精神療法、神経症に詳しい森田療法

【森田療法Q&A】

Q8.森田療法で神経症は完全になくなりますか?それとも症状が軽くなるだけなのでしょうか?

A.とても率直な質問ですが、同時にその問い自体が神経症的とも言えます。というのは、不安や悩みを完全になくしたいと考えるところから症状に対する”とらわれ”が生じると理解されるからです。
不安や悩みは“よりよく生きたい”という健康な欲求があるからこそ生じるものであり、コインの表と裏のような関係にあります。その自然な感情である不安や悩みのみを完全に排除しようとする、いわば不可能な試みが不安へのとらわれを強め、逆に不安を増大させていくわけです。
森田療法では、こうした不安や症状に対する誤った態度を是正することを目標とします。したがって、神経症の症状を完全になくすことが「治る」ことだと期待している限り、症状から自由になることはできないのです。
そう言われると、結局森田療法を行っても神経症は治らないのか・・・・・・と考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。当然、森田療法は神経症を治す治療です。しかし、治すという意味が異なるのです。まずは症状と付き合いながらそこでできる行動を探っていくことです。そうした姿勢から、たとえ症状があったとしてもできることがあるという事実や、不安と付き合うことで逆に不安が変化(軽減)する事実を体験するでしょう。そうして不安や症状と上手に付き合う姿勢を森田療法によって身につけたとき、逆に生活を縛っていた症状から解放されていくのです。したがって、治療の当初は、症状が軽くなっただけと思うかもしれませんが、そこを通過することが神経症からの脱却に必要なのです。

『新時代の森田療法』(慈恵医大森田療法センター編 白揚社 2007年)より抜粋

■森田療法とは?


【森田療法を学びたい】

精神療法である森田療法は、森田正馬(もりたまさたけ・しょうま)によって約100年前に創始されて以来、不安症などの神経質症状に苦しむ多数の人々を完治させてきた実績があります。

森田の頃は入院が主流でしたが、現在は殆ど外来で行われています。
また、近年では、不安症だけでなくうつの回復期、がんのターミナルケア、発達障害などに対しても応用され、じつは海外からも注目されており、そのノウハウを習得したいという声が多数挙がっています。

メンタルヘルス従事者からは、「森田療法は応用が利くので、さまざまな場面で使える」、「森田療法を知って、自分自身がクライアントを『治さなければならない』という考えにとらわれることが無くなった」といった声が挙がっています。

そんな森田療法をぜひ一度、学んでみませんか?(Zoom参加の可否については、各会HPよりご確認ください。)

【森田療法を学べる専門家向けの学会・研究会】

1.日本森田療法学会 https://www.jps-morita.jp/index.html
2.北海道森田療法セミナー https://sites.google.com/view/hokkaidomorita/
3.東京森田療法セミナー https://www.jps-morita.jp/education_tokyo.html
4.関西森田療法セミナー https://www.jps-morita.jp/education_osaka.html
5.関西森田療法研究会 https://www.kanmoriken.org/
6.九州地区森田療法セミナー https://www.jps-morita.jp/online_kyushu.html


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