見出し画像

映画とダンスとモノレール 何かが何となく懐かしい街

突然ですが、前世紀、しかも昭和の話。
1980年代末、ちょっとしたドイツ・ムーブメントが起きました。1987年にヴィム・ヴェンダース監督の映画、ベルリン天使の歌が公開(日本での上映は翌1988年)。1989年9月にはピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踏団が来日公演。そして、同年11月9日ベルリンの壁が崩壊… 東西冷戦を扱ったハードボイルドミステリーとは異なる文化的な面がクローズ・アップされました

ヴィム・ヴェンダース監督と言えば「パリ・テキサス」(1984)が当時の代表作でしたが、他にもそれまで日本で紹介されていなかった作品が上映、その中に「都会のアリス(Alice in den Städten)」(1973)という作品がありました。主人公のジャーナリストがアリスという名の少女と旅をするロードムービーなのですが、彼らがアムステルダムから目指す街がヴッパータール(Wuppertal)… トレーラーしか見ていないのですが、モノクロの画面の中、轟音を立て懸垂式のモノレールが駆け抜けていく… なんともノスタルジックな映像が深く印象に残っています。

なんて思っていたら、なんと間もなく観られるようです!
東京以外でも上映されるようなので、ヴェンダース監督の作品に関心がある方は是非どうぞ。

ベルリン天使の歌が公開され、天使が様々な形でフューチャーされた後、ピナ・バウシュ来日。1986年に日本舞踊家批評家協会賞を受賞し、既に来日していたので、89年は2度目の公演だったそうです。

1989年来日時の演目は「カーネーション」。舞台一面に広がるカーネーションの花畑が印象的な作品です。
2017年来日時の動画が見つかったので、ご覧ください。

ヴッパータールってどんな街なんだろう… 当時は空想とか憧れとかが勝手に膨らんでいました。

創始者のピナ・バウシュは舞踊と演劇を融合させたTanztheaterという総合舞台芸術を確立、世界的に高い評価を受け、1999年には高松宮殿下記念世界文化賞、演劇・映像部門も受賞。
コンテンポラリー・ダンスの振付家として独自の前衛的世界を創造しますが、2009年にガンで急逝します。

2011年には、かつてより交友のあったヴェンダース監督がピナ・バウシュを偲び撮り上げたアート・ドキュメンタリー「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」が3Dダンス映画として公開。

残された舞踏団は今も活動を続けており、日本公演も継続的に行われています。

ちなみに…ヴッパータールのモノレールと2018年に湘南モノレールと姉妹懸垂式モノレール協定が結ばれています。実に色々な姉妹関係があるものです。

色々と書いてみましたが、ヴッパータールは谷(タール)を流れるヴッパー川沿いの街。
いつかは川の流れの上を走るモノレールを始発から終着まで乗ってみたいものです…

(とうとう昭和の回想録)

#旅行
#海外旅行
#ヨーロッパ
#ドイツ
#ヴッパータール
#ヴィムヴェンダース
#ピナバウシュ
#モノレール
#舞踏団

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?