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地球はファインチューニングされているのか?その2

前回の続きです。

ようは、
生命をはぐくんだ地球でも、そのスープにあたる水の量が絶妙な配分だった、という話です。

今回は前回触れきれなかったもう1つの謎、地球の絶妙な温度について触れてみたいと思います。

地球の平均気温は15度ぐらいですが、火星は-55度、金星は400度以上です。地球がいかに絶妙な温度にチューニングされているのかが分かりますね。

よく言われる例として、地球との太陽との距離が少しずれるだけでも生存が難しくなるようです。(数値は若干出所によってぶれがあるので割愛)

太陽から届く熱エネルギーをもとに地球を暖め続けてくれる役割の1つは、近年は悪者扱いされることの多い温暖化ガス(GHG)の存在です。
地表に降り注いだ熱エネルギーが放射され、それをGHGが吸収することで大気が暖められるという原理です。

ただ、過去地球は何度も氷河期を迎え、スノーボール(全球凍結)の時代もあったとされています。

普通に想像すると、凍ってしまうと水がなくなって生物が絶滅してもおかしくないです。
しかもいったん地表が凍ると、太陽エネルギーの地表反射率が高まって負のスパイラル状態に陥ります・・・。

ここで、前回の主役「水」が地球の生物(このころには少なくとも単細胞生物は誕生していました)を救います☺

水は液体で、(通常の圧力下では)零下になると個体の氷になります。一般的に液体が固体になるということは、構成する分子のうごきが遅くなってがちがちにひしめき合う状態、つまり密度が大きくなります。

ただ、水は例外で、氷になると密度が小さくなります。例えば水に氷を入れると浮かぶのをみれば分かりやすいですね。

つまり、地表が氷に覆われた時代においても、その地下では水の状態として存続しえて、生物も生きながらえることができたのかもしれません。

実際に、地球での生命誕生の有力な説の1つははいまでも「深海」です。

もっといえば、スノーボールになった後に、火山活動などで再び地球は暖められていくわけですが、海底まで全て氷だとすれば、温暖な地球に戻るのも難しかったかもしれません。

ということで、生命にとって重要な温度幅は、これらの調節システムが機能してきたわけです。

この数十億年に至るまで、決して順風満帆だったわけでなく、今まで6回の生物大量絶滅を迎えたといわれています。(スノーボールもその1つ)

それぞれ絶滅の原因とリカバリ方法は異なるかもしれませんが、スノーボールと同じようにファインチューニングとも呼べる自然の調整機能が働いたのかもしれません。

そんな苦難を乗り越えて、生物進化の数珠つなぎで人類という知的生命体が誕生したわけです。

もしかしたら宇宙・地球のように、生命の中でもファインチューニングが施されているのかもしれません。

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