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急速に親離れがきた、車椅子の息子

息子が小学校5年生になり、息子の親離れが進んできました。
正直さびしい気持ちもあるので、親離れは私も望んでいたことだと自分で自分に言い聞かせています。


息子が通う支援学級の、今年の先生は、力がありそうな男性の先生でした。

今までの支援学級の先生も、おひとりおひとり素晴らしい先生で感謝しかないのですが、「力」や「体力」という面では、今年の先生が一番と言うしかないです。

例えば、息子がスピードをつけて車椅子ごと先生にぶつかっていったら、私なら簡単に跳ね飛ばされそうなのですが。
新しい先生は、スピードが出た車椅子をガッツリと受け止められそう。(怪我はするだろうけど)

その証拠に、先生と私とで話している間、先生は、息子含めて50キロある車椅子(+息子)をガッツリとホールドしていて。柔道だったら、寝技が決まっている状態とでもいうところ。
私だったら、動き回る車椅子に、寝技をかけることはもうできないんです。

そんな「力」のある先生に男として惚れたのか、ただ単に小学校5年生という月齢になったからなのか分からないけど。
小学校へ送り迎えをしても、息子は、小学校に着けば親からはサッと離れて先生に頼るようになってきました。

ランドセルが重くて車椅子が進まない時は、「先生、動けない」と先生に助けてもらっていて。
もう親に「助けて」のSOSは出さないんですよね。

確かに、車椅子が動かなくて困ったときは、高齢の親よりも先生の方が頼りになるのは明白でして。
今災害が起きたら、親よりも、先生にリーダシップを発揮してもらった方が、より多くの命が救われることは間違いないです。

でも、この10年間、車椅子の息子とは、歩けない息子の特性もあって、ずっと私の体にくっついていたんです。
歩けない息子は、抱っこをしなければ移動ができなかったから、息子と私はずっとくっついて移動していました。

2歳で車椅子を手に入れてからも、立てない息子は抱っこをしなければ車椅子に乗れなかったので、車椅子に乗せるまでは抱っこしていて。

大雨の日に、車椅子から車へ乗せ替える時は、息子を抱っこすれば傘がさせないので、私は全身濡れならがら抱っこしていました。

過去を振り返ると、今となっては、抱っこをするたびに、「ううー重いー、腰がやられるー」と毎回唸っていたことが懐かしいですね。

「抱っこが大変」と愚痴ることも、もうすぐ終わってしまうらしいです。

そうなると、正直なことを言うとさびしいです。

でも、ここは、息子の親離れ時期がやってきたチャンスですので。息子が親離れをすることは私が望んでいたことなのだ、と自分で自分に言い聞かせようと思います。

本来だったら、小学校に入る前後には抱っこの時期がすっかり終わって、10歳の今はとっくに子供を見守る側になっていたはずなのですが。
車椅子の息子には、10歳ごろまで抱っこをさせていただいたのです。他の子よりもずっと長く「子供」でいてくれたんですよね。

息子には、長らく抱っこをさせてくれてありがとう。
「重いー、腰がやられるー」と愚痴を言わせてくれてありがとうとお礼を言わせてほしいです。


車椅子の息子が小学校5年生になり、高齢の親よりも先生を頼りにする親離れが急速に進んできました。
正直さびしい気持ちもあるのですが、息子が親離れをすることは私も望んでいたことだと、やっときた成長なのだと自分で自分に言い聞かせて。親は自分の老後のことでも考えていようと思います。

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