画をご覧ください。

個人的に、面白かった報道は下記です。

この施設が豪邸かどうかは解釈に任せますが、宇宙仕様の中華料理は個人的にはちょっと食べてみたいです。(写真の包装はいまいちですが・・・)

さて、肝心の目的ですが、習近平の言葉を借りると「宇宙強国」を目指したもので、最近行われた共産党大会でも強調しています。

今回の宇宙ステーションは基本的には科学実験という名目が聞かれます。
気になるのはその軍事転用で、例えば並行して小惑星衝突実験を進めようとしています。

NASAも最近同じような実験に成功しています。

NASAがよくて中国は危険、という書き方はしたくないですが、過去(2007年)に中国は地球軌道上にある衛星衝突実験を断行し、宇宙デブリを急増させたことがあります。

今年にも、制御ミスでロケット残骸が地上に落下することを報告せずに欧米が注意喚起を促すという、ざわざわした事件もありました。

このような過去の顛末がありどうしても不安をぬぐえないので、改めて今回の偉業達成を称えると同時に、宇宙空間で強制力のある法的な国際規制(今はガイドラインレベル)を敷いてほしいと感じた次第です。

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