何歳になっても

「人は何歳になっても学べるし、チャレンジできるのよ」

当時はピンとこなかったが、

何となく私の心の片隅に残り続けた言葉である。

これを言ったのは高校の担任だった。

彼女はとにかくパワフルだった。

当時で50代後半だったと思うが、パワフルでそして熱い人だった。

今思うと生徒に寄り添うそんな人だったとも思う。

私は昔から絵本を読むのが好きだった。ただそれだけの漠然とした理由で

「絵本作家になりたい」と言ったことがある。

当然、周りの反応は「そんなのになれるわけがない」だったが、

彼女だけは「いいじゃない!あなたらしいわね!」とあっさり言った。

肯定される事に慣れていない私を何とも不思議な感覚にさせた。

彼女はとにかく肯定してくれる人だった。

そして言った事を体現した人でもあった。

突然、私たちの担任を最後に教師を辞めて

単身ロシアに行くのだと言い出した。

言葉も何もわからないが、とにかくロシアが呼んでいる。

新しいことにチャレンジをしたい、だから移住を決めたと…。

それを聞いて何故か「ルーツに帰るんだな」と感じたので、

卒業式の日に「ルーツに戻ることにしたんですね」と言ったら

ニヤリと笑って「やはりあなたの感覚は面白いわね」と言われた。

彼女とはそれっきりになったが、チャレンジすることの大切さを

実際に見せてくれた。

そして今、私は年と共に様々ことを学びたいと思うようになり、

少しずつチャレンジをしている。

彼女とはもう少し話しておけばよかったと思っている。

もし会えるとしたら、お礼と共に伝えたい。

年齢を重ねても学びたいと思えるようになりました。

チャレンジは自分を豊かにし、自身を知る事に繋がり、

楽しいですね。と…

今回の短歌

恩師から 学んだことの 深きこと

年を重ねて 身に染みていく  







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