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「BRAIN 一流の頭脳」のメモとうつの記憶 

心が苦しいとき。
どうしようもない不安感や辛かった記憶、過去のモヤモヤした感情が心を埋め尽くす。
いつもなら思い出しもしない過去は、見計らったかのように襲ってくるのだ。

楽しい、苦しい。どちらも何も感じない
心がショートしてしまったようだ。
部屋にいても仕方がない。気晴らしに近くの田んぼにでも行こうか。

刻々と色が変化していく夕焼け。
言葉では言い表せない心に染みる感覚がある。
こんな日々が続き、1時間ほど散歩することも珍しくなく、完全に太陽が沈んだ星空をただ眺めていました。

今考えると、この散歩が自分を繋いでくれたのだと思います。

スウェーデンの精神科医、アンダース・ハンセンが書いた「BRAIN 一流の頭脳」を読みました。
精神科医の方なので、医学用語が多いです。専門用語をなるべく使わず、嚙み砕いてポイントをメモしていきます。

要点

ストレスの影響

長期間のストレスは脳に悪影響を及ぼし、それにより以下の影響がでる。

  • 理性が働きにくくなり、不必要に悲観的、または攻撃的になるなど感情的になる。

  • 短期記憶力、長期記憶力の低下。

  • 判断力、想像力、思考力、応用力の低下。

  • ストレスホルモンを抑えるはずの機能も攻撃され、いつまでも抑えられないため、精神が不安定な状況が続く。

運動のストレスへの効果

ウォーキング軽いランニングを週2回、30分ほど行うことで・・・

  • ストレスに対する抵抗力をつけ、日常のストレスを感じにくくなる。

  • 脳神経の栄養剤、BDNFが増え、脳のダメージが回復する。

  • ストレスでダメージを受けていた、記憶力、判断力、想像力、幸福感を感じる力を回復させる。

  • 向精神薬に匹敵する効果がある。(3か月ほどの運動の継続が必要。)

うつ以外への運動の効果

  • 脳の発達の関係で集中力が続かない子供も、運動することにより集中することができる。

  • 大人も集中力が上がり、ADHDにも効果がある。

  • BDNFが増える影響で、脳神経が新しく生まれ、脳の老化を遅らせる。

  • 運動から1日以上たつことで、記憶力向上。

  • 創造力が向上。村上春樹さんなどの習慣にもマラソンがあり、スティーブ・ジョブズも社員に推奨している。

全体の感想

本書は要点がまとめられていて、わかりやすかったです。早歩きでもいいとのことなので、ハードルが低くてうれしい。

知り合いにADHDと躁鬱でメンタルクリニックに通っている人がいるのですが、Drから「少し遠くのスーパーに行ってください。なるべく歩いて」と言われたと聞いて、この本の言葉を思い出しました。
気分が落ち込んだ時ほど、散歩はいいですよ。個人的にもおすすめです。

精神科医、樺沢紫苑さんの著書「神・時間術」には、集中力が切れてきたら階段の上り下りや散歩が推奨。
試験勉強中にもよく合間に散歩をしていたので、効果を実感しています。

推奨されている運動のやり方

早歩き、軽いランニング、サイクリングの有酸素運動が推奨されています。
以下がポイントです。

・週2~3回、20分から40分ぐらいの運動
・すこし心拍数が高いほうが効果がある。
・運動のやりすぎは逆効果で記憶力が下がる。
・筋トレと一緒に行うと効果的。

フルマラソンなどは身体への負担が大きいので、脳への影響という観点からすれば、程々がいいようですね。
うつ病への効果は3か月ぐらいで現れてくるそうです。
ストレス環境にいた時間が長いほど、脳のダメージが蓄積されているので、効果を感じるまでの時間がかかります。

脳の働きと影響のメモ

ここからはメモ用に。

理性と感情

私たちの頭には大まかに”理性”と”感情”がある。(前頭前皮質と扁桃体)

扁桃体
人の笑顔や、蛇・事件などの恐怖体験に反応する部位。
この反応ではまだ「うれしい」「楽しい」「怒り」「悲しい」などに感情が分かれておらず、人が生きる上で欠かせない、快か不快かが瞬間的に湧き上がる感情だけ。
”快”には幸せホルモン(セロトニン)を分泌し、”不快”にはストレスホルモン(コルチゾール)を分泌。
ストレスホルモンが多いと、前頭前皮質を攻撃し、パニック状態や緊張して何も考えられない状態を引き起こす。
扁桃体のストレスへの反応は生命維持のために必要で、心拍数をあげ、血管を収縮させ、危険の回避や出血への備えを行うためのもの。

前頭前皮質
怒りや欲を抑え社会的な行動をする、物事を判断する、創造する、集中するなど人間らしい知能を持つ部位。
扁桃体のストレスホルモンの過剰な分泌を抑え、危機的な状況に対して適切に対処することができる。

海馬
短期記憶を保管する場所。
・伝えられた電話番号をしばらく覚えている。
・学校で習ったばかりの単語などを数日覚えている。など
ここにある記憶を何度も使うと、長期記憶保管場所に移される。

前頭前皮質同様、扁桃体のストレスホルモン分泌を抑え、ストレスホルモンによるダメージを受ける。

長い間ストレスを抱えると・・

ストレスホルモンを抑える理性(前頭前皮質、海馬)が攻撃を受け、働きが弱くなり、ちょっとしたストレスにも抵抗できなくなっていく。

少し冷静に考えれば、
・他にも選択肢があるから大丈夫!
・こうしたほうがきっと上手くいく。
・こっちは危ないから回避しよう!と思えるはずが、できず悪循環に陥ってしまう。

チョコレートやアロマ

ここからは本と関係なく、個人の知識。記憶を繋げておこう~。
BDNFは様々な精神疾患や認知症など、非常に広範囲の疾患に関係があることが研究で判明しており、年々様々な研究がされています。

その中で、高濃度チョコレートやリラックス効果のあるアロマオイルはBDNFを増やす効果が認められています。
高濃度チョコレートはポリフェノールによる抗酸化作用もあるので、運動前がおすすめされている食べ物。
ビターチョコレートは好きなので相乗効果で試したい。

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