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コミュニティの”規模”を追い求めると陥る罠。規模と文化のバランスについて

おはようございます。22時に寝て5時に起きる、5時こーじです。

早起きの習慣化を目指すコミュニティ『朝渋』の運営をする中で得た学びを、noteでシェアしていきます。

今回は、コミュニティの規模と文化のバランスについてです。

いきなりですが、コミュニティに参加する人数の規模って、どれくらいがベストだと思いますか?

30人? 100人? 300人?

参加人数が少ないと、出会いが生まれず多様性も低くなるため、刺激や新鮮味の薄い場になる可能性が高いです。また、人数が沢山いても、人の出入りが起こらないと、関係が固定化されていくため、刺激は徐々に薄れていきます。そのため、ある程度の人数規模と、人の出入りが定期的に発生するコミュニティのほうが、刺激的で面白く、新しい何かと出会いたい人には向いていると思います。

一方、規模が増えると、コミュニティが大切にしてきた文化が薄れる可能性も生じます。

先日のnote『たった一つのシンプルな提案が、コミュニティを「健全な出会いの場」に変える』にも書きましたが、朝渋ではメンバー同士が、お互いにいい影響を与え合える関係を築けるように、メンバー全員に持ってもらいたい心構えとして「クレド」を作っています。

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基本的にコミュニティは、一人ひとりのメンバーが主役だと思っているので、メンバーには自由に活動をしてもらいたいと考えています。ただ、色々な価値観を持つ人が集まる場において、それぞれ気持ちよく活動するためには、最低限心配りが必要です。クレドは、メンバーの安心安全や、コミュニティの文化を守る基盤のような役割だと考えています。

このコミュニティを健全に保つための文化が浸透していない状態で、コミュニティとしての面白さを底上げするために規模を増やそうとすると、大変なことになります。

文化の浸透と人数規模。このバランスが、ものすごく大事なんです。

実は、朝渋の運営において、このバランスを取ることに失敗したことがあります。端的にいうと、規模の拡張に、文化の浸透が追いつかず、コミュニティがカオスな状態になってしまいました。その時の反省から、現在は、このバランスをすごく意識しています。

今回のnoteでは、ぼくが体験した反省のシェアと、現在の朝渋において、どのように文化の浸透具合と人数規模のバランスを見ているのかを共有します。

コミュニティとしての本質を見失っている危機感

まずは、ぼくの反省のシェアから書いてみます。

朝渋は、2018年後半から2019年前半までの時期は、毎月30〜40名くらいのメンバーを新しくコミュニティに迎えていました。

当時は、朝渋の存在を世に広めていこうと、話題の著者をゲストに呼んだ朝イベントを定期的に開催し、イベントをTwitterでトレンド入りさせたりして、最大限盛り上げようとしていました。

その結果、「今、話題のコミュニティ」といった感じで、朝渋への入会希望者が、一気に増えました。その頃、オンラインサロンが流行していて、著名人が主催しているサロンへの入会者数も世の中的に伸びていましたが、ぼくのような一般人が運営しているコミュニティに、これだけ多くの人が興味を持ってくれるのは、純粋にありがたいと感じました。

ぼく自身、早起きする人を一人でも増やしたいと思っていたので、朝渋のメンバーが増えることは大歓迎でした。朝渋を大きくして、早起き習慣を身につける人をどんどん増やしていこうと心の底から燃えていました。

とはいえ、一度に大勢がコミュニティに参加すると、ケアが行き届かなくなる懸念もあるため、一度に入れる人数は30〜40名くらいを上限に決めていました。それでも上限を超える申込みが毎月あったので、人数を絞る意味で、入会希望者にはエントリーシートのようなものを書いてもらったり、月額金額を高めたり、色々な試行錯誤も同時に行っていました。

こうして、一時期は250名くらいの人数が朝渋に参加していました。

ただ、この時は前述したクレドもなく、「こういう心構えで朝渋に参加してほしい」と促すものが存在しませんでした。そのため、人によってコミュニティに求めるものや、コミュニティでの過ごし方がバラバラになっていきました。終いには、朝イベントやメンバーとの出会いには関心があるけど、日々の早起きには興味が薄い人も増えていきました。

その結果、コミュニティとしての満足度も低下しているように感じました。本気で早起きを習慣化して入ってきた人が、早起きをおざなりにしているメンバーと触れ合うことで、モチベーションが削がれて退会してしまう。そんなシーンが目立つようになってきました。

コミュニティとしての本質を見失いはじめているのではないか?

危機感を感じたぼくは、2019年の夏頃に新規の入会の受付を一旦やめることにしました。改めて、コミュニティを根本から立て直そうと思ったんです。

そして、2019年10月から、3ヶ月で本気で早起きの習慣化を目指すプログラム『朝渋KNOCK』を立ち上げ、この朝渋KNOCKで早起きを身につけた卒業生のみが朝渋コミュニティに入会できると、方針を大きく変えました。

本気で早起き習慣を身につけたくて、それをしっかりとやり切った人だけ、朝渋メンバーに迎えようと決めたました。


文化の担い手となってくれるメンバーたちの存在

実は、朝渋KNOCKが開始した2019年10月以降から2020年9月にかけて、朝渋コミュニティの人数はものすごく減りました。

そもそも、入り口を朝渋KNOCK卒業生だけに絞っているので、新規の加入が減ります。また、朝イベントだけを楽しみにしている人は『朝渋オンライン(その後、朝渋アカデミーコースに名前を変更後、コース廃止)』というコースを新しい用意したので、そちらに移動したりしました。加えて、新型コロナウィルスの影響で、メンバーと一緒にリアルな場で朝活する活動が難しくなった影響もあり、退会するケースが多かったのです。

その結果、一時期は250名くらいいた人数が、2020年9月には80名くらいになりました。

ただ、この時には、朝渋KNOCK卒業生が半数を占め、クレドの内容をメンバーと共有していたので、以前の朝渋と中身が違っていました。「早起きファースト」という言葉をクレドの一番最初に掲げていますが、早起きすることが当たり前という空気があって、早起きを続けている人を賞賛する風土が根付いていました。

「このタイミングなら、門戸を少しずつ開放して、新しい風をコミュニティに入れるのもいいかもしれない」

そう感じ、2020年10月からは、『朝渋KNOCK』の卒業生でなくても、朝渋コミュニティに入れるように、毎月入会を受け付けています。もちろん、一気に入るとバランスが崩れる懸念があるので、今は毎月の上限を20名にしています。

ありがたいことに、毎月上限に達するくらいの人数の人から申し込みがあり、2021年4月の時点で、200名のコミュニティになってきました。ただ、規模をここまで増やしても、文化が薄れていってしまっている兆候は感じられません。むしろ、朝渋らしさを保ちながら、色々な個性を持ったメンバーが加わってくれることで、面白さの底上げがされていっている印象です。

おそらく、コミュニティに既にいるメンバーが、先輩として「早起きファースト」の姿を新しいメンバーに見せてくれていることが、文化を保てている大きな要因だと思います。

また、以前と比べて、コミュニティに入会した最初の1ヶ月は、運営側がコミュニティでの過ごし方や、クレドを用いながら「こういう風にコミュニティでは活動してほしい」といったことを手厚く伝えるようにしています。そうすることで、新メンバーとベクトルを合わせるようにしています。

文化を浸透させながら、規模を緩やかに拡張させていく。このバランスが、やっと上手く取れるコミュニティに育ってきたのではないかと感じています。

どうやってコミュニティの健康状態を診断するか?

文化と規模のバランスについて書きましたが、最後に、コミュニティにおける文化の浸透具合の測り方について、言及させてください。

今、企業では『wevox』や『モチベーションクラウド』といったアンケートツールを使って、社員の組織に対するエンゲージメント(満足度や働きがい)を図ったりしていますよね。

それと同じで、コミュニティにおいても、コミュニティの健康状態を図るための施策というのは必要になると思います。

朝渋では、月末にメンバーにアンケートを送り、「来月の朝渋でどう過ごしたいか?」を答えてもらっています。

朝渋には、毎日の寝る時間と起きる時間をメンバー同士で報告しあって、早起き習慣が継続するようにお互いを支えあったり、その中でメンバー同士のコミュニケーションを深めるチーム制度があります。朝渋の基盤と言える活動で、アンケートでは、このチームに参加するかどうかを1ヶ月ごとに確認しています。

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もちろん、仕事の忙しさの関係で、この時期は早起きが難しいとか、チーム活動が難しいという人もいるのでは、そういう人はおやすみ宣言をしてもらってOKにしています。

ただ、避けたいのは、中途半端に参加することです。アンケートフォームのルールの項目で「できたら投稿する、気が向いた時だけ投稿するはやめましょう」と書いていますが、これは事あるごとに伝えています。こういった旨のメッセージを伝えた上で、参加したいかどうかの意志を確認させてもらっています。

ぼくは文化浸透を測る指標として、このチームメッセンジャーに参加したいと回答する人の割合を特に意識して見るようにしています。この割合が一定の割合より低いと、早起きファーストの文化が薄れてしまっていることを意味するので、アラートとして受け取ることができます。

いま、朝渋が人数規模の拡大に踏み出せるのも、アラートが出ていないからです。

もちろん、この数値だけでなく、日々のコミュニティ内の会話をはじめ、様々なシーンから文化の浸透具合を感じるようにしています。ただ、メンバー全員へのアンケートといった、マクロな視点から全体の傾向を把握することも重要だと、ぼくは考えます。

とはいえ、文化の測り方・浸透のさせ方に正解はなく、試行錯誤の連続です。朝渋は、早起きできる人を増やしていくために、これからも緩やかに規模を増やしていきたいと考えていますが、その過程で新しい問題にぶつかることもあるでしょう。

文化と規模のバランスは、コミュニティにおいて重要なテーマだと思うので、今後も気づきや学びがあれば、シェアしていきたいと思います。

朝渋コミュニティに興味がある方はこちら

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<編集協力:井手桂司>

お読みいただき、ありがとうございました! 現在全国にてコミュニティメンバーを大募集! https://community.camp-fire.jp/projects/view/243458 是非一緒に朝活しましょう^^