見出し画像

【読書ノート】〜悪魔の傾聴〜

よく「コミュ力」と言うが、
要はコミュニケーション能力が高い人 = できる人
と思われがちで私自身もそう思って
今まで生きてきた。
私は営業職でそれなりに結果を残してきたし
多少なりとも「コミュ力」には自信を持っていたが
本書を読んでそれは緩い解釈だと知った。


まず第一部から鼻をへし折られた。
人と会話する場面で絶対やってはいけないこと
として

◉否定する
◉比較する
◉自分の話をする

特に3つ目の"自分の話をする"というのは
自身、かなり自覚があった。
ただこれには理由があって
自己開示すれば相手が話してくれるという
理解があったからだ。
ここ数年は、自分が話すより
相手に気持ち良く話してもらう方が楽なのでは?
という考えを抱きながら日常を過ごしてきたが、
本書で改めて理解させられることになった。
要は相手が発言した単語を拾い、
相づちを打つように短い質問を返すのだと
記されていた。

そしてもう一つ大事なこととして
聞き手の意見が傾聴をぶち壊すとあった。
特に相手の語りを否定して、アドバイスすることは
対面コミュニケーションで多く見受けられる
最悪の行為だと強いトーンで記されていた。

筆者の言いたいことはシンプルで
「自分が聞きたいことを聞く」これに尽きると
私は思いました。
あくまで相手が主役であって
相手が気持ち良く話してくれるように
アシストするイメージ。
そのためにはまず「相手に興味関心を持つ」
これは営業である上司から教わったことです。

最後に私が本書で気に入った箇所で
「心のセンタリング」というフレーズです。
これはあらゆる考えや立場、主義主張に対して
傾聴するために多少寄ることがあっても
あくまで一定の距離をとることで
全方位に対応できるようになるのだと記されていました。
そして傾聴した経験だけ
主観という分厚いフィルターを取り除くことが
でき、新たな気づきと心の改善を繰り返し、
時間をかけてフィルターを薄くして、
自分自身の受容力を高めていくのだとありました。

私自身、改めて対面コミュニケーションの
楽しさだけでなく難しさは辛さも経験しました。
コロナ禍に限らずコミュニケーションが希薄になりつつある世の中で人と人を繋ぎ、拡散していくためにも本書が良い助けになりました。
ぜひご一読頂ければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?