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グラナダ観光おすすめ 1-2 アルハンブラの歩き方(ナサリ宮殿編)

グラナダを去ってから1ヶ月ちょっと。この記事は5月にグラナダ大学でアルハンブラの授業を受けたときに書いていたのですが、アルハンブラ散歩動画を一緒に作ろうと思って先延ばしにして今にいたります。でももう時間も経ってしまったので、動画はまだできていないですが、記事だけ投稿しちゃいます!

追記:無事動画を作成しました!ヴァーチャル散歩をお楽しみください♪

アルハンブラの授業、というのは、私がとっていたグラナダ大学のアラブ文化とアルアンダルースというマスターコースにある選択科目の一つで、1週間の授業だったのですが、その名前の通り3日間の座学と3人の教授による1日4時間のアルハンブラガイド×3日、と言うなんとも贅沢な授業でした。3人の教授はそれぞれ、アルハンブラのナサリ宮殿、アルカサル(城塞)、アルハンブラの庭(及び水路)がそれぞれ専門で、芸術面から城塞としての防衛的な機能まで様々な側面を聞くことができました。教授のうちの一人は、父親もアルハンブラの研究者だった関係でなんと文字通りアルハンブラで産まれ(!)、今は本人が第一人者として研究されている方でした。

とはいえ、1週間の授業でかじったほんの少しの知識では到底足りないくらい見どころ満載のアルハンブラだったので、写真とともに特に私が素敵だなあと思った見所をいくつか紹介したいと思います。この記事ではアルハンブラの中でもメインパート、ナサリ宮殿について書きました。ヘネラリフェ庭園とアルカサバについては下記の別記事で書いたので気になる方は見ていただけたら嬉しいです。

宮殿の周り方やそれぞれの場所の名称や歴史などは地球の歩き方やるるぶなどに山ほど情報がありますので、ここでは特に私が美しいなあと思ったアルハンブラ、ナサリ宮殿の魅力を3つ書きたいと思います!

ナサリ宮殿の見所① 借景の美しさ

ナサリ宮殿の建築それ自体はもちろん圧倒的な美しさなのですが、背景に見えるアルバイシンやシエラネバダ山脈などのグラナダの景色が宮殿をより美しく引き立てているところがとても好きです。天気が良い日は特に、窓の奥に広がる青空、白壁の家々、そして奥に控える山脈を望むことができます。全く建築に詳しくないのですが、ナサリ宮殿の美しい借景を生かした建築を見て、なんとなく日本のお寺、景色が懐かしくなりました。紅葉の京都のお寺などで、襖が額縁のように美しい紅葉模様を切り取る風情と共通する美しさがあるように思います。普段は観光客が多くてなかなかゆっくりできないのですが、コロナ渦で人が全くいなかったこともあり、美しい窓からぼーっと外の景色を眺める時間は至福でした。

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ナサリ宮殿の見所② 光と影のコントラスト

アルハンブラ、ナサリ宮殿の好きなところの2つ目は光の使い方です。ライオンの庭を囲むように宮殿が建っておりそれぞれのお部屋から庭を覗く時、中庭、ライオンのある噴水に光が当たり、それを囲む無数の柱が影を作り中庭の美しさを引き立てています。また、その下に貼った大使の部屋では模様の入った窓が光を取り込み、写真ではなかなか伝わらないのですが、美しい天井に彩られた部屋を光で彩っています。この光と影のコントラストが、華やかなイスラム建築を単に華美な印象で終わらせず、どこか引き算的な奥深い美しさを与えているように感じました。

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ナサリ宮殿の見所③ アラビックカリグラフィーの芸術性

これは授業を受ける前にアルハンブラに行った際には、ただ綺麗な壁だな〜と思っていたのですが、授業でこの壁に彫られているのがアラビア語の飾り文字であることを知り感動しました。実際授業でもカリグラフィーの授業をとったのですが、日本語の習字とはまた違った、さらに自由な絵としてのアラビックカリグラフィーの美しさに魅了されます。アラビア語がわからない私はどれがどれなのかは言われても、なるほど。。という感じだったのですが、コーランの一節であったり、アルハンブラの美しさを讃える詩がかかれていており、アルハンブラという建物それ自体が一つの歴史的書物としての意味を持っているということはとても興味深いなあと思いました。

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グラナダに1年間住み、アルハンブラを何度も訪れましたし、展望台に通ってアルハンブラを背景に夕日が沈むのを毎日毎日眺めることができたのは人生の本当に贅沢な時間でした。何度見ても新しい発見と、飽きない美しさがあります。まだまだお伝えしたいことがたくさんあるのですが。。観光客がいないアルハンブラでたくさん動画を撮ることができたので、時間のできた時にムービーにしてご紹介できたらいいな、と思っています。そしていつの日かまたスペインに戻ってきたときに、きっと全く変わっていないアルハンブラを眺めることができることを楽しみにしています。

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記事を読んでいただきありがとうございます!日々の中で感じたこと、考えたことをつらつらと書きとめていきたいと思います。