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次世代太陽電池レースの発熱量が高くなってきた

以前に、SLIMの太陽光電池パネル問題をきっかけに、次世代太陽電池のブレークスルーについて触れました。

ペロブスカイト太陽電池で、その主要原料ヨウ素の動きをより細かく見ることに成功した、
という話です。

このペロブスカイト太陽電池は、日本国としても後押ししています。実際に資源エネルギー庁によるこのサイトでも宣伝しています。

基本的な知識については、下記サイトで分かりやすく説明されています。

主なメリットは、下記に集約できます。(細かい他のメリットも用途によっては重要なので、気になる方は上記サイトへ)
・安い
・薄い(曲げやすい)
・大量生産できる

現在の日本における太陽電池普及状況ですが、下図のとおりすでに設置面積は他国より広いです。
言い方を変えると、今後さらに普及させるにはその設置効率性を高める必要があります。

上記資源エネルギー庁サイト

日本国が期待している理由は、この技術が優れているだけでなく、主要原料ヨウ素が世界2位の産出量(1位はチリ)を誇ることです。さらには、上記サイトによると、埋蔵量では日本がダントツです。

出所:上記解説サイト

都庁でも最近実証実験を行うことが話題になっています。

と、順風満帆に見えますが、他国でも力を入れてきています。

中国もこの技術に力を入れ、この数年での特許数が伸びている、とのことです。

従来の太陽電池はシリコン型と呼ばれるもので、実は中国製が最大のシェアを誇ります。

今後エネルギー獲得競争において太陽電池の需要が高まる中、欧米ではその過渡な中国依存に警鐘を鳴らしています。
上記記事によると、米国では、インフレ抑制法(IRA)によって太陽電池の部材と組み立ての国産化を強力に支援。
EUでも、EVとともに安価な中国製太陽電池について、ダンピングやサイバーセキュリティーへの対策を目的に保護貿易的な規制を検討しているそうです。

ということで、単なる民間企業間競争だけでなく、国家政策とのつながりも避けて通れなくなっています。

目下世界全体でエネルギー獲得競争が進みつつあるなか、科学技術だけでなく地政学上の複雑な駆け引きが激しくなるかもしれません。

ペロブスカイト太陽電池、きわめて発音しにくい用語ですが、間違いなく今年さらに世界で注目が集まる技術です。

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