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殺る気スイッチは誰でも持っている。だが、押さないっ!

オリンピック中らしからぬ過ごし方をしている。ずっと死刑や正義について頭がぐーるぐる。

人間は危うい。だから法が大切。でも人間の作った法ですもの。死刑制度も危ういよね、うん。

長い間、積ん読しておいた「13階段」を軽く読み始めたら、やめられなくて一気読みした。こんな面白かったなんて!  久しぶりに寝食より読書欲が勝っている1日を過ごせた。

高野和明さんのデビュー作で、第47回江戸川乱歩賞を受賞した作品。

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宮部みゆき先生は文庫本あとがきで、審査員満場一致だった事&映画ディスを書いていた。

たーしーかーに。読後に映画を知ったけど、キャスティングも合わないし、いらない台詞を足しておった。ラストも違う…。なぜ、余計な事をしたがるのか不思議。人間だもの?

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宮藤官九郎さんも樹原役で出演。裏方の相談もお願いすれば良かったのにねぇ。

宮迫博之さんを死刑囚としてキャスティングするも、そっちの役じゃない…と、色々もったいない映画なのだ。

死刑囚つながりで思い出したけど「藁の楯」は良き映画だった。キャスティングもバッチリ!  

両方に山崎努さん出演。「藁の楯」での山崎さんの迫力や重厚感は素晴らしかった。

南郷役はもう少しだけ若く、軽やかな俳優さんで良かったのでは?

小説「13階段」の余韻がありすぎて、映画でも浸りたかっただけ。なのに、映画に勝手にイラついた私も、負の感情スイッチをバリバリ持っている…。

<↓からネタバレ含むので閲覧注意>

「13階段」は、誰に感情移入するか、誰の罪はスルーできるか、誰を一番殺したいか。自分の殺る気スイッチの偏りに少し気づく。

やる気スイッチ、君のはどこにあるんだろ~♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜他力本願コマーシャルには感情移入できなかったけど、殺る気スイッチと思えば共感できた。

私的には南郷の殺人は全て罪じゃない。ただ殺されたホテルのオーナー安藤にも同情してしまう…。安藤が殺した保護司には「ざまあ\(^o^)/」のみ。

保護司という立場を利用して、人の弱みにつけ込んで大金を巻き上げるなんざ、脳味噌がでるほど殴打されても文句は言えない。そんな残虐行為を肯定してしまう自分の心に少し引く。

「偽善」と「卑怯な事をして獲た大金」が私の殺る気スイッチを刺激してしまうのだろう。

だから…、佐村の父親に生理的嫌悪感。「オレの息子を殺しやがって!」と三上を罠に嵌めるけど、最低なレ〇プをした息子なわけで。

息子の過去を知らなかったとしても、息子(最大級のクズ)の生命の代償7000万円か…。

息子を愛してる以上に、「オ レ の  息子」って自己愛を感じてしまう。息子の教育をしてこなかった自分を棚に上げて。

レ〇プで心を壊された友里は、他人ではなく自分に殺意を向けて自殺未遂。

正義の正解って難しい。もはや無いのでは?

実は元殺人者(もう罪を償って社会復帰済)と知り合ったことがある。

「殺した相手の顔は忘れられない」ってポツリと言っていたなぁ。

殺る気スイッチを抑えないと、とんでもない結末が待っている。

三上が復讐を果しても、友里は救われなかったし、家族に多大な影響を及ぼした。

モラル関係ないサイコパスな意見だけど、殺人を犯すメリットよりデメリットのが大きいので、殺人はしない。

そもそも「肉体的な死」より「社会的制裁を受けても生き続ける」ほうが苦しいと思うタイプなのだ。

相手も自分も、いつか必ず死ねるんだから、それまでちまちま頑張って生きてこ╰( ^o^)╮って、マイセルフで自分を労わっていこう。

最後にモラルない意見をもう一つ。死刑を執行する刑務官のストレス軽減の為にも、金策にもなる提案を。

死刑のスイッチを被害者遺族(希望した場合)と押したい人にさせればいい。

偏った正義感のある金持ちや興味がある人は、死刑のスイッチを押す権利を大金を払ってでも買いたいと思う。需要と供給。

カッとしたり、憎い奴もいるけれど、無事に犯罪に手を出さない私たちは偉い。

そのご褒美に、可愛いペットを撫でながらアイス(13階段にも書かれているし、ホリエモンも言っていたなぁ。甘みは刑務所で貴重!)を食べている。

ラストは好みじゃないのに好きな小説ベストテンに入るほど「13階段」は良い1冊でした。

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