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ロケット最大打ち上げ国は米国ではなくあの国

(タイトル画像のCreditはCMSE

2021年は、世界のロケット打ち上げ回数が、スペースシャトル全盛期を超えて過去最多となったそうです。

気になったのは、各国比較です。
1位:中国:計55回(前年同期より85.5%増)
2位:米国:計51回
3位:ロシア
4位:欧州
5位:日本
6位:インド

中国が宇宙開発に力を注いでるのは有名ですが、既にロケット打ち上げ回数で米国を追い抜いたと聞くと、改めてその速さに驚きです。

ちなみに、GDPでも2033年に逆転することが予測されていますね。

2020年5月に火星に到着した探査車「祝融号(Zhurong)」には、冬季北京オリンピックのマスコットを動画で公開して話題を呼んでいます。


他分野もそうですが、中国のスピード感には圧倒されます。

今回は簡単に、爆速の中国宇宙開発の歴史をたどってみたいと思います。

1950年代:朝鮮戦争をきっかけに核の抑止力を毛沢東が提唱しロシアの協力をえつつ国家の計画始動
1960年代:ロシアと外交上疎遠となり、自国独自でミサイル防衛システム能力開発を宣言(毛沢東)
1970年代:1970年4月に、長征1号による中国初の人工衛星「東方紅1号」の打ち上げに成功
1976年:毛沢東の死後、鄧小平が継いだが政治的混乱でしばらく停滞。
1986年:縮小路線だったが、返り咲いた鄧小平の「863計画」が発表され、有人宇宙開発の動きがリブート
1992年:863計画が発展し、月探査や宇宙ステーションも視野に入れた「921計画」が発表
1999年:国家開発の「長征」ロケットは、初期に失敗が続いたが、2号が建国50周年に神舟1号打ち上げに成功
2003年:神舟5号が世界で3番目に有人宇宙飛行に成功
2011年:宇宙ステーションの雛形である天宮1号が打ち上げられる。
2013年:月探査機「嫦娥3号」で、世界で3番目に月面軟着陸に成功
2020年:「嫦娥5号」が月のサンプルリターンに成功(月軌道上ドッキングにも成功)
2021年4月:宇宙ステーションのコアモジュール(当時の名称:天和)の打ち上げに成功。
2022年:宇宙ステーション完成予定

参考:Wiki

こう振り返ると、政治・外交の関連が色濃く出ていますが、とにかく失敗を通じた改善スピードがすさまじいです。

最近の話題として、今の最新ロケットは、スペースXの「ファルコン」で有名になった完全再生型(打ち上げ後にロケット本体も地球に自律的に帰還)を目指しています。

しかも、純粋な国家計画だけでなく、中国内ベンチャーの活力も積極的に活用とする動きも見られます。

要は、
宇宙ベンチャー「深藍航天」が、2021年の実証実験で、それぞれ高度約1メートルと約100メートルでロケットの垂直離着陸に成功した、
という記事です。

個人的にびっくりしたのが、エンジン「雷霆-5」は、スピード感とコスト削減のため3Dプリンターで部品総重量の85%を占めているとのことです。

民と官が合わさって、ますます中国の宇宙開発スピードが速まっていく可能性は高そうですね。

今年完成する宇宙ステーションだけでなく、中国の宇宙開発動向には注目していきたいと思います。

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