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素粒子標準模型を超える2つの壁

11/5に、どこかで見たなぁと感じる記事を見かけました。

こちらは、8月に公表された実験結果が既存の理屈とかみ合わない、という発表を踏まえた素粒子理論全体の展望でした。実験自体は過去にも書いたので引用にとどめます。

今回容疑者となったのは、ミュー粒子と呼ばれる素粒子ですが、それ以外でも素粒子標準模型には謎が残っています。

素粒子標準模型がお茶の目でも盛り上がったのが2012年に実験で確認された「ヒッグズ粒子」でした。
ただ、その結果を細かく見ると、理論との食い違いもあり、引き続き謎の解明が進んでいます。
それを説明する記事を1つ紹介します。

ようは、
ヒッグズの質量が既存理論よりやや重く(ただ存在自体は実証)、粒子なのかさらに内訳があるグループ(複合粒子)なのかは分かっていない、
ということです。

上記でいう既存理論とは「超対称性理論」と呼ばれるものです。

イメージだけでいうと
既存で見つかった素粒子にはすべて「超対称性パートナー」を持つ、
という考えです。

そもそも素粒子の発見や性質を調べる方法は、高いエネルギーを与えたときの挙動から推し量ります。

ヒッグス粒子の発見はCERNという組織が運営するスイス地下にある実験施設LHCで行われました。
そこでは、粒子を加速(山手線程度の大きさの環状ループでぐるぐる回す)させて衝突することで高いエネルギーを発生させます。

が、今触れているヒッグスの中身をさらに解剖するには、さらに100倍のエネルギーが必要になってきます。

しかも、近年ではエネルギーの規模だけでなく、新たな「効率性」も求められているようです。こちらの記事が興味深かったので紹介します。

ようは、
粒子衝突器はエネルギー効率だけでなく、環境への影響も考慮する必要がある、
という話です。

もっとシンプルに言えば、エネルギーを使うことで生じる(CO2に代表される)温室効果ガスも配慮せよ、ということです。

上記記事では、有望な次世代衝突加速器の1つC 3を例示しています。
そこでは、施設の建設からCO2排出を抑える素材などにも検討しているようです。

衝突の設計方式としては、上述(CERN)の円形か線形(要は直線)かの選択しがあります。
それに加えて、エネルギー環境効率を考えると、そこで消費するエネルギー調達方法まで検討する必要があります。例えば、太陽光エネルギーを得やすい場所、とかですね。

今回の話は欧米で検討が進んでいる粒子衝突器ですが、次回は日本でも有望な候補があるので紹介したいと思います。

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