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Life Stories.

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人生の物語をまとめたインタビュー集です。
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手を繋ぎあえば、人の可能性が花ひらく。20年コミュニティに関わり続ける中島明さんが、コミュニティより大切にしたいこと

近年、コミュニティマネージャーと名乗る人が増えてきた。 中島明さんはフリーランスとして独立した2010年から、さらにいえば2001年に社会人になってからも、広い意味で言えばコミュニティづくりに関わるような仕事をしてきたので、もうその道20年。コミュニティづくりを仕事にする存在のはしりといってもいいだろう。 数々のプロジェクトに関わってきた中島さんだが、最近では「コミュニティ」という言葉と、自身の活動に齟齬を感じるようになっているという。そんな中島さんに、これまでの歩みを振

わたしたちは、希望の火を灯しあうことができる。「フェス開催」という目標の先に、はたなかみどりさんが出会った風景

夢や目標を口にすることは、こわいこと。 そして、そのこわさの先に、「自分の命を生きている」という感覚がある--。 2020年12月に公開したLifestories.のインタビューでそう語ってくれたのは、シンガーソングライターのはたなかみどりさん。当時、はたなかさんはこんな目標を教えてくれた。 「実は今は新しい目標があります。それは、『ap bank fesのようなフェスをつくる』っていうこと。…前のわたしだったら、『つくるのなんて無理だ!』と思っていただろうけど、今のわた

「大切な人に想いを伝えられなかった」という後悔を、誰にもしてほしくない。だから、絵本をつくるんです。-itoha代表 有賀ひとみさん-

大切な人に、伝えられなかった想いはありますか? 「いつもそばにいてくれて、ありがとう」 「実は小さいころ、こんなつらい経験をしてね」 「あのとき、傷つけてしまってごめんね」 そんな想いを伝えたいと気づいたころには、その宛先となる彼や彼女は自分のそばからいなくなっていた-- ふりかえれば、私はそんな後悔をくりかえしてきました。 もしかしたら、これを読んでいるあなたも、そんな後悔をかかえているのではないでしょうか。 オーストラリアで長年緩和ケアの仕事に取り組み、数多くの患

“何者か”になれなくてもいい。わたしは私。 会社員を辞め、移住10年を経て三星千絵さんが気付いた、人生で大切なこと。

「30歳くらいの時期って、人生に迷うよね」 三十路をちょっとすぎた年齢になって、友人たちとよくそんな話をするようになった。僕自身、30歳のちょっと手前で「これからどう生きていこう?」と悩んでフリーランスになった経緯があるから、「迷ってたなぁ、あの時期」なんて、しみじみ思う。 キャリアデザインの文脈では、20代後半から30代前半にかけて、つまり人生の4分の1を過ぎた時期に訪れる人生への焦りや停滞感を感じる時期ことを、「クオーターライフ・クライシス」と呼ぶようだ。 しかし、

15年間、口にできなかった夢。肩書きを捨て挑んだら、命の実感が湧いてきた-シンガーソングライター・はたなかみどりさん-

“そのひとこと”を口にしてしまったら、それまで生きてきた世界には引き返せない。そんな言葉が、僕にもあなたにもあるはずだ。 その言葉には、夢とか、目標とか、肩書き、とかいう名前がついていたりする。もしかしたら、想いをよせる人への告白という名前かもしれない。 胸に手をあてて、“そのひとこと”を誰かに伝える自分を思い浮かべてみる。 すると、僕の手はじわりと汗ばんでくる。心臓がどきりとして、息はすこしくるしくなる。 一度“そのひとこと”を発すると、まるで大きな川に足を踏み入れ

コンプレックスがあるから、あなたの人生は面白い。-心電代表・郡司淳史さん-

彼のそばでは、人の個性が輝きだす。 自分に自信がなかった人は、いきいきと自分のことを語れるようになり、新しい一歩を踏み出す勇気がなかった人は、その一歩を力強く踏み出す--。僕も、彼と接するなかで自分の自信を取り戻していった一人だ。 「彼」とは、「心電」を立ち上げ、その代表を務める郡司淳史さん。 郡司さんは『心(sin)に電(den)気を』をコンセプトにした「心電」で、ブランディング、商品開発、映像・グラフィック、イベントなどの事業に取り組むクリエイター集団をマネジメント

しあわせは、“1日の終わりにふたりで乾杯できること”。バルンバルンの森をつくった夫婦が教えてくれた、誰かと共に生きる意味。

どうして多くの人は、誰かと結婚したり、付き合ったり、パートナーシップを結んだりするんだろう? そんな疑問をポツリとこぼすと、「考えすぎだよ」と言われる。だけど、考えずにはいられないのだ。 だって、「誰かと共に生きる」って大変じゃないですか? 著名人の不倫のニュースは毎日のように飛び込んでくるし、友人夫婦はバスタオルを洗う頻度についてのいさかいが、深刻な家庭内紛争につながったらしい。付き合って数日でフラれて、「自分は誰からも愛されない人間なんだ……」と苦悶する人もいる(こ

「まわりの視線が怖い。」そんな生きづらさがあったからこそ、できることがある。-尚工藝代表・宮田尚幸さん-

「生きづらさを抱えていた僕でも、今こうして社会に関われている。生きづらさはかるくなる、ということを伝えたいんです。」 デザイナー・宮田尚幸さんとメールでやりとりするなかで、そんな言葉と出会った。 「生きづらさ」には、僕も心あたりがある。大学時代、人の視線がこわくて、就職活動はおろかバイトもできず、ニートになった。病院に行くと、「社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)」と診断された。(今でも、人前に立つと汗がダラダラ出てしまうのはその名残りだ

「最大公約数的なデザイン」から「あなたのためのデザイン」へ。アンビエントデザインズの2人に聞いた、物質と出来事のこと。

ゆるやかな曲線と、きっぱりとした直線が調和した介護老人保健施設の建物。 幾何学的な室内を、窓からのあたたかな陽が照らす歯科医院。 強さの中に、どこかやさしさも感じるこれらの空間を作り出しているのは、建築設計事務所「アンビエントデザインズ」の石黒 泰司と和 祐里だ。 (2人が手がけたデザインの事例と詳細は、こちらのページを見て欲しい。) >広島県の介護老人保健施設。(撮影:千葉正人) >茨城県龍ケ崎市の歯科医院。(撮影:アンビエントデザインズ) 「建築設計事務所」と言っ

日々の“調える時間”が、自分の人生を生きることにつながる。私たちが「チューニング」の事業をはじめた理由。

2020年4月9日、私たちは「株式会社フローミュラ」を設立しました。 フローミュラでは「ビジネスパーソンの日々のチューニング習慣を作る」ための事業に取り組んでいきます。 「ビジネスパーソンの日々のチューニング習慣」と聞いても、ピンとこない方が多いかもしれません。でも、私たちは近い将来、ビジネスパーソンが「自分の状態に自覚的になり、調える(ととのえる)」、つまり「チューニング」をすることを当たり前にしたいと考えています。 今日は、どうして私たちが「チューニング」を大切にし