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雨の日には、ミミズが土の中から這い出してくる

※こちらのエッセイは、「ことばとからだとこころ」という言葉イベント6月の課題作品として書きました。
テーマは雨。



しばらく雨が降り続いて、ようやく落ち着いたある日。窓を開けると、庭の土がぼこぼこしているのことに気づいた。
ぼこぼこの正体は、ミミズ。ミミズが、土の中から這い出してきた跡。

土の中から、どういう理由かわからないけれど地上に這い出してきて、残念にもアスファルトの上で干からびてしまったミミズを見た経験は、たぶん日本人なら8割あると思う。友人5人聞いたら4人が経験ありっていうから8割で間違いないはず。
ミミズは土の中の有機物を食べて生きていると図鑑で読んだことがある。そしてその排泄物には多くの栄養分が溶かし込まれた液肥となり、肥料価値の高い上質な肥料となるそうだ。 このような性質を利用し、ミミズを飼って生ごみを食べさせ、ごみを削減することを「ミミズコンポスト」と言うらしい。
でも、そもそもミミズってなんでわざわざ土から出てくるのだろう。
住まいは土の中。餌である微生物がたくさん。温度は一定で適度に湿っていて快適そう。ミミズにとって土の中が快適そうだと仮定して話すが、土の中が快適ならそのまま土の中にいればいいのに。地上に出れば干からびたり、鳥や虫に食べられる危険も増す。
土の中で生きていないヒトからすると、ミミズにとって地上に出てくるメリットは何もないように思うけれど。


雨があがったあとの庭を見ると、ミミズが土を掘り起こして出てきた跡がたくさんある、と最近気づいた。調べてみると、やはりミミズは雨の日に土の中から出てくることが多いらしい。
しかしその理由は、実は専門家の間でも意見が分かれているんだって!



ということで、ミミズが雨の日に土の中から出てくる理由を唐突だけど3つご紹介しよう。

ミミズが雨の日に土の中から這い出してくる理由3つ


ミミズのミーちゃん

①雨の日は窒息するから
雨が染み込んだ土の中は酸素不足になって窒息するから……なんじゃないか?という説。

②雨の日は移動しやすいから
雨の日は天敵となる鳥や虫もあまり活動しないし、干からびないので、移動するのにもってこい……なんじゃないか?という説

③雨の音がモグラだと思ってるから
ミミズの本当の敵は、地中のライオン(私が今勝手につけた)・モグラ!雨の音でモグラがきたと思って急いで地上に出てくるから……なんじゃないか?という説。



いずれにせよ、専門家たちも意見が分かれていて正しいことがよくわかっていない、爬虫類でも昆虫でもない貧網類という部類に分けられるミステリアスなミミズ。
雨の日は私たちヒトも、気持ちが落ち込んだり、なんとなく気が立ったり、気圧のせいで何もやる気が起きなかったり、朝起きれなかったり、意地悪な気持ちになったり、いつも以上に夫に腹が立ったりする。
こうしたヒト身体や気持ちの変化についても諸説あり、また一人ひとり体質によってもその影響は違うので、「ヒトは雨の日にこうなります」という絶対的な答えはやはりないように思う。

ヒトもミミズも、なんだかいつもと違うことをやっちゃうのが、雨の日なんだろうな。


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