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柿は日本の大切な食材!江戸時代の古文書『廣益秘事大全』解読⑬

嘉永四年(1851)の古文書『廣益秘事大全』から、奇巧妙術類(生活の豆知識編)の第13回目です。

今回はまず渋(タンニン)のお話から始まり、柿へと進みます。

ところで「渋」って何さ?と、基本的なことを知らない私たまむし。

そこで予備知識として、少しこの「渋」について調べてみました。

【渋ってなあに?】渋みの成分でポリフェノールの一種です。
【どんな効果があるの?】
 ①お肌の引き締め ②下痢改善 ③生活習慣病の予防と改善 ④美白
【柿からどうやって渋を取るの?】
柿には甘柿と渋柿があり、渋みの強い渋柿を干し柿にして食べます。そのままでは渋が強く、食べられないためです。

わかさの秘密byわかさ生活

ちなみに柿についてはこのようにあります。

【柿の健康効果】
①コレステロールを下げる ②免疫力を高める ③美肌 ④腸内環境を整える ⑤二日酔いを防ぐ
【柿に含まれる成分】
ビタミンCはみかんの2倍。βカロテンも豊富で風邪予防や肌荒れに効果的で、干し柿にするとビタミンCは減少しますが、βカロテンは2倍に増加するため、食物繊維が豊富になります。ただし、エネルギーが高いため、干し柿の食べ過ぎには注意。

わかさの秘密byわかさ生活

というわけで本文は短いですが、江戸時代では渋・柿をどのように活用していたのか、見てみましょう。

1.渋糊の作り方

わらびの粉一升(1.8㍑)、渋八合(1.4㍑)、
水六升(10㍑)を混ぜ合わせる。
この渋糊で物を貼ると、強くて剥がれない。

2.渋紙の作り方

1の渋糊を粉引刷毛こひきはけを使い、
むらなく紙を合わせる。
天気の良い日に日陰で乾かすと
堅くなってしならない。

よく乾いたら二番渋に水を少し
加えて裏から塗る。
この二番渋に蕨粉は加えず、
晒粉さらしこ※はさらによくない。

 ※晒粉=漂白剤

3.柿の保存の仕方

新しい柿のヘタのまわりを漆でよく塗り、
壺に入れて蓋をしっかり締めて保存する。

4.柿を年切り※させない方法

 ※年切り=年によって実がならないこと

正月に大きなきりで木に穴を開け、
鰹節を打ち込んでおくと、年切りせずに
実がなることが多くなる。

また、渋い柿はアクを根に注げば
翌年から甘くなる。


【たまむしのあとがき】

実は私、昔から柿がたいへん苦手なのです。

今回このように柿・渋に関してのネタを訳すにあたっていろいろ調べた結果、想像を絶する優秀食材だったことがわかり、衝撃を受けました。

昔からある日本の食べ物ですし、個人的に好きじゃないということもあって、スーパーではまったく眼中に入らず、売っているのかどうかも正直わからないほど。

ですがっ!!

今年から頑張って食べてみようと思います!!

旬は皆さんの予想通り、秋から冬(9~12月)、まさにこれからです。

なんといってもコロナ対策に必須の免疫力upが期待できますし、女性にとっては美白効果、さらに現代人共通のお悩み、生活習慣病対策にももってこいです。

私たまむし、お恥ずかしながら、健康診断で中性脂肪異常の診断が出ており、食生活を根本から改善全力取り組み中のため、柿のコレステロール減少の効果を大いに期待したいと思います。

しつこいですが、柿の期待できる効果は以下のとおりです。

風邪予防・美肌効果・高血圧予防・動脈硬化予防・脳梗塞予防・心筋梗塞予防・がん予防・二日酔い予防

柿に含まれるビタミンCの量は、日本人がよく食べる果物の中でトップクラス。風邪予防や美肌効果に期待できます。また柿のオレンジ色には、抗酸化作用のあるβカロテンのほか、同じカロテノイドの一種「βクリプトキサンチン」が多く含まれていて発がん抑制作用があるといわれています。

渋み成分のタンニンにはアルコールを分解する作用があり、さらに利尿作用のあるカリウム、酸化還元作用のあるビタミンCの相乗効果で二日酔いにも効果があります。

なお、タンニンは血圧の上昇を抑える効果もありますが、一方で鉄分の吸収は妨げられてしまうため貧血気味の人は過剰摂取を控えましょう。

果物情報サイト 果物ナビ

みなさん、一緒に柿を食しましょう!(くれぐれも食べすぎにはご注意)


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