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2021年 コモレビー賞 映画編

とてもダサいタイトルになりました。訳しますと、個人的アカデミー賞です。
もう2022年も折り返しですが、ここで2021年の映画を振り返りたいと思います。全て主観に過ぎません。温かい目で見てください。
これを定期コンテンツに仕上げていきたいです。対象は2021年に公開された映画です。

①受賞一覧

🎖作品賞

1.花束みたいな恋をした
これはキャストやスタッフ、世界観など全て私好みの奇跡の映画です。DVDもシナリオ本もサントラ本も買いました。今でもよくこの映画の名前をリアルタイム検索にかけて、感想を眺めています。(Twitterやっていないので)
この作品に出会えただけで生きていてよかったと思えます。みんなに見てほしいです。

2.すばらしき世界
この作品にすごく圧倒されたのを覚えています。ヤクザと家族から続けて同じ日に観て、ヤクザという人間の奥深さをこちらで感じました。あの大きな画面で見れたことはすごく光栄です。
社会についてすごく考えさせられました。育ってきた環境とか正義に正解はあるのかとか色々考えさせられます。

3.まともじゃないのは君も一緒
最高の会話劇。普通に向き合う2人が愛おしい。
普通とかないから、自分らしさを出せる人を大切にしようと思える作品。

4.空白
すごく重たくて心がぐしゃぐしゃにされる作品。でも最後にはどこか報われた気さえしてしまう作品。これは見て損はないと思います。
この映画の上映後、隣の人に「重かったですね〜」って声をかけられるという稀有な体験をした思い出の作品。その補正もあってFilmarkでは少し高めに記録している。

5.サマーフィルムにのって
ずっとワクワクな気持ちで見れる作品。高校生が映画制作っていうありがちなテーマだけど、登場人物たちは愛を持って周りの人と映画と向き合っていたのが特異性をもって輝いている。松本壮史監督の世界観は結構好きだと気付かされた2021年夏だった。

🎖主演男優賞

1.役所広司 / すばらしき世界
役所広司さんって本当に素晴らしすぎる俳優さんなんだと思い知らされた。それはこの映画を観た人が全員改めて感じるところ。
放たれるエネルギーと世界への染まり具合を役を通して体現してらっしゃった。正直日本アカデミー賞で選ばれるのは彼だったでしょと思ってみていた。

2.古田新太 / 空白 
彼もまた素晴らしかった。普段は地に足の付いてないような役が多いイメージだったけど、この作品はおでこが床についてしまうくらい作品の中を生きる人だった。本当によかった。拍手。

🎖主演女優賞

1.門脇麦 / あのこは貴族
単純によかった。ナチュラルだった。

2.伊藤万理華 / サマーフィルムにのって
2021年大躍進した女優さんだと思う。彼女と一緒にワクワクした。これからも彼女の作品を観るのが楽しみ。

🎖助演男優賞

1.鈴木亮平 /孤狼の血 LEVEL2
もうこれは誰も文句なしの一位です。彼のの佇まいから何から何まで本当に全て怖いのです。恐ろしいカメレオンだと知らされました。日本アカデミー賞で彼がこの賞を取らなかったら日本は狂ってるとでも言ってやろうかと思っていましたが、流石にこの賞は彼が取りました。安心しました。

2.fukase / キャラクター
彼もまたすごい俳優さんでした。殺人鬼経験者かなと思うくらいに。彼をキャスティングした人もすごいし、最初の映画でこれだけの技量を見せつけてくる彼もすごい。すごいという言葉しか出てきません。

🎖助演女優賞

1.寺島しのぶ / 空白
彼女の役柄は映画の中で唯一報われない役だったと記憶しています。やはり世の中には変わることなく生きていくしかない者もいるのでしょうか。こういう人物はどこかしらにいるイメージ。そんな人を見事に体現していました。もう見ていてイライラするし、かわいそうだし、心が苦しくなります。忘れられないインパクトがありました。

2.三浦透子 / ドライブ・マイ・カー
三浦透子演じる渡利みさきは、この映画でしか見られない顔だった印象です。まだ彼女の作品を多く見たことがないので、これから楽しみです。

🎖監督賞

映画技術に関しては詳しくないので、評価もなにもって感じですが、監督として印象に残った方をあげてみました。
1.白石和彌 / 孤狼の血 LEVEL2
2.西川美和 / すばらしき世界
3.松本壮史 / サマーフィルムにのって

🎖脚本賞

坂元裕二 / 花束みたいな恋をした
私の大好きな脚本家さんです。

🎖音楽賞

大友良英 / 花束みたいな恋をした
このサントラは去年の私の精神をたくさん支えてくれました。おかげでApple Musicの2021年聞いた曲ランキングベスト25のうち23曲がこの映画のサントラでした。

②映画館で観た映画 15作品(鑑賞順)

⚫︎花束みたいな恋をした(3回)
⚫︎ヤクザと家族 The Family
⚫︎すばらしき世界
⚫︎あのこは貴族
⚫︎まともじゃないのは君も一緒
⚫︎街の上で
⚫︎キャラクター
⚫︎サマーフィルムにのって
⚫︎東京リベンジャーズ
⚫︎ドライブマイカー
⚫︎マスカレード・ナイト
⚫︎空白
⚫︎孤狼の血 LEVEL2
⚫︎そして、バトンは渡された
⚫︎偶然と想像

③見逃した、これから見たい映画

⚫︎由宇子の天秤
⚫︎あの頃。
⚫︎草の響き
⚫︎BLUE/ブルー
⚫︎子供はわかってあげない
⚫︎猿楽町で会いましょう
⚫︎彼女が好きなものは
⚫︎ベイビーわるきゅーれ
⚫︎茜色に焼かれる
⚫︎いとみち
⚫︎先生、私の隣に座っていただけませんか?
⚫︎くれなずめ
⚫︎ひらいて
⚫︎かば

④ドライブ・マイ・カーについて

私はこの作品を世間ほどあまり好んでいない。というより、私にはとても難しい物語だった。ドライブ・マイ・カーよりも偶然と想像の方が私好みだった。世界でとても評価されていること、日本の映画賞でも総なめだったことには少し驚いてしまった。これが日本映画の代表作と世界で認識されるのは少し違うように感じた。この作品は世界水準に持っていった作風であると感じているからだ。出来ることなら日本国内では、すばらしき世界などを評価してほしかった。2021年は豊作祭りな故、映画賞の結果を見るのがつまらなかった。

だけど観たことに後悔は全くない。とてもいい映画だった。そんな私がFillmarksに残した感想を載せておく。

私にはまだ村上春樹は早かったのかもしれない。でも観て良かったと思ってる。

自分を見つめることで、正直でいることで、しっかりと物事と向き合うことができるといったことを映画では言っていた。
家福さんは最後そこにたどり着けた。
でもタカツキさんは最初からその考えのもと生きていた。周りから非難されることであっても自分に正直に生きていた。自分の罪を理解していた。世の中のみんなが高槻のような生き方をしていたら、どんな世界になるのだろうか。

実際の生活では、本読みのような稽古はできない。本読みを重ねた上で成立する芝居が日常では正解とされないことの方が多い。
正直になって自分が楽になるか、自分から自分を避けて世の中をそれとなく生きるか、人間は選択しなければならないのだろうか。

ただこの作品は死者との向き合い方は丁寧に提示してくれていた。演劇を通して見せてくれていた。あの世の世界は、あの世に行った者しかわからない。でもあの世に行く人は"理想のあの世"という世界観を持っていく。きっと、あの世では最初から何事にも素直でいようという心持ちの人が大勢だ。だから、ときには自分と向き合わないという選択肢を選ぶことも現実世界では必要なのではないか。
あの世は、素直な人だらけできっと残酷だ。この世とあの世をつなぐ想いでできた世界が一番美しい世界なのかもしれない、と初めて思った。
私のFilmarksより

これは帰りの電車の中でバーっと書いたものである。今回の記事よりもかけた時間は圧倒的に少ない。そんな短時間でこれだけの言葉を溢れさせるドライブ・マイ・カーは本当にすごい映画なのかもしれない。
私も早くこの映画を絶賛できる人になりたい。

⑤2021年の映画

私の感覚としては、こんなに映画を楽しむことができたのは2017年以来である。常に観たい作品がたくさんあって、観て後悔した作品はひとつもなく、すごく楽しい一年だった。意識はしていなかったが、この年は全部邦画であった。私は日本映画が好きだと再確認した。
今年はまだ5作品しか見れていないのだ。でも大事なのは観た量ではない。大事なのはひとつひとつを楽しむ心。これからも自分のペースで映画を楽しみたいと考えている。
この記事には載せていない過去の年の映画にも2021年を彩ってもらった。映画は私の人生を豊かにしている。感謝。

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