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日陰の女

先日、3日ぶりに1時間半ほど外を歩いたら体が重だるくなった。

家の中で踊っていたとはいえ、やはり体力が落ちたのかな?と思ったが、しばらくして「日差しのせいだな」と気づいた。

ここ数年、夏場に太陽を浴びるとものすごく疲れやすくなった。先日は夏日だと天気予報で言っていたっけ。私は日差しに負けたのであろう。

ずっと延期されていた大阪での仕事が来週からやっと開始できると派遣会社から電話があった。当初4月開始の予定だったので、口では「はい、よろしくお願いいたします」と言いつつも時間が経ちすぎてやる気ダダ下がり気味である。しかも、在宅ワークの量が下がる予感はない。そこに強くなりつつある日差しである。

「君は体が弱いからね」

などと、夫がふいに言う。しかしあんた私が日陰にばかりおったらおったで文句言うやないか。まあ誰に何を言われても妻は気にしないタチなのだがな。

気づけば、結婚して今年で19年である。子がいないのと在宅ワークがメインということで、私の暮らしぶりというのは夫の仕事が忙しい時期になると既婚者なのにお妾さんのようである場合が多い。それを楽しんでいる節もあるのだが、体力の低下により本格的な「日陰の女」へと変貌の道をたどっている。

何気に外での仕事をするのはあと5年くらいだろうと踏んでいる。それは体力的な問題もあるが、日本社会において50代女性がオフィスワークに携わるための門扉は非常に重くて硬いからだ。40代定年説という言葉もある。何となく生き抜いている運の強さに手を合わせたくなる。

常々、早めに在宅ワークを手に入れていてよかったと思うのだが、それもいつまであるかはわからない。常に次の一手を考えておかなければならないと思う性分は、就職氷河期世代だからなのか、貧乏性なのか。日陰の女は本日もほのかな焦りに汗を滲ませている。

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