マガジンのカバー画像

掌編小説集

16
掌編小説を載せております。また、掌編小説に写真と音楽を付けて動画化した作品もあります。基本無料設定ですが、お気に召したらサポートいただけると大変励みになります。
運営しているクリエイター

#ホラー

【掌編小説】画面の向こうに

 友達に佐藤君という人がいるんだ。学生時代から付き合いのある悪友みたいな奴。そいつから奇…

【掌編小説】廃墟は見おろす

 千葉県某市のある地域は、近年過疎化の影響で空家が増えている。その中SNSで交流している…

【掌編小説】骨と影 動画版

宣伝を兼ねて、2017年7月23日公開の掌編小説『骨と影』を動画にしました。フリー素材の音楽・…

【掌編小説】骨と影

 それを拾ったのは大学の友人たちと海水浴に出かけたときだった。海水浴とは名ばかりで実情は…

【掌編小説】雨の手

 うちの同僚の知り合いにタカハシさんって人がいてね。これはね、その人の話なんだ。  梅雨…

【掌編小説】蝶化身

 コクチョウが行方不明になった。  アパートの大家にたずねても彼の安否はわからなかった。…

【掌編小説】鳴き声のする風景

 煎餅布団に横たわる友人はミイラのように痩せ衰え、根ぶかい苦悶の痕跡を土気色の顔に残していた。ここまで彼を苦しめたものはベランダからのぞめる大正川にあった。おだやかな支流にかかる歩道橋で子猫が鳴いているとメールをよこしてきたのは、アスファルトの熱が煙のように立ちのぼる真夏の日だった。歩道橋から聞こえるか細い声に気付いた彼は、捨て猫が助けをもとめているのではないかと懸念した。しかし、臆病風に吹かれて近所で猫が生まれたのだと決め付けて聞かぬふりに徹したのである。  五匹の子猫の死

【掌編小説】工廠を照らす激しい日光

 京橋駅の裏手にある慰霊碑をおがむところから見舞いははじまる。それから公園の随所にのこる…

【掌編小説】闇の底から

 あまたの死傷者をだした都内の地下鉄脱線事故は記憶にあたらしく、原因究明の捜査はいまもな…

【掌編小説】京田辺の知人

 京田辺をテーマとした怪談が募集されていることをしり、U野は思いきって挑戦することにきめ…