見出し画像

茶事の流れ

*一般的な流れであり流派などにより異なりますのでご了承ください。

準 備 
茶事の流れは準備から始まる。計画を立て茶事の目的、趣向、客組、日時を決め案内状を送り、亭主の招待状に対して客は招待されたお礼のため挨拶に伺う(前礼)。亭主は客が決まれば道具組をして前日より茶室と露地をきれいに掃除する。

寄 付 
当日、招かれた客は門や玄関の木戸が少し開いて手がかりがあれば準備が整った合図なので家人に案内を請うことなく中に入り、定刻の少し前に寄付(よりつき)に集合する。

客が揃うのを待つ間、白湯などのふるまいを受ける。用意した露地草履(ろじぞうり)を履き露地の外腰掛(そとこしかけ)へと進む。

待 合 
客をもてなす準備が整ったら亭主が中門(ちゅうもん)近くまで客を迎えに出る迎付け(むかいつけ)をする。茶室の下地窓(したじまど)や連子窓(れんじまど)には(すだれ)がかけている。

中 門 
客と亭主は無言で挨拶を済まし、外腰掛けに一度戻り、しばらくしてから中門を通り内露地の手水で手と口を清め、最後に柄杓(ひしゃく)の柄を清める。

躙 口 
躙口(にじりぐち)から茶室の中を伺い、一礼してにじり入り振り返り、履いてきた露地草履を踏石の脇に立てかける。

初 座 
正客(しょうきゃく)から順番に入室後、床、移動して点前座(てまえざ)を拝見(はいけん)する。次に入るのが次客(じきゃく)、三客(さんきゃく)と続き最後が末客(まっきゃく)あるいはお詰めという。末客は席入りすると音をたてて躙口の戸を閉める。これが亭主への合図となる。全員の拝見が終わったら着座する。亭主は全員の着座を確認して挨拶に出る。

初めに炭点前(すみてまえ)での初座(しょざ)がおこなわれる。炭手前が始まると客は炉を囲むように集まり炭点前を拝見する。その後、懐石料理(かいせきりょうり)が振る舞われる。懐石料理は質朴(しつぼく)が良いとされ、一汁三菜に強肴(しいざかな)などでもたなされ、酒も出される。風炉の時期は懐石の後に炭点前がおこなわれる。

中 立 
食事が終われば主菓子(おもがし)が出される。頂いたら床の間と点前座を拝見し躙口から退出し内腰掛(うちこしかけ)に入りしばし休憩する。この間にトイレなどを済ましておく。内腰掛に客が入れば亭主は床飾りを軸から花に変え、(すだれ)を巻き上げる。

躙 口 
席が整ったら亭主は鳴り物で合図を送り、客は躙口から簾を上げ席中が明るく一変した茶室に席入りする。

後 座 
後座
(ござ)では濃茶(こいちゃ)と薄茶(うすちゃ)が出される。濃茶は一座建立*(いちざこんりゅう)という考えで一服を回し飲みするのが正式。茶入(ちゃいれ)や茶杓(ちゃしゃく)などの道具の拝見をし、続いて薄茶を頂く。飲み終えたらしばし座談のあと御開きとなる。亭主の送りの礼を受け、床などを拝見したあと躙口より退出する。

茶室では亭主と客の動線は必然的に分離する。客が露地を通るのは千利休の言葉によると「妄念(もうねん)を捨てて、仏心を露出」とされ日常的な迷いや誤った考えを捨てる精神的な結界などの意味合いがある。

*一座建立 茶道で大切にされる精神のひとつで亭主と客が心を通わせ、気持ちのよい一体感が生まれる状態

茶の湯において点前(てまえ)の中心は(かま)になる。釜には二種類ある。(ろ)は11月から4月に使う。

11月は茶道の世界では新年に当たり、初夏に収穫した茶葉を茶壺(ちゃつぼ)に詰めて熟成させる。11月になると茶壺の封を切り、中の茶を石臼で挽いて抹茶に仕立て、新茶でお茶を点てる。夏は涼しくという心づかいから4月に炉をしめて5月から10月までは客から遠い場所に風炉(ふろ)を置く。水屋の位置で炉の切る位置や茶道口の位置が決まる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?