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ライトグリーン2024の展望と考察

どうもコマさんです。
今日も元気に(というほど更新してはいませんが笑)大東文化大学の2024年の展望と考察をしていきます(展望考察マシ愛マシマシニンニクマシカラメです)


各学年ごとに雑感

新4年生

入学当初は「スカウト不作の代」「谷間の世代」と言われ続けた新4年生ですが、この3年弱でしっかりとチームの中心になってくれました。下級生時から駅伝を経験してきたピーター・ワンジル選手(仙台育英高出身)、大谷章紘選手(水城高出身)、西代雄豪選手(桶川高出身)に加え、今季は西川千青選手(九国大附高出身)、小田恭平選手(水戸葵陵高出身)、佐々木真人選手(大東大一高出身)が台頭。特に西川選手はトラックシーズンからエース級の活躍を見せ、10000mでは当時の大学記録(28.25.33)を樹立しました。大谷選手はより高いレベルでの安定感を発揮するようになり駅伝で欠かせないピースとして成長、西代選手も準エース級と言っても過言ではないほどの力をつけています。

そして最も明るい話題は、この世代から6人が箱根駅伝に出走したことです。ワンジル選手は8区区間23位、西代選手は4区区間18位と本来の力を発揮できなかったものの、大谷選手は前回も走った9区で区間9位と前進、西川選手も1区で転倒のアクシデントがあった中でトップと55秒差の区間13位と役目を果たしています。その中でいずれも初出場の小田選手の7区区間6位、佐々木選手の10区区間7位は見事な成績です! 2023年は各選手が大幅に経験値を上げましたので、それがそのままチームに還元される現状はファンとして嬉しい限りです。

そしてこの学年から新主将に西代選手が選ばれました。Xで既にポストしていますが、15.38という高校時代の5000mベストから地道な努力を重ね今や主力となった西代選手。大東らしい泥臭さとチーム愛を持ち合わせるだけでなく、強くなっていく過程を経て一人一人の部員をフラットな目線で見ることができる西代選手には適役かと思います。谷口辰熙選手(比叡山高出身・現NTN)や前キャプテンの松村晴生選手(水城高出身)とは違うキャプテン像を作り上げてチームをまとめてくれると期待しています。

後はこの学年、私が見る限りではかなり個性派揃いで競技外でも各々の色を楽しめると思うのでお伝えしておきます。チャラ男(西川選手)、おまえら&おひさま(小田選手)、声優の鷹村彩花推し(西代選手)とこれだけのメンツがいればそりゃあ…ね笑 受信力と発信力の強い選手が揃っていますのでそんな選手たちの大学ラストイヤーに大いに注目していきたいですね。

新3年生

この世代は昨シーズンがスタートした時点では全日本・箱根と主要大会を経験した入濱輝大選手(瓊浦高出身)の孤軍奮闘が目立っていました。全日本では4区9位とシード権獲得に貢献すると、12月の日体大記録会で10000m28.13.80(チーム歴代2位)の好記録。箱根にも2年連続で3区に出走するなどチームの柱にまで昇り詰めました。

ただ、今季は夏合宿後から他選手の奮起と成長が見られました。照井海翔選手(一関学院高出身)、赤星龍舞選手(埼玉栄高出身)、松本雄大選手(草津東高出身)は箱根エントリー入りを果たすまでになりました。特に赤星選手の成長が著しく、10月から11月にかけて5000m・10000m・ハーフのすべてで自己ベストを更新し続けています。照井選手、松本選手・戸田優馬選手(学法石川高出身)も10000m29分台をマークしています。

これらの選手に続くネクストブレイク枠としては五十嵐優貴選手(酒田南高出身)や小野翔太郎選手(武蔵越生高出身)を挙げたいところですね。五十嵐選手は春先に5000mの自己ベストを更新し、私学対校では3000mSCにも出場している選手です。秋以降の試合出場がないのが気がかりですが、ベストならレギュラー組に見劣りすることのない力はあると思います。小野選手は前回の箱根では当時1年生ながらエントリー入りを果たし、10000mでも29.34.65の自己ベストをマークしています。力はありますのでまずは新年度からその時の勢いを見せてほしいと思います。

この代はインターハイ経験者がゼロで、全国高校駅伝で主要区間(1,3,4区)を経験したのも照井選手のみ(1年次3区、2年次4区)ですが、入濱選手をはじめ入学後にコツコツと積み上げて力を伸ばしてきた選手が多いことから古き良き大東の“泥臭さ”を思い起こさせます。大学生活も折り返しでここから真価が問われると思いますのでその伸びに大いに期待したと思います。

新2年生

真名子圭監督が就任して初めてスカウティングを受け入学した世代。各選手の出身高校を見ると、これまでの大東では顔馴染みのある高校(いわゆるパイプ)がなく新規開拓された感が見られました。特に学法石川高や北海道札幌高など北海道・東北地方出身者が多く、新たなパイプの構築がうかがえました。

その中から一気に伸びてきたのが棟方一楽選手(弘前実業高出身)でした。高校時代の5000mベストは14.45.64でルーキーの中で9番手にすぎない選手でしたが、5000m14.15.10、10000m28.43.69と主力級の自己ベストをマーク! 初ハーフとなった箱根予選会では1.03.44とルーキーとしては十分すぎる記録で本戦出場に貢献しました。残念ながら三大駅伝への出場はなりませんでしたが、今後が大いに期待できるルーキーイヤーでした。

棟方選手以外にも宮倉騎士選手(遊学館高出身)と藤原幹大選手(北海道札幌高出身)がともに箱根エントリー入り。庄司瑞輝選手(酒田南高出身)は関東インカレ(1部3000mSC)に出場するなど着実に力をつけてきたことを印象付けました。いずれも10000mで29分台を記録し、ハーフマラソンも経験していることから距離への対応もできつつあるのが頼もしいところ。

その他10000mで30.16.33と29分台目前の自己ベストを持つ和田麻里選手(宮崎日大高出身)、高校時代の5000mベストを1年で20秒以上(14.49.39→14.27.94)伸ばした小野寺颯太選手(花巻東高出身)など伸びしろが十分な選手が揃っています。この世代は13人中11人が高校時代の5000m自己ベストを既に更新しているんですよね。伸びしろを大切にしながら2年目も大いに力を伸ばしていってほしいと思います。

新入生

https://x.com/daitobunka__tf/status/1735570423323230399?s=46

12月半ばに公式アカウントより発表された今春入学予定の新入生。スポーツ推薦合格者の発表で後期試験の結果次第では追加の可能性もありますが、判明しているだけでも昨年度と遜色ない顔触れが揃っています。パイプに関しては新規開拓を試みながらも仙台育英高や大東大の地元埼玉県からの選手が多く入るなど基本に立ち返ったスカウトが実ったように見受けられます。

何といっても久々の13分台ランナー、大濱逞真選手(仙台育英高)の入学はビッグニュースでしょう。1年生の終わりまでは仙台育英高を指導していた真名子監督の教え子にあたりますが、これまでの仙台育英高からの新入生はどちらかというとレギュラークラスギリギリか惜しくもレギュラーに届かないレベル、よくてチーム3~4番手の選手がほとんどでした(仙台育英高のレベルの高さ故ですが) それがドラ1クラスの入学ですからチームにとってこれほど心強いことはないと思います。即戦力ではありますが、急がず焦らずに伸びていってほしいと思います。

年明けから各地での駅伝やロードレースで入学後を見据えて数人が大会で経験値を積んでいます。1/28に行われた奥むさし駅伝には鈴木青空選手(武蔵越生高)、中澤真大選手(埼玉栄高)、松浦輝仁選手(坂戸西高)が出場しました(下記リザルト)

https://www.city.hanno.lg.jp/material/files/group/50/22koukou.pdf

特に2区(5.5km)で区間賞を獲得した中澤選手の走りは圧巻でした。一般の部の畝歩夢選手(埼玉医科大G)、新山舜心選手(駿河台大)に対して一歩も引かない走りが目を引きました。16.16というタイムは一般の部でも区間2位に相当する好タイム。惜しくも全国高校駅伝には出走なりませんでしたが、県高校駅伝では3区(8.1075km)で区間賞を獲得しており、改めて駅伝力の高さを見せる快走でした。なおとある筋からの情報によると、スタッフの間では松浦選手の評価が非常に高いとのこと。県高校駅伝で同じく3区区間5位と好走しており、公立校出身ということもあって素材としてこれから磨かれていく感のある選手。その伸びしろに期待しかありません。

同日に行われた「晴れの国 岡山」駅伝には庄治大翔選手(岡山商大附高)が瀬戸内市代表として1区(6km)に出走し、18.12の区間2位と好走しました。トラックの5000mでは14.19.32という新入生では3番手のタイムを持っていますが、中国高校駅伝では1区(10km)を30.28というタイムで走っており、早い段階で長い距離にも対応できていることをうかがわせます。(以下駅伝リザルト)
競技別一覧表 (jaic.org)

三大駅伝への出走が確定した中で入学したルーキーの面々に今後大いに注目していきたいと思います。

ここから今季の注目選手を。

2024年の注目選手(学年は新学年で表記)

①ピーター・ワンジル選手(4年・仙台育英高)

「おいおい一人目からベタじゃねえか」と思った方はお口チャックをお願い致します← 「大東大初の留学生」として実業団(コモディイイダ)から入学したワンジル選手ですが、私たちはこの選手の底力をまだ目の当たりにしていないと思います。他大学のファンでもご存じの通り「あまりにも出来不出来が激しい」からです。2年次の箱根予選会(個人5位)で4年ぶりの本戦復帰に貢献、昨秋の上尾ハーフで大東記録を樹立、全日本6区区間2位でシード権獲得に貢献したかと思えば、3年次の箱根予選会では途中棄権、箱根本戦では2年連続区間最下位(2年次2区、3年次8区)と現在進行形でブレが大きいのが課題となっています。

ただ、私は「外国人留学生としてふさわしい結果を」だとか「日本人選手と比べて」だとか言うつもりは全くありません。私がワンジル選手に注目する理由、それは…

「ピーター・ワンジルとして納得のいくラストイヤーを送ってほしい」からです。

以前別の記事でも触れましたが、嘗ての恩師である真名子監督を今でも「先生」と敬愛を抱き、シャイながらもフォアザチームの精神でチームの心の柱になったワンジル選手。私はその生真面目さがワンジル選手が持っている実力を最大限発揮することを阻害しているような気がしてならないのです。
エースとしての期待やプレッシャーがかかればかかるほどそれに応えようとする実直な人柄は素晴らしいものですが、厳しい言い方をすると「いい子ちゃん」な部分が否めないと思います。

「納得のいくラストイヤー」とは随分漠然とした表現ですが、「留学生として、エースとして走る」のでもなく「チームのために走る」のでもなく「自分のためだけに走ってほしい」それだけをワンジル選手に求めます。

卒業後は陸上から離れ、母国ケニアで建設業に携わることを志望しています。「大東大に来てよかった、日本に来てよかった」と振り返られるよう完全燃焼して欲しいです。
そして「自分のために」走り続けて結果を残した先には間違いなく真名子先生やチームメイトの笑顔が待っています。それがラストイヤーのワンジル選手が最もチームに貢献できることだと信じています。

同じ構図で笑顔の師弟を見たい
※大学駅伝のトリセツさんよりお借りしました

②佐藤祥樹選手(3年・秋田工高出身)

2人目は佐藤選手です。高校時代は1500mを中心に走っており、東北大会に出場経験があります。全国高校駅伝の常連校である秋田工高では1,2年次は控えに甘んじますが、3年次に2区出走を果たし、区間5位(8.13)と好走しています。5000mでも14.16.86と同学年の中でも3番手の記録を引っさげて入学しています。

ルーキーイヤーでは中距離で培ったスピードが距離を伸ばしても活きました。5000mでは自己ベスト更新には至らなかったものの、10000mで29.52.03と29分台に突入! この好走がアピール材料となり、1年生ながら箱根エントリー入りを果たしています。

2年次は5000m・10000mともに自己ベスト更新がなく試合出場も少ないながらも、高校時代の主戦場であった1500mで3.58.86と3分台のベストを出し、3000mでも8.34.39と記録を伸ばしているので緩やかながらも確実に進歩が見えています。真名子監督就任後は練習量が増えただけでなくスピード練習も増えたとのことなので佐藤選手もその恩恵を受けたように見受けられます。

箱根エントリー入りは逃したものの、12月には練習の一環ながら小川和紙ハーフを1.13.40で走り復調気配をアピールしました。下地が固められていることはこのシーズンで明らかにしたのでまずは大学折り返しのシーズンで少しでも自己ベストを更新していってほしいものです。地道に力を磨いてくれば上級生になったときに花開くことは諸先輩が証明しています。目下の目標は高校時代から残っている5000mの自己ベスト更新でしょう。

③庄司瑞輝選手(2年・酒田南高出身)

3人目は庄司選手です。「新進気鋭」その言葉が一番似合う選手だと思っています。

同期の中で最も早く対校戦デビューを果たした選手。関東インカレで1部3000mSCに出走(1組13位 9.13.59)すると、夏合宿でチーム屈指の頑張りを見せます。厳しい夏を乗り越えると箱根駅伝予選会でエントリー入り。全日本は当日出走ならずもエントリー入りを果たしチーム屈指の実力の高さと潜在能力をアピールした形となりました。このことからもわかるように、サンショー限定の選手ではなく距離が伸びても活躍できることをアピールしました。
さらに10000mで29.39.97、そしてハーフでも1.04.03と長い距離での適正もうかがわせる存在へと成長しています。

庄司選手にはこの一年間お手本になる先輩がいました。それは佐竹勇樹選手(比叡山高出身。今春からトーエネックに入社)です。佐竹選手も庄司選手と同じくサンショーを専門としながらも10000m・ハーフでチーム屈指の力をつけ、全日本・箱根とシード権獲得に大きく貢献しました。山への適性は未知数ですが、身近にこれから行くべき道が示されていたこの一年は庄司選手にとってかけがえのない財産であったのではないでしょうか。

「新進気鋭」という言葉が似合う選手と記しましたが、庄司選手は1年生の終わりにしてその佐竹選手に並ぶポテンシャルを秘めていると私は確信しています。山への適性を見極めるもよし、サンショーを極めながら三大駅伝を狙うもよし、距離を伸ばしてロードへの適性を図るもよし、どの道を選んでも秘めた力を伸ばしていく一年にできることを祈っています。そしてそれだけの意欲と能力を持っていると言い切れます。

庄司瑞輝選手

新体制について

ここでスローガンと新体制も改めておさらいしてみます。

まずスローガンは「一新紀元」です。
この「一新紀元」とは「古いことが終わりを告げ、新たな時代が始まる最初の年」のことです。これまでの大東大は冬の時代が続き、三大駅伝に出場できない年月を過ごしました。監督の交代も相次いでいました。それが真名子監督の就任でチームは再生し、今では全日本・箱根のシード権を獲得し三大駅伝に挑戦できるまでになりました。

それだけではなく、低迷していた時期はチームの雰囲気も暗く「自分たちには他大学には勝てない」とネガティブな感情に駆られていたと思います。
私はその時期のチームを見続けていますが「復活はまだ(少なくとも箱根予選会で敗退してから5年は)先だな」と長い目で見守る覚悟でした。そんなチームが見るからに明るい雰囲気に、そしてOBでもなんでもない私が本気で応援したくなるチームになってくれました。
「一新紀元」にはそんな冬の時代の大東に別れを告げ、「これから三大駅伝の常連校・強豪校になってやる」という覚悟、「より一層応援されるチームを作っていきたい」という真名子監督と現役部員の思いが垣間見えるスローガンと解釈しています。

さて、そんな新チームの幹部ですが、主将の西代選手については前述したのでその他の選手を。

副主将の西川選手は新チームのエースでありチーム随一の「陽キャ」です。サングラスが似合いすぎるほどのチャラ男(本人公認?笑)であり、その明るさで西代選手を強烈にバックアップしてくれると確信しています。一部記事でも取り上げられていますが、夭逝した九国大附属高時代の盟友のために「絶対に箱根を走る」という強い思いを持ちその夢を実現させたように、友のため、仲間のためにその身を捧げることのできる男前でもあります。先日の丸亀ハーフでは1.01.55の大東記録を打ち立て、走りでチームを牽引する副主将です。

もう一人の副主将は久保颯斗選手(4年・仙台育英高出身)です。今季選手としては3000m(8.58.20)の自己ベストを更新しています。5000m・10000mでの自己ベスト更新は見られなかったものの、シーズンを通して試合に出場し練習も継続できている印象です。仙台育英高出身ということで真名子監督も当時の教え子としての久保選手を見ているので、久保選手の副主将抜擢には思うところがあるのだろうと思います。そんな久保選手が大切にしている言葉は「弱肉強食」で、「レギュラーを取らないと意味がない」という強い思いで過ごした高校時代がベースになっているそうです。個人としても競争に打ち勝ちながらまとまりの強いチーム作りに貢献できると信じています。

寮長は小田選手です。個人的にはこの抜擢に唸ると同時に納得しかしませんでした。小田選手は真名子監督が「誰よりも練習する選手」と名前を挙げるほどの選手です。そしてそれだけの練習をしっかりとこなすためには寝食、つまり寮で過ごす時間を大切にしなければなりません。今年度の小田選手は自身の活躍をもってそれを示しました。そんな小田選手であれば選手寮を規律あるものに、同時に帰って安らげる場所に作り上げてくれると確信しています。そして寮長としての業務をこなしていくことががそのまま自身やチームの飛躍に繋がることは間違いありませんので大いに期待しています(おひさまとしても)

最後に続投という形になりますが、新体制ということで正木優成主務(花咲徳栄高出身)にも触れておきましょう。2年次から主務を務めており、新年度からが3年目の"ベテラン"になります。実は主務に就任したタイミングが真名子監督の就任と被るのである意味では"同期"とも言えます。新興チームならチーム事情により下級生のうちから主務を務めることも有り得ますが、箱根に出場するレベルのチームでこれだけ経験のある主務は他に見たことがありません。この2年間で真名子体制や各選手の性格・特性などを知り尽くしている正木主務。3年目はその敏腕ぶりに磨きをかけ、チームを陰日向から支えてくれると確信しています。


とまあだいぶ長くなりましたが、2024年の大東文化大学に興味を持ってもらえるきっかけになれば嬉しいですはい。

Fin.



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