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夫婦の複雑さといろんなタイミング



ある日を境に私の景色が一変した。
ありとらゆることやもの、みーんな。ぜーんぶ。
日々の細かい生活ルーティンにすら感謝した。



当たり前がこんなに尊いなんて。


窓を開けたときのしーんとした朝の澄んだ空気。
子どもたちとの何気ない会話と朝のドタバタ。
次女との朝の校門までの登校。
長女の部活の朝練へのお見送り。
みんなでご飯を食べることとか。
家族みんなでマリオカートすることとか。
小さな日常全部だ。


端的に言うと、夏前に急に夫が入院したことがきっかけだったのだけど。

ちょっと覚悟が必要なことだった。(この先どうなるんだろうという不安で)

しばらくはICUに入るので連絡もとれません。
最後に話したいことはありますか。

と看護師さんに言われてぎょっとした。
いっぱいあるけど、状況が飲み込めず何を話してよいやら。


急に今までとは何もかも変わってしまうんだということもその時知った。
こんなに早くこんなふうになるなんて想像もしていなかった。もっと20年くらい先のことだろうとたかをくくっていたのだ。


毎晩毎晩願った。あんなに願ったことがあるだろうかというくらい願った。(ちょっと前までの数年間の夫婦冷戦はどこへ行ったのか。)
コロナで面会が一切できなかったけど、入院中毎日車で病院まで行った。届け物が無い日でも行った。駐車場に着いたらどの病棟に居るかもわからない夫を想いながら、LINEした。(幸いICUからすぐ出ることができたので一般病棟になるとスマホが使えた。)

今駐車場に着いたよ〜
じゃあ、帰るね〜
また明日来るよ〜



なぜか、こういうときの自分はいつもと違う自分が出てくる。いつもはふにゃふにゃダメダメな自分なのだけど、ピンチの時は妙にしっかりするのだ。
人生の中で前にも何度かこういうことに遭遇したことがある。そしてまたあの自分が出てきた。久しぶり、あのときの自分。そう思った。

泣いてる場合じゃない、とにかく子供たちと日々の生活をこなさなければならない。できるだけいつも通り生活をして過ごそう。そう決めたのだった。
そう決めるとメキメキと動ける。
あの時アレはどうやって切り抜けたんだっけ。振り返ると自分がどうやって動いたのか覚えていないほど必死だったりするのだ。

ただ、毎日毎日、いろんなところで彼の残像をみる。
あれ。なんで隣にいないんだろう。
あれ。ここでも。
ここでも。。
食べるの好きな夫はスーパーにもよくついてくるので、いつも行く近所のスーパーでもよく残像をみた。

困ったことにわたしのなかは今も昔も変わらず彼でいっぱいだったのだ。(好きとかそういうことではないが。笑 これが愛なのだろうか。。)こんなことに今気づくなんて。驚いた。
だって、もう22年くらい一緒にいるし。
いろんなことがわからなくなってくるんだよ。
鈍くなってくるの。
冷戦してるときは、憎しみさえ湧いてきたし、マジでコイツ無理。って思ってたし。同じ空気吸うのも正直苦痛だった。3年くらいの長ーい冷戦。


幸いにも、半年に一回の検査で大丈夫になり、手術もせず一週間ほどで退院になった。こんなに早く退院できるなんて夢にも思わなかった。


夫は今は普通に前のように生活できている。


普通に生活できることがどんなにありがたいかを身に沁みて感じる。
あたりまえじゃないんだ。
全部が。


これは神様からの何かのメッセージだろうか?

日々をおざなりに過ごすのではないよ。

警告だったのだろうか。





そして、好きではない。笑 けど愛ってなんだ。と愛について、考えていたときに、

山田詠美さんの小説でA2Zというのがあるんだけど、2023年に深キョンで民放ではないけどドラマ化されるということでたまたま読み直した。

三十代の子どもなしバリバリ共働き夫婦が二人とも不倫に陥っていく様を丁寧に描くお話で。
なんというか、それによって浮かび上がってくる夫婦の複雑さだったりをこれまた丁寧に描いているのだ。(一浩が田中圭ではないような気がする。。)



演技する必要のない密室の中で大人たちは、いつだって、子供に戻る。

A2Z/山田詠美


その密室を用意してくれる人間が側にいるかどうかだ。

A2Z/山田詠美

お互いのみっともない姿を愛おしがれるか。なんだそうで。(さすがにもう愛おしがれるかっていうとそうでもないけど。笑)


つまり何がいいたいかっていうと。
愛とはなんぞやとか。夫婦とはなんぞやとか。パートナーとはなんぞや。ってなってくると。
言葉で表現するのはとても難しいことなのだけど。


つまり↑こういうことなんだなって。(目からウロコシリーズ。?)


たしかに二人の中の密室ってあるなあ。って。
それがけっこう居心地いいんだよなあ。って。

きっと冷戦を経て、着地したところがまさにここなのだと。思ったのです。
これがあるから、決着はつけられないんだ。
夫婦間の複雑さは全然説明ができないことで。山田詠美さんが代弁してくださった。

なんだかちょうどよく
タイミングがばっちり合ってしまった。いろんなタイミングが。


ま、ま。
こういうことはわりと日常起こるので、そんなにすごいことじゃないけど。
タイミングって合うときはばっちり合っちゃうんだよなあ。。




*****


と。ここまで↑書き上げたのは昨日の夕方で。
この文章自体は数ヶ月下書きしながらゆっくりと書いたのだけど。
最後の方はこどもたちのスイミング中ギャラリーで見学しながら書き上げた。
そして、また保存していた。


ら。


いつもほぼ毎日読んでいるさめじまみおさんと内容がなんとなーく一緒になっていて、これまたタイミングがこっちでも合ってしまった。という落ち。驚

でも、みおさんのnote見ながら、実はけっこうな確率でみおさんの実生活のできごとや想いだったりがリンクすることが多いので(一人でみおさんのnote見ながら鳥肌みのるになることもある)、今回のことも不思議じゃないよなって。
最後の最後でまたいろんなタイミングが合ってしまった嬉しさ。ていうか、ただのファン。笑








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