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自分の考えを持つほど、柔軟になる

「自分の頭で考えよう」とよく言われる。
インターネット全盛の現代では、情報は溢れている。
すぐに検索して情報は得られる。
だから、正解や知識そのものに価値はなく、「個人の考え方・モノの見方」に価値があると言われるのだ。

一方で、
「素直さが大事」「柔軟に」
「自分の考えに固執するのは非効率」
というのものよく言われる。

一見、「自分の考えを持つ」と「柔軟になること」は矛盾している。
しかし実は矛盾しないどころか、相乗効果がある。

自分の考えを持つとは何か

人間が「考える」というのは、
それだけで本が一冊かけてしまうテーマだ。

本記事ではシンプルに
「問い」と、「問いに対する答え」が頭の中にある状態として考える。

「問い」は何でもいい。
「自分の好きな食べ物は?」みたいな軽めのでも、
「愛とは何か」みたいな重めのものでもいい。

「答え」は正解か不正解は、どちらでもいい。
「考え」という以上は「頭の中にある」ことが何より大事だ。

たとえ「自分の好きな食べ物は?」みたいな、
特に何にもつながらない問いであっても、
自分が「答え」をきちんと頭のなかに描いていることがポイントだ。

逆に言えば、「答え」を頭の中で描いていないのなら、
「考えている」ことにはならない。

また、その「答え」は他から借りてきたものでもいい。
ただし、「他から借りてきたので、自分で考え出したものではない」ということを自覚していることが条件だ。
他から借りてきたくせに、あたかも自分の考えだと勘違いしているのは、
不正なカンニングだ。「答え」とみなさない。

では、上記のような「自分の考え」が頭の中にあると、
なぜ、柔軟になるのか。

他の考えに直面するとどうなるのか

「自分の考え」を持っているときに、他の考えに直面するとどうなるのか。

学生時代にやった、数学に当てはめると良く分かる。

たとえばY=X+3みたいな問題があり、
自分の考えは、X=3だとする。そうすると、Y=6だ。
(数学苦手な人も、毛嫌いしないで、続きを読んで頂けたら嬉しい。。。)

そこで他の人が「実は、X=6らしいよ!」と教えてくれると、
頭の中で、「じゃあY=9なんだ!」と直ぐに、答えを導ける。

逆に、自分の考えを何も持っていないとどうなるのか。
そもそも「Yって何だろう?」と考えたこともない、
もしくは「Y=3X」という問題を知っていても、「X=3」という自分の考えも持っていない。頭の中に全くない。

そんな時に「X=6だ!」と言われても、ポカンとするだろう。
当たり前の話だ。
実は数学に限らず、あらゆる場面で、同じことが起きる。

少子高齢化の問題、経済の問題、政治の問題。
はたまた仕事上の課題、恋愛や趣味でもそう。

何でもいいが頭の中で、「問題と、それに対する答え」を
自分なりに考えているから、他者の考えを聞いた時に、
興味を持てる。

興味を持った結果、話しを良く聞いているうちに、
自分が納得すれば、「あ、じゃあY=9だね」と直ぐに自分の考えを修正できる。
「なるほど!」というリアクションが早くなる。頭の回転が速い人は、すべからく、これができている。

何にでも興味を持つ人、吸収が早い人、博識な人は、
 ・あらゆる問題と
 ・それに対する自分なりの考え
を持って、日々を生きている。
だから、何をしてても、誰といても学べる。
というか、あらゆる会話や体験が「X=6だ」「X=3だ」と、
聞こえてしまうので、勝手に学んで「しまう」。

結果として、どんどん自分の考えをアップグレードするから、
変化に対応しやすい柔軟性を持つことになる。

「自分の考え」が絶対的に正しく、他の考えを全く受け入れない人がいる。
年を取るほど、そういう人が増えていく。

自分の考えに固執してしまう人は、実は、
「答え」しか考えていない人だ。

「Y=6だ、Y=6だ、Y=6だ・・・」と当初の目的や課題意識を忘れてしまい、
「問い」を忘れ去っている。「問い」がないから、厳密には、
「考え」ではない。

親や上司等々からの圧力で「Y=6!!!!!」と、
強制されてきた人は、考えに固執することに陥りやすい。
自分でも「何がY=6なんだ?」と分かっていないのに、妄信してしまう。

ちゃんと問いを持った上で、自分なりの答えを持っているならば、
柔軟性を失うわけがないのだ。
Y=X+3で、X=6なら、誰がどうみてもY=9なのだから。

現実の問題は、「Y=X+3」のように数式で表し切れるものは少ないだろう。正解が一つでもない。

ただ、それでも数式のように「〇〇は、~だ」という
・断定、且つ
・具体的な
答えを自分の頭の中で持つほど、柔軟性はあがる。

断定は、否定される怖さがあるので、誰しもしたくない。
しかし、フワフワ・抽象的な考えに逃げるほど、
せっかく「X=6!!」という貴重な情報を聞いても、
ポカンとするしかなくなる。

結果、変わっていかない。成長していかない。

無知であることは、何も恥じゃない。
未経験だろうと、頭が悪かろうと、自分の考えを持つ。

というより、
未知だからこそ、能力が低いからこそ、
自分の考え(問いと答え)を持って、物事に取り組むべきなのだ。

まとめ

『自分なりの考えを持ち、答えをアップデートしていく』

肝に銘じよう。

かしこ。

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